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武田邦彦の的外れな吉村府知事批判

吉村大阪府知事 政治・経済

武田邦彦の的外れな吉村府知事批判

『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの武田邦彦氏のYoutubeチャンネルをよく聴いてる(映像はない)んですよ。面白いから。

この先生は、(時々行き過ぎた極論もありますが、そこはこちら側で補正するとして)「王様は裸だ」とハッキリ言える点で貴重な学者さんだと肯定的に評価しています。

 

が、先日公開された大阪府吉村知事への強烈な批判だけは看過できるものではありません。

その趣旨は大きく2点。

1.自粛要請に応じないパチンコ店を公表するとは何事か。完全な憲法違反。都道府県にそんな権限はない。
2.大阪モデルに採用されている数値基準は何の科学的根拠もないデタラメ。

 

パチンコ店公表は、法に基づいた措置

まず(1)。

基本的な理念として、「補償もしないのに半強制的に自粛させるのはおかしい」ということであれば私も賛同します。しかし、憲法違反というのは全くのお門違いです。

言っておきますが、私は民間で唯一例外的にギャンブル運営を許されているパチンコ屋なんて滅んでしまえと思っています。が、ここでは脈絡が違うので置いておきます。

というのもこの措置は、所謂「特措法」に明記された条文に基づいたもので、都道府県知事は公表する【義務】があるのです。「公表しても良い」のではなく「公表しなければならない」のですよ。

この行為が違憲だとするなら、この法律そのものが違憲だということですから、その批判は吉村知事ではなく、立法府である国会に向けるべきなのです。

武田先生は吉村さんを「ナチス」とまで言いましたが、それは先生が科学者の枠を超えて政治や法律に口を出したために生じた不具合であって、吉村さんは法的に決められた権限の範囲で首長としての任務を全うしているにすぎません。

違憲かどうかはともかく、この特措法は重篤な欠陥を抱えた法律であることは、吉村知事に近い橋下徹氏も声高に訴えています。武田先生も自身の発言に責任を持つのであれば、この辺の法律を把握しておくべきでしょう。

 

「大阪モデル」の基準なんてどうでも良い

次に(2)「大阪モデル」の話。

私だって「?」ですよ。基準数値に「感染者」を持ってくるなら、その「感染者」をどのような基準・手法で検査するのか明示しなければなりませんが、それがありませんからね。例えば、「毎日一定区域で無作為に300件ずつPCR検査を行う」などとすれば、その区域周辺の概ねの「感染率」がが把握できますが、医師による任意となるとまず検査数そのものが毎日違ってくるんだから、数字としては相当アバウトになってしまいます。

が、そんなことはどうでも良いんです。

問題は、新型コロナウィルスが、少なくとも日本においては「ただの風邪」でしかないという統計的事実です。

賢い人はとっくに分かってるんですよ。コロナ、恐るるに足らずって。

でもマスコミに毒された多くの情弱国民はそうはいきません。彼らは情弱でありながら選挙権を持つという厄介な存在なのですが、それが民主主義。

彼らを納得させるためには、それっぽい何らかの数値を並べて、いかにも科学的であり、安全かつ安心ということをアピールする必要があります。

ハッキリ言えば、参考にすべき基準なんて「重症者病床利用率」だけで良いくらいなんですが、政治家は文字通り「ポリティカルコレクトネス」を示さなければならない立場にあるのですよ。

 

で、公表された大阪モデルは、その基準の妥当性はともかくとして、今現在楽々クリアできているという点が重要なのです。

「お前らこれ見てもピンと来ないだろ?でも専門的な観点から科学的にいろいろ難しいこと考えて出してるんだから、お前らは中身を意識しなくていい。とにかく安全なんだよ」
ということを府民に伝えることができれば、それで良いのです。

これに文句をつけるなら、武田先生は代替案を提示すべきです。それは科学的に妥当なだけではなく、情弱国民を納得させるものでなくてはいけません。それが政治家なのですから。

 

政治家は大変

「根拠のないことを決断するのが政治家の仕事」

ってどなたかが言ってましたが、端的に本質を突いた言葉ですね。

例えば国家予算を決めるのに、「国防費がどれくらいが妥当なのか根拠がない」からと言って「決めない」という選択は許されません。何かしらの数字を確定させなければいけないのです。

今回のコロナはまさに前例が乏しい、つまり根拠不明なままいろいろな決断を迫られる事案でした。国政は責任を取らずに済むようのらりくらりと決断を避けてきましたが、その分政治家の本分を理解している吉村大阪府知事が目立つことになりました。

決断したらしたで「根拠は!?」と反対勢力が騒ぎます。安倍さんならレフティーのポンコツ野党達ですね。

吉村知事も同様、政府が数字を出さないから「大阪モデル」を発表したら、一科学者からヒトラー呼ばわりされる始末。

じゃあ何もしなきゃ良いのか?って話ですよ。

某都知事なんて楽なモンですよ。フリップにデカデカと横文字を書いては会見で発表、「あ~、アタシってかっこいい」。厳戒態勢を伸ばせば伸ばすほど出番が増え、金をかけずに選挙運動ができます。

吉村さんが私利私欲のために権力を使うなら、この都知事みたいにやりゃあ良いんですよ。テレビ出演が続いた時に「目立ちたいだけ」みたいなことを言うアンチがたくさんいましたが、本当に目立ちたいなら大阪モデルはもっと厳しくして自粛期間を延長するはずなんです。そうすればメディア出演が増え、アホな有権者をいくらでも騙すことができるんです。

でもそんなことはしない。

「政治家なんて使い捨てで良い」という橋下・松井の理念を受け継いだ吉村さんは、政治家としての延命なんて考えているようには思えません。(と、こうやって評価されることまで見越してのことかもしれませんが、だとしたらその狡猾さもそれはそれで立派です)

吉村さんも都知事と同じようにやってりゃ良かったんですかね?
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