ちゃんと読んだ?じゃあこっちで続きを。
「食料品消費税ゼロ」にかかる官・民のコスト
……というように、現実の運用となると行政・民間ともにとんでもないコストがかかることになる。ところが、そのコストは前面になかなか出てこない。政治問題としてはステルス化されてしまい、いつの間にやら金融庁の予算がしれっと上がっていても誰も注目してくれないのだ。
この辺の話で、まさしく同様の論点で宇佐美典也氏が激しく指摘している。
これ使ったら税務署パンクするよ。多分申請がこれまでの1000倍くらいになるんだから。
シンプルにみなし仕入れ率設定して差額を還付するみたいな制度新設しないとか事務がまわらないよ。 https://t.co/oaNnaZmERz— 宇佐美典也 (@usaminoriya) January 26, 2026
維新側からは足立康史騒動で有名になったはぎ原けい氏が論戦を受けて立っているので、Xで続きをご覧頂きたい。
ただこのはぎ原氏の反論は、「税金が安くなるんだから売値も安くなるに決まっている」という、非常に当たり前だが釈然としない論旨以上のものが見えなかった。つまり、先述で指摘した、行政・民間コストの増加や、現実的な運営可能性などには触れていないのだ。
Grokにまとめと感想を聞いてみたので貼り付ける。
維新・はぎ原議員の反論
はぎはら氏(維新)のこれまでの発言傾向はぎはらけい氏の過去の発言(X投稿など)を見ると、主に以下の点を強調しています:
- 食品仕入れ価格が下がる → 価格転嫁で店頭価格低下の可能性が高い。
- 仮受消費税がなくなる分、事業者の資金繰り改善の側面もある。
- 海外(多くの国で食品0%)でも飲食店は普通に営業している。
- 負担が出る懸念は認識しつつ、「影響を考慮しケアする必要はある」と留保的に触れる程度。
しかし、行政全体のコスト増や中小事業者の生産性低下 については、ほとんど積極的に説明・反論していません。維新の公約(維新八策2026)でも、中長期的に軽減税率廃止+一律8% を目指す方向性を示唆しており、0%は「時限的・選挙対策」的扱いと見えますが、短期的な事務コスト増についてはあまり深掘りされていません。なぜ維新議員がこの点を避けがちか?
- 政治的アピール優先: 「食品ゼロで家計負担軽減!」は分かりやすく、選挙で強いインパクトがある。一方、事務コストの話は「地味」でネガティブなので、積極的に触れにくい。
- 党としてのスタンス: 維新は「小さな政府」「簡素で公平な税制」を掲げているが、現状の複数税率をさらに複雑化させる政策を時限的に進める矛盾を抱えている。長期的に軽減税率廃止を目指すなら、0%は「一時しのぎ」として割り切っている可能性が高い。
断っておくが、これはあくまでGrokに聞いただけなので、はぎ原氏の発言と完全に一致するとは限らないという点に留意して頂きたい。とりあえず信用するとして。
「価格転嫁で店頭価格低下の可能性が高い」
いや、「可能性が高い」では困るのよ。確実に安くなってもらわないと。さらにどれくらい安くなるか、も。多分経済に明るくない一般庶民は、「食料品は8%分安くなる」って思い込んでますわな。
「仮受消費税がなくなる分、事業者の資金繰り改善の側面もある」
こんなこと本当に言ったのだろうか?借り受け消費税がなくなって仮払い消費税が残るんだから、事業者は短期のキャッシュに困るはずなのだが。
「海外(多くの国で食品0%)でも飲食店は普通に営業している」
これ、相当気を付けて読まないといけないところ。「今でもその制度を続けている」と「その制度が上手くいっている」は決してイコールではない。有名なところでは、イギリスでは「温かいピザはテイクアウトでも外食扱いで20%課税」というよく分からないルールを制定したため、政府とドミノピザが大喧嘩した例がある。その他は私もよく知らないが、例によってGrok先生に聞いてみたところ、「何が食料品か」と「還付処理」は恒常的な問題となっているらしく、IMFやOECDは「単一税率」を推奨しているとのことだ。ま、そりゃそうだろう。
世界標準であってもマネする必要はない
ではなぜ多くの国でこのような複数税率があるのかと言えば、専制・民主主義を問わず、国民感情というものに阿っているからではないか。先に書いた通り、消費税のメリットはシンプルで脱税しにくいという点にあり、複数税率を設定してしまうのはそのメリットを大きく削いでしまうことになる。消費税がその国の税収の100%を担っているというならアレンジも必要だろうが、現状全税収の3割程度の消費税で経済格差を埋める工夫など必要ない。税制で何とかしたいなら残りの7割で調整すれば良いし、何より、「現金給付」という最も単純で、公平公正で、金のかからない方法がある。
こんな時のために「現金給付」がある
食料品消費税ゼロが「給付付き税額控除までのつなぎ」であるにも関わらず、2年後に元に戻す前提で膨大なコストと手間をかけて制度そのものをいじるだと言うのは愚の骨頂と言えよう。まさにこういう時のために「現金給付」という手法がある。
「食料品消費税ゼロ」と言えば大仰に聞こえるが、それによって軽減される国民の負担は、4人家族で年間5~7万程度の範囲に入る。1人当たりだと2万円未満、1か月だと1700円やそこらだ。これを現金にして、かつ所得1000万円未満を3段階に分けるとすると、例えば2年間で7万円、14万円、21万円としても、税制をいじるよりはるかにコストが安く、本当に困ってる人を多少は手厚く救済できる。もちろん、税金が高級キャビアに変わることも圧倒的に少なくなるだろう。現金は柔軟で万能な商品券なのである。
ではなぜ現金給付が厭われるかと言えば、「バラマキ感」が出てしまうからだろう。一方の「食料品消費税ゼロ」はいかにも弱者に寄り添うニュアンスが漂う。要するに、「おこめ券」と同様にただのイメージ戦略のために余計な税金を使うことになるのだ。
税理士議員さんならスッキリ回答を
さてさて、私は自分自身を賢い人間だとは思っていないので、食料品消費税ゼロという手法が正しいかどうか未だ分からない。ただひとりでその妥当性について審議を続けている状態だ。だが、評価のためには材料がいる。良いところもあれば悪いところもあるだろう。
例えば、ほとんどの薬には何らかの副作用があるものだが、それを織り込んでもメリットが上回るから薬を使うのである。もし「この薬を飲めば80%の人は12時間でどんな風邪も完治します。ただし残りの20%は死にます」なんて薬があっても飲む人はいないだろう。
今、インフルエンサーからこの政策についての欺瞞点を提示されている。その批判を潰してようやくこの政策の客観評価が完成するはずなのだが、まだ見当たらない状態だ。
維新のはぎ原氏と言えば、その本業は税理士であり、税金を扱うプロだ。同時に、税理士は「税務署員の無所属の天下り先」とも言える。先の記事で書いたように、消費税を複雑化して喜ぶのは、税務署と税理士だけだ。
ここで税理士である維新の議員がスッキリとした解説ができないというのはなかなかヤバいのではないか?今回書いていることは、現時点での私の知識と思考回路を使った認識でしかなく、見当違いなところもあるかもしれない。明確で納得のいく回答があれば、すぐに認識は改める。



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