イソジンに関する俺ツイート
まず大前提として、政治と科学を分けて考える。吉村知事は支持しているが、彼のコロナ対策は愚かだというのが私の評価。しかしそれでも、イソジンについては科学的にかなり有効と判断するのが妥当と思っている。
「イソジン」というキーワードで吉村アンチ活動をする連中は、政治的発言に歪めた科学を織り交ぜているという点で悪質だと言うのが元々の趣旨である。
純粋に科学的アプローチをするなら、「イソジンがなぜコロナに有効でないか」を説明する必要があるが、聞いたことがない。かなり無理のあると思われる説明なら以下の通りで、複数パターンがある。
(二)イソジンはコロナウイルスを不活化するが、口腔内のウイルスだけを不活化しても無意味
(三)そもそもイソジンにコロナウイルスを不活化する効能はない
(二)すでに新型コロナ感染症で38℃の発熱がある人であれば意味も薄れるかもしれないが、ウイルスが侵入したが感染していない、あるいは感染したが初期という段階で、ウイルスの一大生産拠点である口腔内の衛生を保つことに意味がないと考える方がおかしいだろう。
さらに、短期間で爆発的に増える細菌やウイルスに関しては、初動でしっかり叩くかどうかで「無症状」(または「不感染」)と「致死」という結果の幅が生じてもおかしくない。マクロ的には2020年のインフルエンザがまさにそうだった可能性がある。(※1)
(三)ネット上の見解で、 「イソジンはコロナウイルスを不活化する」←確認 「イソジンがコロナウイルスを不活化するというエビデンスはない」←確認 「イソジンはコロナウイルスを不活化することはできない」←確認できず 2つ目と3つ目は全然ちがう。
そもそもイソジン(ポビドンヨード)は、ほとんどの細菌・ウイルスに有効とされており、だからこそ外科手術の際の消毒にも使われている極めて信頼度の高い薬剤である。「新型コロナウイルスにだけは効かない」となれば衝撃的な事実だろう。
ついでに。以前、ちょっとおかしな薬局の登録販売員が「イソジンでコロナが治るなら苦労しない」と主張していたが、これは「エビデンスはない」同様、バカが使うである。だったらマスクは?行動制限は?手洗いは?皆コロナに罹り倒してるよね?どこにエビデンスがある?(※2)
こういうフレーズがバカなのは、盤面を180度ひっくり返せばブーメランになるということが分かっていない点。コロナ初期は、薬の販売員までが「現場」「専門家」ヅラして、言論空間を荒らしまくった。そして別のバカが騙される。
科学的観点からの補足
「イソジンがコロナに効く」の「効く」とはどういう意味でしょうか。このキーワードは、使うか使わないかで医薬品か否かが決まってしまうほど重要なのですが、当たり前の理屈から考えると以下の通り。あ、随分前に同じこと書いてるんで、読み飛ばして頂いても結構です。
コロナウィルスは体に侵入するとまず口腔内で増えます。であれば、口腔衛生に気を遣っていればコロナ(を含む多くの風邪)の感染予防、および感染後の症状の軽減が期待できます。当たり前のことです。
これに対するバカな反論の典型を紹介します。
「口の中だけ綺麗にしてどうする!ウイルスは全身で増えるんだぞ!」
この理屈で反論が成立するのなら、手洗いにも意味がなくなりますね。「手だけを綺麗にしてどうする!」と。先述の通り、コロナウイルスにとって口は「玄関」であり、さらにその後は「一大生産拠点」となります。「体の別の部位でもウイルスが増えるから」を根拠として、「だから口は放っておいても良い」となる理屈はどういうものでしょうか。
ここでツイートの※1。2020年にインフルエンザが完全に息をひそめてしまった理由を、当時このブログでは「ウイルス干渉」で説明しました。すなわち、インフルとコロナが領土をめぐって諍いを起こし、勝ったのがコロナだ、と。にしたって2020年のインフル患者の少なさは異常とも言えるんですが、ウイルスのような短期間で乗数的に増殖する微生物(←いちいち突っ込まないように)は、どこかで増殖するきっかけを失うだけでその後の結果に大きく影響するということが考えられます。この辺はスーパーコンピュータでシミュレーションするしかないでしょう。
今日、80億もの個体をもって地上の覇者として君臨する人類ですが、その要因は、大昔のある部族同士の族長同士の一騎打ちに勝ったからかもしれません(もちろん記録がないので誰も知りようがないのですが)。その時の一騎打ちで負けていたら、今これほど人類は繁栄していないどころか、絶滅したのは現生人類であり、その代わりに北京原人系の人類が天下を獲っていた可能性だってあるわけですよ。
ウイルスというミクロの世界でも同様のことはあるでしょう。
「エビデンス」って何?
この「エビデンス」って言葉は結構広いニュアンスを持っていて、「証拠」という意味で使われることもあれば「根拠」という意味で使われることもあります。「証拠」と「根拠」の違いはと言うと、例えば飛行機を飛ばすことを考えてみるとですね、「ベルヌーイの定理から言えば、然るべき大きさと形状の翼を箱に付けて前方への推進力を与えれば、宙に浮いて移動することができる」というのが「理論」であり「根拠」となります。それを実際に作ってみて飛ばすことができれば、それは「証拠」であり「実証」になります。
屁理屈をこねたい、平たく言えばとにかく反論したいヤカラはこの辺を曖昧にして「エビデンスはあるのか!」というフレーズを使いたがるものなんですな。
で、吉村さんがヘタクソだったのは、その発表の仕方です。口の中を綺麗にしておけば、感染および重症化予防、そして感染させる可能性の低減は、“理論上”かなりの確度をもって期待できる話で、私が書いたようなことを堂々と言えばよかったのです。
さらに、吉村さんのあの発表の時点で、歯科医でのクラスターが全く発生していないことは注目されていたはずで、その歯科医ではイソジンやコンクール液での口腔洗浄をしている、と。これって何より大きな実証的エビデンスだったはずで、なぜそれを言わなかったのか不思議です。
詭弁のお手本
「イソジンでコロナウイルスは殺せない」
いやいや、ほとんどの細菌とウイルスを殺せるのにコロナウイルス【だけ】は殺せないっておかしいでしょ。それこそエビデンスはどこにあるんですか?なぜ外科手術でポビドンヨードが使われてるんですか?
…って言うと、「手術の際に使われるポビドンヨードの濃度を知ってるのか!」と来るわけです。
じゃあ、どうやら「イソジンでコロナウイルスは殺せない」は嘘ってことですね?じゃあ論点は「濃度」という量的な話に移すべきですね?じゃあコロナウイルスが殺せるイソジン濃度ってどのくらいか教えてもらえますか?じゃあそもそもイソジン嗽って意味があるのかどうか教えてもらえますか?
おわかり頂けますか?最初「イソジンでコロナウイルスは殺せない」という質的な話をしていて、突っ込まれると「濃度」という量的な話にすり替えられているのです。
「イソジンなんぞむしろ口腔内が荒れて逆効果だ!」
あらゆる投薬その他の医療行為にはデメリットが伴います。例えばこの指摘のように、最近だと怪我をして多少の出血があっても、イソジンやオキシドールで消毒するのは逆効果で、水道水でよく洗った後に保護しておけば良いというのが定番になりつつあります。一方で、先述の例のように、外科手術では水道水でよく洗いさえすればOKとはなりません。ということはメリットとデメリットのバランスについて、どこに線を引けば良いのかを語らなくてはいけないのです。こんな大雑把な反論では、胃がんができても「臓器を切除するデメリット」だけを語って「手術してはいけない」とも言えてしまうわけですよ。
ちなみに私の経験では、イソジンを1日1~2回使う程度では、喉・口が荒れるほどの違和感は全く感じませんでした。また、皮膚と違って口腔内はひっきりなしに唾液と言う天然の粘膜保護液が分泌される条件下にあり、「コロナウイルスという病原体の死滅」と「必要な常在菌の死滅」というメリット/デメリットを比較すれば、(あくまでも私の感覚では)圧倒的にメリットの方が大きいと結論づけます。
要するに彼らは、科学にも感染症にも公衆衛生にも国民の安全にも興味はなくて、維新あるいは吉村知事の悪口さえ言えればそれで良いわけですよ。
呪術廻戦的に言えば、ツイッターは呪霊で溢れている。“帳”を下す呪文にはバリエーションがあるが、例えば「イソジン」と言えばアンチ維新の低級呪霊がワラワラ寄ってくる。
低級呪霊は言葉っぽいことを口から発するが知能が追い付かない。吉村知事が「イソジンがコロナ予防に役立つのでは」と言えば「吉村はイソジンでコロナが治ると言ったー!」となるのが低級呪霊。放っておいても差し支えないのに相手にしていると体力が持たない。
↑俺ツイートです。
おや、ここに大臣経験者の低級呪霊が……
イソジン
雨ガッパ明らかにおかしかった。
そして府知事が府政より全国で候補者応援はおかしいと思います。 https://t.co/dEUtgc65eY— 蓮舫💙💛RENHO🇯🇵 (@renho_sha) June 28, 2022
国会議員がこれではねぇ……。
別にイソジンに拘らなくて良い
いや、まあ、そもそもの話ですが、当ブログでは過去に書いた通り、イソジンに拘る必要なんて待ったくなくて、それこそ水道水でも十分予防効果はあるだろうし、イソジン以外のマウスウォッシュでも良い。さらには梅干しも良いし、ガムや飴で唾液の分泌を促すこともコロナを含む風邪予防には非常に効果があると思っています。
それを踏まえて改めて論点を整理すると、
●「イソジンはコロナ予防に効果なし」は嘘。
●水道水うがいでも効果はあるが、例えば体の弱っている人と面会する時や、近距離で大人数の会合をする時など、ここぞという時にイソジン級の消毒うがいをすると、他人に感染させるリスクはぐっと減るはず。
ということです。
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