アメリカ・トランプ大統領は、新型コロナで目下大ダメージを受け続ける経済への対策を提示して、「あれ?ちょっとリアクション薄くない?」と思ったら、今度はどーんと2兆ドル(220兆円)規模の対策を打ち出しました。
いいよねー、アメリカは。
それに引き換え日本と来たら、「消費税減税なしの30兆円規模」だそうで、
今朝のおはよう寺ちゃんで言った通り、この記事はアドバルーンです。消費税減税なしで国民が反発しないか確認してるだけ。だから思いっきり騒いで下さい。自民党本部、国会議員、地方議員に対する電凸、FAX凸、メール凸、Twitter凸、FB凸を敢行しましょう。今こそ行動する時です!!! https://t.co/koUgBfTAFH
— 上念 司 (@smith796000) March 22, 2020
上念さんがこんな活動をしなければいけない始末。
世界で悪いニュースがあると円が高くなるのは、何が起きても財務省がお金を出すことを許さず、相対的に円の価値が上がってしまうからです。投資家はそれを知っているのですよ。
安倍や麻生を叩いても意味がない
これで総理大臣の安倍さんや財務大臣の麻生さんを叩いてもあまり意味がないのです。
彼らは言うまでもなく行政のトップにいる人たちで、自分の好きなように日本の舵を切る権限を持っています。が、それはあくまで名目上の話で、実際に権力を持っているのは官僚です。
これでもむしろ、現安倍政権になってからは多少なりとも官僚の力を削ったのですよ。それでもまだまだ物凄い力を持っているのが官僚、特に財務省なのです。
「ケッ!安倍も麻生も日本のことなんてどうでもいいらしい。さっさと解散させて政権を交代させよう!」
なんて言って勢いで野党に投票して何かの間違いで野党連合政権でも誕生したら、それこそ日本終了のお知らせです。なぜなら野党には政策なんてないし、そもそも、それこそ日本がどうなろうと関心がないのですから。
「お前はそこまで安倍の味方をしたいのか?」
いえいえ、私は「~~だから安倍政権支持」(支持すべき理由がある)をしているのであって、「安倍だから支持」(支持理由を後付け)しているわけではないのです。
その安倍さんは、8割がた消費税増税凍結をしてくれるものだと期待していたので、そのまま増税が実現した時にはかなり失望しましたが、だからといって他にいないのですよ。残念ながら。
安倍政権の現状は、それが失望に値するものであっても、「ダメな政治家」なのではなく、今日の政治体制における政治家の限界を表しているのです。
おっと……当ブログで政治を扱う時は基本的に主婦向けに書いているのですが、なんだか話が小難しくなりすぎてきた感が……。
もうちょい噛み砕いて言いますと、我々は選挙で「政治家」(立法府=法律を作る人たち)を選び、さらにその政治家から内閣が作られ、「行政府」(立法府で作られた法律を基に政治を行う組織)を構成するのですが、内閣というのはあくまで名目上の「行政のリーダー」でしかなく、その中身は選挙で選ばれたわけではない、何か不祥事があっても名前の出にくい役人(官僚)が仕切っていて、権力を握っているということです。
この官僚の強さは、戦後70年以上にわたって培われたもので、焼け野原でスッカラカンになった日本が急速に経済発展し、アメリカに次ぐ世界2位の経済大国になれたのも、実際に官僚が優秀だったからという側面があるのです。
しかし高度経済成長が終わってもなお、官僚は王様の顔をして私利私欲のための仕事をし続けているのが現状で、相対的に政治家の方が強さを求められているのですが、なかなか政治家は強くなれません。
その責任は安倍内閣そのものにあるのではありません。有権者である国民とマスコミにこそ責任があるのです。
一部の「知識人」を含むマスコミは、大衆がバカだと思っていますし、私から見ると実際に国民は政治を語れるほど賢くはありません。政治を「バカでも分かった気にさせる」ような演出でワイドショーにして煽るのがマスコミの仕事なのです。
(だから私は選挙権は資格化せよ、と主張しているのです)
前回の消費税増税前、直前になって多少割合は変わってきていたものの、国民の過半数は「消費税増税やむなし」と容認していたのです。つまり、「歓迎したくはないが国の財政を考えたらしょうがないじゃん」と“寛容な”大人になっちゃってたわけですよ。
しかし、寛容ではあっても頭はあまりよろしくない。なぜなら、消費税の税率を上げたところで税収は増えないからです。
マスコミでは、少なくとも地上波の全国放送では、増税に真っ向から反対という番組はなかったと思います。消費税を絡める場合は、なんとなーく安倍政権批判をするだけで、マイナーな番組やネットのコンテンツで解説されるような「なぜ消費税増税がダメなのか」という学術的な説明は見たことがありません。なんせ、同じグループ内の新聞各社が消費税増税を推進していたくらいですから。
我々はそういうメジャーどころのメディアなんて見ていたらダメで、ちゃんと経済学的観点と過去の実績から合理的な説明をしてくれる識者を選ばないといけないのですよ。
現金給付よりコロナの検査をしろ!?
【なぜ給付金配るの?】現金給付案について、安藤優子「今、何で一律にお金配んなくちゃいけないのか私もよくわかんない。それだったら検査タダにしてバンバンやってもらうとか…そっちの方がよっぼと新型コロナの先行きについては透明感が出てくる。経済も回りますよ」
このおばちゃんの感覚よ。 pic.twitter.com/WSsAnYvU35— Mi2 (@mi2_yes) March 19, 2020
安藤優子女史によると、「国民に現金配るより無料でコロナの検査をバンバンやれば良い」とのことです。さすが、彼女は安定してますね。その目的が「日本沈没」であることが明確に分かります。
当ブログの読者さん(日本に7~8人と言われる)なら説明不要でしょうが、検査をバンバンやって悪いことはあっても良いことは全くありません。
まず、「じゃあオレもー」「わたしもー」と言ってコロナ疑惑の人々が押し掛けると、単純に医療崩壊を起こします。
さらに同じ場所に多くの人々、それもコロナ疑惑のある人たちが集まると、ライブハウスどころではない強力なクラスターが発生することになります。
そしてその検査の精度は60~70%程度。物凄い数の偽陽性患者が生まれ、必要もないのに何かしらの処置をしなければならないか、あるいは陽性と出たところで「じゃお家で肉うどんでも食べて寝ててください」と言うしかなく、前者なら医療リソースの無駄遣いだし、後者なら検査の意味がないということになります。
そもそも「こんな薬が効くかもしれない」という程度の段階で確定的治療法が確立されていない状況において、検査してどうしろというのでしょうか。結局国民がやるべきは、「人の多く集まるところに行かない」「基本的な健康に気遣う」「手洗いを徹底する」「ちょっと具合悪いなと思ったらゆっくり休む」しかないのです。
安藤優子は「コロナの先行きに透明感が」ともっともらしいことを言ってますが、だったら任意検査ではなく、全く無作為抽出による一定数の検査こそ必要なのです。
現行技術の検査の精度は、個人単位ではその意味が薄いのですが、大数的には十分な意味を持ちます。例えば、「全国主要都市10か所で3日置きに300人ずつ検査」などとすれば、コロナの分布とその拡大の様子が浮かび上がってきます。1つ1つの検査精度が悪くても、大きな数だと信頼性が増します。
行政がやるべきは「感染拡大の防止」であって、個々の患者の手当ては医療現場がやれば良いことなのですよ。
じゃあずっと安倍政権のままが良いの?
繰り返しますが、私は安倍さんだから支持しているのではありません。野党が野党として機能していないのだから、結局現安倍政権を支持するしかないのですよ。
中長期的には期待している人もいます。自民党では河野防衛大臣。
でもね、今の安倍さんにしろ将来の河野さんにしろ、自民党の人なんですよ。
そして政権を担い、それを維持し続けるということは、自民党内の勢力をまとめ、かつ官僚との利害関係で落としどころを調整するということに他なりません。そして我々に見えている氷山の浮かんでいる部分が安倍さんであるにすぎないのです。
「安倍が総理大臣であり最高権力者なのだから安倍が悪い!アッベヤッメロ!」
というヤツは単に日本を沈没させたいだけか、頭が悪いかのどちらかなんです。
安倍さんをヒトラーになぞらえて「独裁者」呼ばわりするアベガーもたくさんいますが、安倍さんが独裁ならもっと好きなことやってると思いますよ。親中派の言うこと聞いて習近平を国賓待遇することもなければ、財務省の言うことを聞いて消費税増税なんてすることもなかったでしょう。
仮に河野さんが首相になったとしても、今の自民党の勢力図が変わらない限り、さほど大きな仕事はできない可能性もあるのです。
麻生さんがポロポロと発表するコロナ経済対策については「そうか、お前らもっと騒げ!という逆のメッセージだな」くらいに思って、上念さんに同調するのが得策でしょう。
期待しているのは維新なのだが…
野党の中でもゴミみたいな野党と一線を画すのが「日本維新の会」で、まあ中身を見れば信頼できる政治家がどれほどいるのかという問題はあるにしても、最も健全な野党…というか、唯一まともな野党と言えるでしょう。
「反アベ」ではなく、是々非々で賛成反対を決めるその姿勢は、政治の本来あるべき姿です。一人ひとりの議員の質がどうであれ、松井大阪市長がトップでいる間はそのガバナンスはかなり強力なものだし、政党全体としては信頼できるものです。
が、しかし、国政政党としての維新は驚くほど人気がないのですよね。
直近のNHK調査による政党支持率は以下のとおり。(調査期間3月6日(金)~8日(日))
自民党 | 36.5 |
立憲民主党 | 6.3 |
国民民主党 | 0.9 |
公明党 | 3.0 |
日本維新の会 | 1.3 |
共産党 | 3.1 |
社民党 | 0.8 |
れいわ新選組 | 0.4 |
その他の政治団体 | 0.2 |
支持なし | 41.5 |
わからない、無回答 | 6.0 |
解答者が年寄りばっかりだということを加味しても、立憲民主党の6.3%に比べて1.3%はいかにも寂しい。(まあ、「その他の政治団体」にされちゃってる「NHKから国民を守る党」よりはマシですが)
いやいや、国民の4割の「支持なし」の人達さ、支持政党なしってことがカッコイイと思ってない?
日本の政治のレベルを上げようと思うのなら、今の安倍政権を応援して強くするか、それに代わる野党を国民が育てるかしかないんですよ?
結構前になりますが、私がツイッターで書いたのは、
「安倍さんが本当の保守議員を引き連れて自民党を離党、維新と合流して新党結成。できれば橋下徹を引き入れて代表にする。次の選挙で有象無象でも何でも良いから人を集めて大勝、橋下首相誕生、安倍さんは財務大臣か外務大臣か幹事長に」
という妄想でした。
若かった安倍さんも今は65歳。サラリーマンなら定年でリタイアしている年齢です。総理在任記録まで作ったのだから、もう今後保身のことも考える必要もないでしょう。
なんなら新党結成した後、ひとりで引退したって良いんです。その後は講演で軽く今の十倍以上の金を稼ぐことだって可能です。
これ、十分実現可能なシナリオだと思うんですよ。少なくとも消費税下げろって要望書出してきた40人余りの議員は着いてきそうですよね。最後にひと花咲かせてくれんかな?
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