スポンサーリンク

橋下徹氏のよく分からない「斎藤辞めろ」論

政治・経済

からの続き。

 

スポンサーリンク

橋下徹氏のアクロバット論法

 

第三者委員会の報告書を受けて、橋下氏は「これが法理による判断」とした上で、斎藤知事を最悪の権力行使」と評しました。

では「法理」って一体何でしょうか?これを「法の原理」と解するなら、なぜ同委員会の判断が法の原理に基づいたものとされるのでしょうか。弁護士の集団が判断したから?いやいやいや、弁護士が判断したとしても、第三者委員会は法廷ではありません。

「法理」の裁きを受けさせたいのであれば、通報して司法案件にしてしまうのが当然でしょう。公益通報者保護についてはそのものズバリの法律があるし、パワハラなら「脅迫罪」「侮辱罪」「強要罪」などの可能性があります。前者なら多分誰でも通報できるのでとっとと通報すれば良いし(多分誰かはしているでしょうが、受理されなかったとしてもその報告はしなさそうですね)、後者も当事者や、あるいは渡瀬県民局長が斎藤知事とその側近によるパワハラを苦にしてということであればご遺族が民事訴訟を起こすべきでしょう。

今一度申し上げると、「第三者委員会」は、「当事者ではない誰かの見解」であり参考対象にとどまります。「法理」で裁きたいなら、とっとと当該事案を司法に運搬すべきでしょう。

 

そもそも第三者委員会の役割とは

ということは、ですね。この騒動の主人公は行政の長である斎藤知事であり、その任命は県民が行います。第三者委員会がどんな報告を出そうとも法的拘束力はありませんから、それを参考にした上で【県民が裁く】ことになるのです。

でも今、それって非常に難しいですよね?

なぜなら。

百条委員会や第三者委員会の結論を待たずに、兵庫県議会が斎藤知事に不信任案を突き付けたというバカげたことをしでかしたからです!

一部、本意ではない県議もいたことは増山県議らの騒動によって明らかになりましたが、少なくとも形の上では満場一致の賛成でした。

斎藤知事が再当選した後も、県議会は自主解散もしなければ不信任案の再提出もしそうにありません。ハッキリ言って、政党を問わず、「兵庫県議会はクズの集団」と呼んでも全く差し支えないでしょう。言うまでもなく、そこには維新の県議だって複数いて、維新の場合は「吉村共同代表(当時)の鶴の一声で不信任案賛成に回った」と橋下氏に暴露されています。

 

橋下氏が主張すべきは…

橋下氏がやるべきことは何か。「法理」だの「民主主義」だのと上っ面で斎藤知事を叩くことではなく、それこそ法理や民主主義的手続きや言論を身勝手にいじくり回した県議会を猛烈に批判すべきでしょう。なぜ結論が出ないうちに不信任案なんぞ出すのだ!と。もっとも、吉村さんが橋下さんの顔色を窺ってアンチ斎藤に回ったのは明らかですから、それも言いにくいでしょうが。※念のために言っておくと、一応橋下氏もそこには触れています。ただし、斎藤氏を叩く時とはトーンが全く違いますが。

過去のことは変えられなくとも未来は変えられます。であれば、「斎藤辞めろ」ではなく、「議会は不信任案を再提出しろ!」と主張すべきでしょう。

……と思ったら、言ってますね。

しかしながらこの1ポストは矛盾を孕んでいます。

「法理は民意で覆してはならない」

のであれば(先述の通り、私は「法理」という言葉の使い方がおかしいとは思いますが)、不信任案再提出によって議会が解散・再編成されて斎藤支持派が多数派になった場合、あるいは今の状態とほとんど変わらないまま議会が再編されて斎藤知事が再度失職しさらに知事に返り咲いた場合、結局同じ批判をしなければならなくなりますが、本気で仰ってるのでしょうか?「不信任案を出せ」とは即ち「民意を問え」とほぼ同じことを意味するのです。

とすれば、橋下氏は、「大衆は法理のことなど分かってないアホなのだから民意など窺うな!とにかく斎藤は辞めろ!」と言うべきであって、同時に不信任を突きつけろというのは道理が通らない話なのです。

 

さて、何はともあれ、少なくとも形の上では斎藤知事騒動は一段落着いたことになります。

ということで、改めて総括してみましょう。

……あ、長いですね。ではまた一旦ここで区切りましょう。

 

にほんブログ村 ニュースブログ 話題のニュースへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました