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新型コロナの本当の怖さ~人工呼吸器を確保せよ!~

ウィルス 医療・健康
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そもそも、新型コロナは何が怖い?

ついに政府による「緊急事態宣言」が発令されました。

大変だ!緊急事態宣言が発令されるレベルの大事になった。

で、緊急事態宣言ってなに?

 

……という話ではなくですね。

この新型コロナウィルスの何が怖いか?と聞いて明確に答えられる人がどれほどいるかという話をします。

 

本来病気というのは、肉体や精神に何かしら不具合が起きることで初めて「病気」たりえる訳でして、「感染している」=「病気である」訳ではありません。感染者=患者ではないのです。

新型コロナは「指定感染症」に認定されてしまった以上、感染者数が問題にされるのもまあそりゃそうではあるんですが、大事なことは、この感染によって、どのくらいの人に、どのような症状が表れて、どれだけの人が死ぬか、なんです。

ほとんどの人は、「死ぬ」ことが怖いはずで、新型コロナは「死ぬ病気」だから怖い訳ですよね。

怖いのは重度の肺炎

ここで一旦数字を見てみると、先の投稿でも書いていますが、これだけ大騒ぎしてるのに日本での死亡者はようやく100人を超えたところ。死亡者数だけ見れば、インフルの「1日100人×3か月」、その他の肺炎の「1日250人×1年」とは比較にならないほど少ないのです。

じゃあ新型コロナは怖くないのか?と言うとそうじゃありません。

 

日本人の死亡者がこれほど少ない理由は、日本の衛生環境、キレイ好きな日本人の習慣、BCG接種などいろいろ考えられますが、何より高度な医療技術とその総量がまだ十分にあるからというのも大きいでしょう。

つまり、新型コロナで重症化しても、医療体制が整っていているから助かっているというケースは間違いなくあるはずです。

で、新型コロナの場合、厄介なのは、重症化すると肺炎を起こしやすいという点。ある程度の体力さえあれば特に処置は不要か、せいぜい酸素ボンベ(鼻に管つけるあれですね)で十分なのですが、皆さんご存知のように、持病を持っていたりお年寄りだったりすると、人口呼吸器というかなり物々しい装置とそれを使える技術者が必要になってきます。

2つの「医療崩壊」

いわゆる「医療崩壊」という表現は2つの意味に分けることができます。

ひとつは、単純に「病院に人が押し掛けて医師・看護師・職員がさばけなくなる状態」のこと。このケースでは、「熱があるから」と言って病院に駆け込んでくる人も含まれます。つまり、医療の必要がない人までが医療サービスを求めることによって、需給バランスが崩壊するわけです。武漢なんかはこれだったのでしょう。

いまひとつは、「正味の医療リソースが足りなくなる状態」のこと。つまり、国民が冷静に判断した上で本当に医療が必要な人だけが病院に来たとしても、機材や医療従事者が足りなくて処置できないという最悪のケースです。

「指数関数的に増える」ことの怖さ

今、人々はインフルエンザごときでは病院に行こうともしないし、電話で相談しても「インフルだから病院に来るな」と言われるそうで、病院の来院者数はかなり少なくなっているんだとか。ってことは、一つ目の意味での医療崩壊は極めて起こりにくいと言えます。

問題は2つ目の方。日本人の新型コロナ死亡者は極めて少ない…とは言え、現在、指数関数的に感染者数が増えていることは間違いなく、その中には一定割合の重症患者がいます。彼らには本当に医療リソースが必要で、さらにその中には人工呼吸器が必要な人もいるわけです。

「指数関数的に」ってことは、油断してたらあっという間に爆発的な増加をすることがあるということで、その時に必要な分だけ医療リソースが確保できているのかどうかってことが問題になるわけです。

じゃあ今最悪の状態になってるアメリカはどうかというと、ニューヨーク州だけで1日700人の人が亡くなっているんだそうで。そんなアメリカでさえ医療崩壊は「懸念される」レベルで何とか持ちこたえてるんです。

それを考えたら、日本の今のペースは、決して油断してはいけないものの、悲観するような状況でもないことが分かります。

もちろん、行政や医療機関は、万が一に備えて人工呼吸器とそれを扱えるオペレーターの確保、局所的に患者が増えた場合の地域あるいは病院の連携の取り方などを予め決めておくような努力が必要でしょう。

データの見方を知ろう。「指数関数的」ってどういうこと?

ここで一旦解説。ちょっと面倒くさい数学の話をしますので、読みたくない人は次の見出しまで飛ばしてください。

「指数関数的に」というのは、簡単に言うと、

感染者累計=(1日あたりに1人の保菌者が感染させる能力)の(起点から日数)乗

……って、こう書くと全然簡単じゃない!

つまり、1人の感染者がいたとして、その人が毎日0.5人に感染させるとします。

すると、

2日目には1.5×1.5=2.25人

1カ月後には、1.5の30乗=約1万9000人

になるということです。

この「1.5」という数字は私が今テキトーに決めたもので、実際はもっと小さいはずですが、2日目に1人しか増えないのに、1か月経つと2万人近くになってしまうというのが「指数関数的な増え方」であり、平たく言えば「ねずみ算式に増える」ということです。

これをグラフにすると綺麗な放物線になり、世界の感染者数累計および死亡者数って概ね放物線になってるんですよ。

この放物線グラフをそのまま使うと、画的にすごくいびつで分かりにくいので、縦軸が同一間隔でひとつずつ桁が上がっていく「対数グラフ」というものを使用します。するとこうなります。

コロナ対数グラフ

増え方がきれいな放物線の場合、対数グラフにすると今度はきれいな直線(1次関数)になります。中学の数学を覚えている方には簡単な話ですね。

で、初期の増え方に沿って直線を引き、その直線より実数が下回っていれば、「減っている」かどうかはともかくとして、「ねずみ算式には増えていない」、つまり対策とか免疫とか具体的な要因は分からないけど、減っていく傾向にあるということを示します。

で、このグラフの下の方に日本の線があるのですが、特徴として「傾きが小さく」「綺麗な直線に近い」ことが分かります。

「傾きが小さい」ということは、さっき私がテキトーに決めた「1.5」という“感染力係数”が他の国よりも小さいということです。

そして綺麗な直線を描いているということは、途中で取った対策は大して意味がないかもということを表しています。対策に効果があるなら、さらに傾きが小さくなるはずですから。一方で、日本人はBCG接種や衛生環境あるいは生活習慣の違いで最初から低く抑えられているとも考えられるわけです。

 

感染症については、「感染者数累計」「現在の感染者数(感染者数累計ー(陽性から陰性になった人の数))」「患者数累計」「現在の患者数(患者数累計ー(完治した人の数))」「検査数」「陽性確認数÷検査数」「致死率(感染者のうちで死ぬ人の割合)」「死亡率(その地域でその病気によって死ぬ人の割合)」など様々なデータを勘案する必要があります。

メディアは視聴率や部数獲得のため、あまり頭の良くない人に向けてセンセーショナルな報道をします。結果として、ここで書いているようなデータの見方なんかはなかなか説明してくれません。それは、そういうのを面倒くさいと感じて避けてしまうあなたの責任なのです!!

 

もう一度言いますよ?

「感染者は増え続けている」

えーーー!!めっちゃ怖いじゃん!!!

↑メディアの言う「感染者数」は「感染者数累計」のことなので、増えることはあっても減ることは絶対にありません

「世界で若者の犠牲者が相次ぐ」

えーーー!!人類絶滅じゃん!!!

↑世界で何人かの若者が死んだことを「相次ぐ」と表現して良いのなら、インフルでは「天文学的な数の若者が死んでいる」ことになります

的外れな自粛はやめようぜ

あなた、飛ばしましたね?まあ、いいや。つづき。

 

個々の国民は、何より感染しないような行動を取ることが肝要です。

でも私は、「不要不急の外出は控えて!」などとは言いません。必要なのは「感染しないような行動」であって、外出を控えることがただちに「感染を防ぐ」ことにはならないと思っているからです。このことについては過去の投稿でも指摘しています。

ホリエモンのこの意見には大賛成。トレーナーに体をべったり触られて教えてもらうならともかく、普通にラウンドを回ってどうやって感染するんだ!?と。その根拠を考えようとせず、自粛する必要のないものまで自粛し、いたずらに経済を止めてしまうのは何とも馬鹿らしい話です。

休校延長は本当に必要か?

自粛と言えば、カッコ悪いのが愛知の大村知事と兵庫の井戸知事。学校を再開すると豪語しておきながら、学生の署名が集まり、SNSで国民から大批判を食らうと「うへーこんなに感染者が増えると思ってなかったんでうへー、別に署名が集まったからじゃないんだから!」と休校延長を決定。

何の覚悟もないなら最初から何も言うなっての。

井戸知事は「土日の感染者増加数が予想以上だったから」と言ってますが、そんなデータはどこにもありません。感染者は増えていますが、それは全くの計算通りであって、急に増えたなんてことはないのです。

大阪のことを見下してヘラヘラしてたあの会見が何度も脳内再生されて気分が悪くなります。

でも学生諸君ももうちょっと考えような

若いので大量の情報を処理できない上に、感情優位な年代なので、センシティブになるのは仕方ありませんが、今よりコロナが蔓延したところで、あなた方はコロナよりもインフルエンザや交通事故で死ぬ確率の方がはるかに高いのです。

何より、学校を閉鎖したところで、社会の他の感染ルートを遮断しない限り、大した効果はありません。

ランドセルの女子小学生

学校の教室は、いかにも感染しそうな雰囲気ではありますが、個々の生徒がじたばた動かず、窓を開けて、秩序正しく授業を受け、カリキュラムを一部制限すれば、むしろ外界よりもかなり安全な施設になります。

音楽や美術などはしばらく休止。プリントは教師が直接配る。人の机に触らない。授業は3分前に終わって椅子と机をアルコールで拭き、手は洗う。これで感染リスクは極めて小さくなります。

もしあなた方が本当に自分の命を守りたいのであれば、学校閉鎖よりもスーパーの閉鎖を求めるべきです。なぜならほとんど100%のお家で、家族の誰かが定期的に利用する施設だから。いろんな人が触った商品を家に持ち帰ることになり、家族全員がウィルスに接触する危険性が高いのです。「休校延長を!」よりも「食材小売りは宅配にしてください!」と声を上げるべきなのですよ。

居酒屋で飲み会をした慶応大学の医学部学生がクラスターを作ってしまいましたが、密着状態で大声で喋ったり、人のコップを触ったり、大皿から同じ料理を複数の人が取ったりしたのが原因でしょう。極めて必然的な結果ですね。

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