ある救命士のツイート
【今日の新コロ通信】ある救命士と思われるアカウントのツイートより、俺ツイートまとめ。
もう医療崩壊です。まじで無理です。
私達は救命センターとして最後の砦としての役割を果たしてきました。
『絶対に断らない救急』
を24時間365日、維持し続けてきたんです。
でもこのコロナ騒動で、発熱患者さんに関わる人間は全員が完全防護服の着用を義務付けされました。→
? できる限り出歩かない鼓膜 (@incident_girl) April 12, 2020
空気読まずに言うなら、このツイートに物凄い違和感、もっとはっきり言えば嫌悪感を覚えてしまう。もちろん、この状況での医療現場に携わる人には感謝と敬意は持っているが……。
まず基本中の基本、「そもそもアンタ誰?」ということ。救命士だろうという推察はできるけど、なんでツイートやプロフィールに書かないの?それとも有名な人なの?
(救急患者を?)「絶対に受け入れる」って、なんで「絶対に」やる必要があるのか。出来る限りのことをやってくれさえすれば、少なくとも私は感謝する。「絶対に」なんて軽々しく言ってできなかったらどうするのよ。
向こうの友達から、受け入れたよ、といわれると、安心したと同時に情けなくなります。果たすべき役割を果たせなかったのだと。
患者が受け入れられずに他所に回したら、「安心すると同時に情けない」。神様目線なのかな?「泣き崩れる遺族をこれ以上見たくない」なら職業間違えてると思うのよなぁ。主語がずっと「自分」なのよ、この人。
こういうセンチメンタルな訴えに大衆は疑いなく共感してしまいがちだけど、アメリカの状況考えたら、重症者も累計死者も100人やそこらで留まってる日本で医療崩壊なんて起きようがないのよ。
で、武田邦彦氏いわく「医師会は金が欲しいから医療崩壊というキーワードを使う」と。でないと計算合わないよね。
この人の病院で何人のコロナ患者が亡くなったのか知らないけど、毎年インフルエンザで大変な思いをしてるのかなー?なんて思っちゃいます。患者数、死者数、コロナとは比較にならないからね。
医療サービスの消費者つまり患者の立場からすると、医師や看護師に求めてしまうのは「共感」なんだよ。「そうですか、それは辛いですね」と。でもそれは共感するフリで良い。だって本気だと精神もたないでしょ。
逆に、本気で感情動いてたら、それはプロとして信用ならないってことですよ。感情動かさず、淡々と、やるべきことをやって頂きたい。
ここから追記。
まず名を名乗れ
「アンタ誰?」と言うのは難癖でも何でもなくて、特定の立場から何かを主張したいのなら、その立場を明示し、自己紹介すべきなんですよ。でないと、スレッドの最後に「ま、私はコンビニのバイトで以上は全部噂なんですけどね」と来るかもしれない。
これって以前にも書いた、ある習い事でのメール連絡のトラブルの話にも通じるんですが、保護者会が母親、つまり女性ばかりだと、こういう簡単なルールさえ守られなくなるんです。「誰のメールなのか一目で分からないから、“送信者”欄に本名を入力するか、本文中で名乗ってください」これを何度注意しても分かってもらえない。仲良し同士ならメアドを憶えているから良いだろうけど、人数が多いと把握できないし、これから入ってくる人にはサッパリだ、と。これは俯瞰で物を見ることが苦手な女性の特徴なんです。
コロナのチェーンメール
ほんの数日前にも、マダムの仲良しLINEグループで、趣旨としては全く同じ内容のコロナ関連チェーンメールが回ってきたんです。
「あ、これチェーンメールかもな」
と直感しましたが、趣旨そのものは「家から出ないで」ということで決して間違っていないので、「お互い注意しましょうね」
てな感じでふんわりまとまったのですが、1日経って、
「友人からチェーンメールだと教えられました。すみませんでした」
と。でしょうね。
この人のチェーンメールの回し方もいい加減で、どこが自分の文章で、どこからどこまでが引用(チェーンメール本体)か全く明記していなかったんです。ツッコむのもヤボだし攻撃的な感じになってしまうからやめたんですけどね。
これも自己客観視能力の問題。「思い」だけが先走って、この情報が正しいかどうかという審査や、どう正確に伝えるかという手法は二の次なんです。
主観から逃れられない「ワタシ、がんばれ!」
そしてツイートはまさにそのパターンで、主語は「自分」。完全に【その時の】【自分目線】しかないから、名乗るということすらしない。【絶対に受け入れる】なんてことを軽々しく言ったと思ったら【もう無理】。
「自分は責任感が強い」というアピールでしかない、あるいは自己陶酔でしかないんです。
ツイートに書いてあるように、医療従事者には敬意を表します。しかし、だからこそこういうプロ意識のように見えて実は正反対のことをするヤカラというのは危険な存在なのですよ。いたずらに不安を煽るな、と。
こんなツイートでも、「現場の声」であり、また書き手の「ピュアさ」が演出されると、皆共感し、恐ろしい数の「いいね」が付いてくるんです。
医療崩壊が起きるとしたら「誰かが起こす」
さて、このことは先の記事で書いたかどうか覚えてませんが書きます。
現在、新型コロナウィルスによる日本の死者は140人ほど。対してアメリカでは2万人くらい死んでいます。人口が3倍弱であることを考慮しても、2桁違う、とんでもない厄災となっているんですよ。もちろん、これは死者だけの話で、コロナおよびその疑いで病院に来る患者は最低でもこの数百倍はいるわけです。
ところが、そんなアメリカでも「医療崩壊」までは起きていません。「医療崩壊寸前」で持ちこたえているのです。
で、世界トップレベルの医療設備を誇る日本で、アメリカの100分の1ほどの被害が出たから「医療崩壊」ですって!?そんなことあり得ないのです。ましてや今年はインフルエンザの流行が非常に低レベルで、去年の5分の1程度という規模。つまり、病院の利用者は数百万人レベルで少なく、医療リソースはかなり余っている状態なのです。
当ブログでは、とりあえず楽観視して良いが、感染症は指数関数的に増加するので「医療崩壊」については注意しておかなくてはならないと書いています。が、私が指摘するのはこんなことではありません。
医師会と政府の関係がどんなもので、医師会がどういう振る舞いをしているのかも私には分かりませんが、武田邦彦氏の指摘は全く腑に落ちるものです。
現場では「医療崩壊」っぽい現象が起きているかもしれない。が、それは「誰かが起こしている」ものと見るべきです。今より病院の利用者が減っても、医師会はあえて物流を滞らせたりして「医療崩壊」を演出するかもしれません。政府(財務省)だって、この国難においても本気で国民を救おうとはしません。利己的な行動原理が最優先なのです。
せっかくこのブログを読んだ貴方は、どうか冷静に、怖がらず、そして注意を怠らぬようお願い致します。
そして現場で働く方々へ。
プロの意識をもって「絶対に」などといい加減なことを言わず、できることをしっかりやってください。「もう無理」なんて言葉を不用意に発するくらいなら転職してください。プロならそれを言う前に休む(休めるよう上に申し出る)ようにしてください。医療従事者は公共性の高い、生活インフラを支える人材と言う意味で(本来の意味で)「公僕」であり、その公僕が不安定では困るのです。淡々粛々とこなすべき仕事をこなす人こそ結果的に大きな生産をすることになり、少なくとも私はそういう人に敬意を抱きます。
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