去年末から「日本維新の会・旧執行部を語る」というシリーズで数回スペースを開催しておりまして、そのまとめと感想を書こうと思っているうちに時間は過ぎ……(本当は途中まで書いておりますが)。
それよりも先にこちらだろうと判断して投稿することにします(ま、実はこれもおおかた以前に書いていたのですが)。
青柳さん、政策解説始めたってよ!
日本維新の会・青柳政調会長が政策解説動画の発信を始められました。
この手の動画については、私はかねてから、「立花孝志にスマホ1台持たせれば、いつどこからでも発信する。さらにホワイトボード1枚あれば法律解説までする。維新も真似をしろ!」と提言し続けていました。
ちょっと前までなら、私の知る限りにおいてこれを実践していたのは音喜多前政調会長ひとりです。「政調会長」という肩書を持っている以上やるのが当たり前とも言えますが、音喜多さんはまだブログという言葉があったかなかったかも分からないうちからwebベースで発信をされていた方なので、そういう人なのでしょう。
さて、現政調会長の青柳さん。青柳さんと言えば、最近私が強く推す維新切っての頭脳派議員で、頭が良いだけではなく、柔らかい物腰、正しい言葉遣い、それでいて不気味さを伴う貫禄があり、いずれは代表に……と期待する人物です。
そんな青柳さんが政策解説を始められたのですから……と、期待したものの、ちょっと文句をつけさせて頂きます。
日本維新の会が実現を目指す高校無償化について、動画で解説してみました。実現に向けた与党との協議が佳境に入る中、是非多くの皆さんに一緒に考えていただけらと思います。 pic.twitter.com/Ffz4Q4REhv
— 青柳仁士 衆議院議員<維新> (@aoyagi_h) February 9, 2025
はっきり発音しよう!
基本ですね。青柳さんはどちらかと言えばアナウンサー的なイケボで活舌も良い。ところが、それが活かされるのは答弁や会見の場においてであって、この動画のようなカメラに向かってひとり語りとなるといつもと話し方が変わってしまうのです。
具体的に言えば、文末近くになると音が無声音化しボソボソ喋りになってしまっています。これは吉村大阪府知事の悪い癖でもあります。一息で喋ろうとして文末まで息が続かないというのが吉村さんのパターン。青柳さんの場合は、トーンを低くしようという意識が働いてのことでしょう。
それも当然と言えば当然で、答弁や会見って要するに「会話」であって、一般人でもやることなのですよ。ところがカメラに向かってひとり語りなんてやる人はものすごく限られています。〇喜多さんや足〇さんのような変わった人でない限り、話す相手が物理的に存在しない場でナチュラルに話せる人はなかなかいないのです。ましてや答弁や会見と違って、配信をするのはどこかビルの一室であり、非常に狭い空間です。大きな声を出すのは控えてしまいがちになります。しかし、「大きな声を出す」ことと「明瞭に話す」ことは違います。後者は小さな事務所でもできるでしょう。
ヘッドセットマイクを使おう!
同じような問題ですが、特に控えめに話しがちな人にとって、マイクは非常に重要なアイテムになります。今のスマホはマイクの性能も非常に良いので、実に明瞭に声を拾ってくれますが、それは至近距離での話。離れたところから話すのであれば、ワイヤーで口元までマイクが伸びているタイプのヘッドセットを使うべきです。安物であっても、口元で声を拾ってくれると聞き取りやすさが格段に変わります。
先述の「はっきり発音」もマイクによって増強されます。
字や図は大きく描こう!
当該配信においてホワイトボードを使っているのは素晴らしいですね。しかしながら、字が小さい!この配信を皆がどういう媒体で観ているかというと、多くはスマホでしょう。つまり、画面全体がスマホサイズにまで縮小されてもなお視認できる情報でなければせっかく描いた字や図もノイズ化してしまいます。
支持者に褒められても意味ないぞ!
Xにおいてこの動画の感想が複数見られましたが、そもそも動画を観ているのは元々維新あるいは青柳さんの支持者でしょうから、プラス評価だとしても信じてはいけません。維新支持者は政治家の発信に飢えているので、こういう動画を配信してくれるだけで喜んでしまうし、青柳さんファンなら無条件に褒めてもしまうでしょう。
しかしながら、この手の動画は大抵の場合「支持者なら知っている」ことが多く、本当の役割は、「維新支持者ではないが政治に興味を持っている人に分かりやすく伝えるための手段」です。
自称「流動的維新支持者」であり、おそらく外側からの目に近い視点を持っているであろう私からすると、及第点60点として今回の動画は55点です。
発信対象は大目には見てくれない外側の人達であることを是非強く意識してください。
ティーチング動画はこの人に学べ!
ひとつ見事なお手本をご紹介します。
コロナ禍で大ブレイクし、『情熱大陸』の出演まで果たした、『とある男が授業をしてみた』(配信主は葉一氏)です。うちの子も大変お世話になっております。
●いわゆるイケボとは違うかもしれないが、トーンやテンポが非常に心地よく、メリハリもつけ、明瞭で文末まではっきり聴き取れる話し方。
●ちょうど良い太さのペンで丁寧な文字を書き、大きく書いている訳でもないのにスマホサイズの視聴にも耐えられる。
●一コマ10分そこそこで、これまたちょうど良い。
●イケメンなのはちょっと腹立つ。
と言ったティーチング動画のポイントを見事に抑えています。字に関して言えば、ここまで綺麗な字はなかなか書くのが難しいでしょうから、そういう人はやはり少し大きめに書くのが良いでしょう。欲を言えば、この方もヘッドセットマイクを利用して声をさらに聴き取りやすくしてほしいところです。
偉そうに言いやがってお前ナニ様やねん!?と思われるかもしれませんが、仰る通り、私はナニ様でもないので、「私ならこうする」を書いただけです。
次回は、やながせ前総務会長の配信について触れる予定です。
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