「定点観測」を行え、話はそれからだ
いずれにせよ、「感染者」の絶対数だけを見たところで、大した情報は得られない。例えば大阪府でも「感染者60人超」で騒がれたが、「感染者率」で言えばその数日前にもっと大きな数字を出していたのだ。
通算何度言ったか分からないが、「日本のコロナ汚染度」を調べたいなら、PCRの一定数無作為検査による「定点観測」しかない。恵よ、志らくよ、2時間かけて同じことをギャーギャー言う前に、30秒の時間を割いて「政府は定点観測をすべきだ」と言うのがマスコミの役目ではないのか?『グッとラック!』に辛坊治郎が出てきた時は言っていた。彼と全く同じことを毎日言えば良い。
逆に言えば、定点観測を行わずして、対策もクソもないのである。
コロナで自殺者が減った?
今般のコロナのおかげで、自殺者が大幅に減ったらしい。
4月の自殺者数は例年の2割減というのだからかなり大きな数字だ。
人間と言うのは(日本人だけ?)不思議なもので、社会が豊かになり、産業が高度化し、戦争もないとなると、死にたいと思うのに、命を意識せざるをえない環境下にあると自殺はやめておこうと思うらしい。東日本大震災の直後も自殺者は大幅に減った。
何にせよ、自殺者が減るのは良いことだ。
が、しかし。
来年コロナで1万人の日本人が死にます
さて、問題はここからだ。
災害や大規模な感染症で自殺者が減ると言うのはひとつの傾向だが、もうひとつ重大な傾向があり、それが「失業率と自殺者数の相関」である。
失業率と自殺者数にはかなり強い相関があり、失業率1ポイントで自殺者が2200人(別の計算では4000人とも)変わってくると言われる。
計算式はともかくとして、
からグラフを拝借すると、
過去には、バブル崩壊から数年後、いよいよこれは深刻な慢性的不景気に入ったというところで失業率は急上昇。初の3万人台に乗せた後、この状態が実に10年以上続くことになる。「失われた20年」などとよく言われるが、経済的事由によって少なくとも10数万人の命が失われた計算だ。
命を慈しむ心が醸成されている今は良い。
しかしこの後、「アフターコロナ」が到来し、それが歓迎すべきものか呪うべきものかに関わらず、「安定した状態」になる。その状態が「悪い安定」~バブル崩壊後のように~だった場合が大変である。
今回のコロナ危機に比べればリーマンショックなど可愛いもので、ひょっとしたらバブル崩壊以上の深刻なダメージを日本にもたらすかもしれない。
どのくらいになるかは想像もつかないが、失業率が上昇(悪化)するのは当然のことで、それがバブル崩壊後クラスの5%台だとしても、今より1万人以上自殺者が増えることになる。
「うちのお父さんは観光業ではないので安心♪」
なんてとんでもない。
経済は連鎖反応で成り立っている。観光がダメになれば車も売れないし、そうなるとガソリンも売れない。観光地の店で売っているフランクフルトもかき氷も売れないし、ホテルに納入している布団業者もダメ。その布団業者だって机や椅子というオフィス家具、コピー機などのOA機器、その他文房具などを違う業者から買っているが、仕事がなくなれば仕入れている業者にもダメージは伝わってしまう。
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