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政党の「適材適所論」と「有能でも独りでできることは限られる」というお話

政治・経済

からの続き。

あ、今更このタイミングで言うことでもありませんが、タイトルは一般論っぽくなっていますが、出てくる政党は「維新」です。とは言え、それは維新と言う政党が新興かつ成長中の、組織論を語る上で非常に面白い集団だからです。何度も言うように、私が「流動的支持」として注目している政党に過ぎず、割と一般論に還元できる話かと思っています。

 

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適材適所

これは特定政党に限ったことではないでしょうが、特に維新の支持者がモヤモヤしてるのは「適材適所」という点ではないかと思います。橋下徹、松井一郎という創造神2人が勇退したことで、その想いはかなり強いものになったでしょう。

「適材適所」は組織のトップが考えなければいけないことですが、個々の構成員も「自分の能力はどのような条件下なら最大限に発揮できるか」を考える必要があるでしょう。

再度、個別の例を挙げてみます。

先の投稿で書いた通り、馬場さんは党首討論に出ても様にならないし、ましてや総理大臣になったところを想像することもできません。しかしながら、【トーク】は結構上手いので、立場を弁えた上でのメディア出演はするべきだし、しかるべきリーダーのいる状況下では内側から組織をまとめる力もかなりのものだと想像します。

吉村さんは、演説が上手い方ではありませんが、【議論】のスキルは相当なものです。今その能力を発揮できるのは会見の時くらいで実にもったいない。国政に出て答弁している姿を想像するとこれがかなり様になっています。

足立さんは、頭脳は明晰だし愛嬌もあるんですが、EQの低さが原因でくすぶり続けています。言わなくても良い他の誰かのことをネチネチ言いたくなるのは、水平目線にその誰かがいるからなので、知事・市長を目指せば良いと思います。知事・市長は地域の王様であり、水平目線に目障りな存在がありません。吉村さんとは逆で、孤独になることによってその能力が発揮できると思います。

困ったことに、吉村さんは知事職に、足立さんは国会議員に拘ってるみたいなんですよね。

 

弁舌スキルにもいろいろありまして

キーワードが出てきたので前回書いたことの補足をしておくと、「弁舌」というスキルもいろいろありまして、

●演説
●議論
●ひとり語り
●フリートーク

等に分けられます。内側をまとめる力としては「ドメスティックなコミュ力」も入れたいところですが、弁舌からは外れてしまうので、ここでは入れないことにします。

例えば、吉村さんは議論タイプ、馬場さんはフリートークタイプ、松井さんもフリートークタイプ、橋下さんはどれもがS級。足立さんはどれもが「まあまあ」なんですが、話す内容のレベルの高さから言って、「ひとり語り」を磨くべく、5~10分の動画を作れば良いと思うとかつてアドバイスさせて頂きました。

こんな風に分けていくと、誰がどんな役職に向いているかの参考になるのではないでしょうか。

 

有能な人でもひとりでできることは限られる

さて、ここからは維新固有の問題と言うより、一般論に近い話になります。

何度も言うように、政治家の中で知事・市長という職は「地域の王様」という点で極めて特殊で例外的なのですが、それ以外において政治という行為にはチームプレイの要素が必要不可欠です。

分かりやすい例が総理大臣と官房長官の関係です。「人生いろいろ、会社もいろいろ」「女性天皇と女系天皇って何が違うの?」でお馴染みの小泉純一郎が、あの特異なキャラクターで長期の高支持率を維持できたのも、当時の福田官房長官がいたからでしょう。安部さんには菅さんがいましたが、菅さんがいざ総理になった際には「菅さんの最大の弱点は菅さんがいないこと」などと評されました。

国会議員はありとあらゆる法律の創設や改正に関わるので、ジェネラリストであることが問われますが、ひとりであらゆる法律をカバーすることなどできません。その際は、有能な秘書や自分以外の議員、学術界、シンクタンクとの連携および協力が必要になるでしょう。特にその中でも議員や秘書という存在は、長い付き合いになるかもしれず、いずれ自分が総理、その相手が官房長官なんてことになるかもしれません。

劉備が一介の百姓から大国の王になれたのも、武には関羽、知には孔明という強大なパートナーがいたからであり、それを繋ぎとめていたものが劉備の人間性でしょう(と、横山三国志と吉川三国志しか読んだことのない私が勝手に言ってるだけですが)。

 

さて、維新の中の人間関係は?

ってなことを踏まえて、今一度維新の話に戻したいと思います。

橋下さんはあらゆるパラメータが振り切ってるほどのモンスターでしたが、唯一、人間関係形成だけができませんでした。これは弱点ではなく、あれだけの思い切った改革をやり遂げようとする人の足には誰もついてこれなかったということだと思います。その橋下さんの傍にずっといたのが松井さんで、とんでもない速さと高さで空中殺法を繰り広げる橋下さんに対し、松井さんは寝技でカバーする存在でした。党勢拡大、あるいは国政進出も松井さんなしではとても無理だったでしょうし、それは松井さんからしてもまた然りです。

さて、吉村さんには松井さんに相当する人はいるのでしょうか?私にはそうは映っていないのですよ。大阪維新の会代表であり大阪府知事。ただでさえ孤独なのに、傍からアドバイスをくれたり、党内の調整をやってくれる人がいないとなれば、この先心もとありません。

奇しくもつい先日、吉村さんは「次の衆院選では“0歳児選挙権”を公約に挙げる」と言い出しましたが、これって明らかに国政マターなので、提案が吉村さんであったとしても、本来は党の発表としては馬場【代表】がやるべきなのではないでしょうか。この2人の連携は?

また、目下、東京維新と足立康史議員の確執が界隈を賑わせていますが、これだって本来は、東京維新と日本維新執行部、日本維新執行部と足立議員の話であって、この2者が直接やり合う話ではないはずです。つまり、柳ケ瀬さんも足立さんも馬場代表や吉村共同代表や藤田文武幹事長に文句を言うべきであって、彼らに調整能力がなかったばかりにこんな上申書を書くというブサイクな事態に至ったのでは?

とすると、馬場さんの本来の「調整力」は、なまじ日本維新の会代表という役職に就いてしまったために活かされてないのでは?

……などと、ここまで勝手にいろいろ勘繰ってしまうのですよ。

 

ガバナンス論

そんなこともあって、私は維新という政党の国政・地方の統一を提案しているのです。その際、いずれは国政に出るという言外の前提で代表は吉村さん、共同代表は柳ケ瀬さん、幹事長には馬場さんで良いのではないでしょうか。馬場さんにいくら内側の調整力があったとしても、それはしかるべきリーダーシップを持ったリーダーがいてこそのもののはず。先の代表選である種の諦念に陥ったのは、リーダーシップを持てるような人がいなくて、とりあえず今は消去法で馬場さんを選ぶしかなかったという状況だったからです。

さてさて。ガバナンスが崩れ始めると、今回の上申書騒ぎのように、誰も得しない事案が生じて負のスパイラルを生み出しがちです。

ここで最近見たブッダの仏の教えwords of wisdomさんのツイートを引用させて頂きます。

これを政治家さんに当てはめて考えるなら、SNSで不規則な発言はなるべくしないことだと思いますよ。政治家がSNSをやる意義は、国民・住民に対するメッセージを送れるということであって、政党という組織の内側について言わなくても良いアレコレを言うべきではないと思います。

 

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