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維新はなぜ躍進できたか。

国会議事堂 政治・経済

今頃、衆院選の総括……?いや、選挙直後に途中まで書いてずっと置いてたんですよ…。

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維新躍進の勝因

私の支持政党である維新ですが、今回は41議席獲得の大躍進でした。周辺の予想では30行けば御の字、33~4くらい行くのではないか?といった辺りの予想が平均的でしたが、都構想住民投票で「期待しないこと」を学習してしまった維新支持者が33というなら、38は行くだろうというのが私の予想でした。ふたを開けてみるとさらにその予想も超えての41議席。

この大躍進を受けて松井・吉村両氏は「維新の改革の理念が理解された」みたいなことを仰ってましたが、そうでないことはお二人とも重々承知のことでしょう。

今回の維新の躍進、とりわけ、大阪での無双状態は、ハッキリ言って、コロナ禍で吉村知事がテレビに出まくったのが勝因です。

「維新の改革の理念」を理解した結果投票に至った人だっているでしょう。しかし残念ながら、そんなことよりイケメン知事がテレビに出まくったことなのですよ。

 

小池百合子を見てみろ

小池都知事が都知事選で勝利した際、一体どれほどの人が彼女の政治理念に共感できたでしょうか。そもそも政策論など語っていましたか?そんなもん、全然関係ないのです。

政治理念がどうこうというのはある程度コアな支持者が作るドラマにすぎず、現実はせんないもので、メディア露出度こそ正義なのですよ。

つい先日、『総理大臣になってほしい人』ランキングが発表されていました。それによると、1位は河野太郎、そして2位が橋下徹となっています。ちなみにトップ10内で民間人は橋下徹と池上彰だけ。

維新界隈で話をしてると、「橋下徹が政界復帰したら」とか「橋下徹が総理大臣になるシナリオ」みたいな架空のお話で盛り上がることがちょいちょいあるのですが、その時、維新支持者でさえ「橋下徹と言えども全国ではそこまでの人気はない」と結構後ろ向きなことを言います。これもまた先述の住民投票否決のトラウマなのかもしれませんが、いざアンケートを採ってみると結果は全体の2位、民間人では圧倒的1位なのですよ。

それもそのはず、橋下徹といえば今やテレビで見ない日はないというくらい、各局でテレビに出まくっており、しかもその番組の主たる視聴者は、テレビに思いっきり影響を受けやすい層です。そのくらいテレビというのは絶大な力を持っているわけですよ。

逆に言えば、それなりの議席を獲得した今、分かりやすいものしか分からないバカ国民に「教育」を施していくことこそが維新の課題となるでしょう。ま、難しいんですけどね。

 

年代別比例投票先を見てみようぜ

それはそうと、このグラフを見てください。

維新を見てみると、ちょうど真ん中の40代がピークになっています。齢を取るにつれ支持が減るというのは当たり前ですね。頭が傷んで判断力がなくなってきている上に、逃げ切らなきゃいけない世代ですから。ヘタに改革なんかされて自分たちの取り分が減ったらどうするんだ!ってなもんです。面白いのは、40代から若くなっていっても支持が低くなっていくという点です。自民と立憲はどちらも若くなるにつれ支持が高くなっていってます。今回の選挙でいかにも維新とシンクロしているように見えた国民民主だってピークは20代です。

さて、これが何を意味するかって話ですが、あ、独断と偏見だと断った上で言いますね。

ワケも分かってないお子ちゃまには維新のやりたいことなんて分からないのですよ。若者が自民を支持するのはある程度は同情できます。アベノミクスで求人倍率が急騰しましたからね。若者が就職する会社を選べるようになったんだから、かつての就職氷河期からすると夢のような話です。

 

お子ちゃまは分かりやすいものしか見えない

が、それ以上に、まだ政治も経済も、そもそも社会の姿も良く分かってないお子ちゃまは、分かりやすいものしか理解できないということなのです。さらに、維新は常にきな臭く、物騒なオーラを出しています。何か近寄り難い。橋下怖い。大阪の党なんでしょ?と。だったら同じようなことを言ってる国民民主だよね、となるわけです。最若年層や最高齢層で自民と立憲の存在感が増しているのは、まさに足立康史議員の言う「茶番」しか理解できない層ってことでしょう。

それが、だんだんと世の理が理解できるようになり、自分達が生産・消費の中心世代に近づくにつれ、維新を支持するようになる。今の日本の危機を肌で感じ、改革が必要であり、その改革を本当にやってくれそうなのは維新のようであると理解できるようになるわけです。

すみません、口が悪くて。

ちなみに、この年代別支持率は大阪都構想住民投票の賛成票率とほぼシンクロしています。その際、私はブログで「老人と女性に負けた」と書きましたが、年代別で見るとまた違ったアプローチができます。

 

維新は国民民主とれいわを意識せよ

私がかねてより、「党勢拡大を考えた場合、意識すべきは国民民主とれいわ新選組だ」と主張してきたのはまさにここ。これは別に、国民民主やれい新から票を奪うってことではないんです。旧来の右である自民でもなければ、旧来の左である立憲でもない、【だから】別の党にという流れにおいて、若者が維新を選ぶように誘導していかなくてはならない、かつその流れそのものを強くしていかなくてはならないわけですよ。

若者はバカ者なので、分かりやすいものに惹かれます。知識と知恵が十分に付き、脳の活きもよく、物事の道理がよく分かっている働き盛りに支持されているというのは、維新の大きな強みです。他方、国民民主が20代をピークに30代でガクンと支持を落としているのは、その薄っぺらさを見抜くからでしょう。30代なら加計学園問題の際の玉木氏の振る舞いも憶えているでしょうしね。

維新がやるべきは、国民が齢を重ねるにつれ付いてくる支持層の幅を増やすこと、さらに若者の支持も伸ばすことでしょう。その時に、国民民主やれい新を念頭に置いておくと、自民・立憲から支持が離れる流れそのものを大きくしながら自党へ誘導もできるのではないかと思う訳です。

 

おや……橋下vs足立バトルについて書く予定で、選挙の総括はただの枕のつもりだったのですが、文字数がこんなに。最後に、国民民主党についてちょこっとだけ書いて一旦終わります。

 

国民民主党の今後は…?

私は別に国民民主党が嫌いというわけではありません。むしろ、現存政党でまともなことを言ってるのは維新と国民民主だけだと思っています。ただし、言うのはタダ。

国民民主党の代表と言えば玉木雄一郎氏。玉木氏と言えば加計学園問題。あの時、既得権側に付いたのが玉木氏なのです。当時、橋下徹氏も安倍首相を批判していましたが、それは野党の理屈とは違いました。詳しくは割愛しますが。玉木氏は数字のトリックを使って、獣医学部を増やす必要はないと主張したのです。獣医学会から100万円もらってね。このような行為は、利権構造を破壊して改革を進めようとする維新の理念とは真逆のものです。

それが今ではエセ維新のような政党に。

良いんですよ。嫌いじゃないんで。私の選挙区で維新が出ずに国民民主から候補者が出てたら投票もします。

が。

それは短期的な支持であって、国民民主に政権を獲ってほしいなどと思っているわけではありません。

国政維新がアイデンティティーの問題で揺れる今、国民民主はさらに「自分たちは何者なのか」という問題に悩まされているのではないでしょうか。民主系のくっ付いたり離れたりのゴタゴタでスポンと成り行きで誕生してしまった現・国民民主党。これと言った顔もなく、これといった看板政策もなく、これといった実績もない。気づけば維新に極めて近いところに「居場所」を見つけて、隙間産業ですらない、ただそこにいるだけの政党。宇多田ヒカルのついでに売れた倉木麻衣、みたいな。

…とこんなことを言うと支持者にすごく怒られそうですが、実際、維新とは違う政治理念を打ち出し、実績を作っていく、その間に、かつての玉木氏のイメージを払拭していく。これ、相当難しいと思うんですがどうでしょう。

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