《はじめに》
日本維新の会・足立康史議員のスペースに呼ばれた話と、足立議員へのアドバイスを掘り下げた内容を書く記事なのですが、これ書き始めたのが随分前なのです。なぜ投稿しなかったのかと言うと、その後足立議員にまつわる話題でTLが(いろんな意味で)賑わって、それらを踏まえて総合的な問題点を私なりに抽出し、1本の記事としてまとめる気でいたからです。
しかし、代表選との絡みもあって、話題をどこで区切っていいかも分からなくなり、文字数も相当なものなので、とりあえず投稿することにしました。
あだスペにご招待いただきました
7月31日に維新・足立康史議員主催のスペースに参加させて頂きました。経緯は、その前日にあるスペースで足立議員批判をしていたことがご本人の耳に入り、同じことを是非自分のスペースで言ってくれという要請があって参加するに至りました。
私は本来ミーハーなのでタレントとか有名人とかからリプもらうと喜ぶタイプなのですが、この小ライスのアカウントはちょっと話が違います。小ライスは、世直しのための問題提起をすることを趣旨としたアカウントであり、独立性と客観性を重視しています。そこは割と厳格でして、現役政治家にはチャンスがあっても直接の接触を避けるようにしています。例えばツイートでもリプという形で反応したことはなく、常に引用RTです。特にスペース等の音声メディアで会話を交わすことなど全く想定していません。
※ただし先日のあだスペでは本当に聞きたいことがあったので参加したかったのですが、コロナ罹患中で咳が止まらなかったため、残念ながら参加できませんでした。
ただ、私は声をかけられると反応してしまうタイプでもあります。不当な罵倒は一切感情を動かすことなく無視できるスルー力が自慢なのですが、その一方で依頼されると応じてしまうのが私です。
ということで、政党代表選に立候補するような現役国会議員に説教をかますという貴重な機会を得ることができました。
お話した内容は、このブログでかつて書いた「足立康史論」とほぼ同じで、特に目新しいことは言っていません。
足立議員にお説教(?)した内容
主な内容は以下の通り。
(1)足立議員は、官僚出身のエリートで、行政実務を知り尽くし、官僚とのパイプがあり、逆に官僚が嫌がることも知っている。法的根拠を伴う政策論を語ることができる。
(2)しかし、足立議員本人には次から次へと舌禍を生み出してしまう持病があり、余計なところで評価を落とす。
(3)その舌禍は陰のエネルギーとなり、「そういう支持者」が集まってくる。
(4)気が付けば、足立議員が何か言うと「さすがは足立サマ」「お前ら頭悪いから足立さんの言うてること分からんやろww」という熱狂的親衛隊と、「また足立が吠えてる」「足立康史何言うものぞ」というアンチの二極の構図になり、その分足立議員の発言が客観的に吟味されることが少なくなっている。これはバカらしい。
(5)足立議員は「情熱」と「感情」を混同しているところがある。情熱は活力源であり、高いレベルで維持するべきだが、「感情」は完全に切り捨てた方が良い。
(6)橋下さんとは喧嘩をするべきではない。相手は図抜けて頭が良いだけではなく、稀代の喧嘩上手であり、どんな諍いもポジティブに転じさせることができるが、足立議員にとっては真逆に作用する。
(7)どんな正論を吐こうとも「いいね」をたくさんもらえないと政治家としての仕事はできない。多くの人に認めてもらう努力が必要。少数の熱狂的ファンではなく、浅くても良いから共感者そして理解者がを増やすべき。
(8)足立議員が何か言うと、すぐに「足立ファンvsアンチ足立」の対立構造が出来上がり、その発現内容はどうしても軽視されてしまう。これは、理性的な足立ファンにとっては極めて残念でバカらしい現象。しかしそれも元を辿れば足立議員に原因がある。
(9)足立議員に必要なのは、秘書となり通訳となりプロデューサーとなってくれるバディー。足立議員がいくら良いことを言っていても、足立議員自身はその表現が下手くそ。「足立語録」を作ったとしたら、足立議員は変な小見出しをつけ、机の上にアンダーラインを引いてしまう。
(10)足立議員にできることがあるとすれば、例えば15分という時間を区切った動画を高頻度で配信すること。まず時間を区切ることで、話すべき内容は自ずと優先順位の高い内容を選ぶようになるし、情報も凝縮される。特にファンという訳ではない一般人の視聴習慣を作るためにはこのくらいの時間が限界。
番号は今便宜的に付けただけのもので、これ以外のことも言ったかもしれません。
常に「最適解」を考えることで感情は制御できる
(1)の足立議員のスキルについては言うに及びませんが、氏の言うことは高度過ぎて伝わらづらいのは間違いないでしょう。そこで「分からないヤツはバカwww」と大衆をバカにするか「通訳が必要だ」というアドバイスをするかは大きな違いだと思います。
(2)と(5)。今回のあだスペ参加で、私の主張がどれほど伝わったかと言うと、多分65%くらいだと思っているのですが、足りなかった35%の主たる部分がここだと思います。以前に足立議員について書いた際も、
しなければいけない喧嘩をするのが勇者。
しなくても良い喧嘩をするのが愚者。— 小ライス (@shorice_hitotsu) January 10, 2022
という私のツイートを引用しました。足立さんはしなくても良い喧嘩をし過ぎだと。その際足立議員は、「でも家族が攻撃されたら」というような文言で反論しました。これ、全然分かっていない証拠なのです。
氏はあくまで「怒りが湧き出てきてもしょうがない」という言い訳を展開しているだけ。私の着眼点は、その時どういう行動をとるのが最適解かです。
例えば、自分の子どもが川で溺れている。親は冷静ではいられません。アドレナリンが急激に分泌され、救出に向かうでしょう。これが「感情」。しかし、感情に任せた行動が【最適解】かどうかは分かりません。川の流れの速さや形状によっては、5秒使って服を脱いだ上で救出に向かった方が助かる確率が上がる場合があります。前者の方法で、親子共々溺れて死んでしまったとしても、親が子を思う気持ちの尊さは変わりませんが、もたらされる結果は違います。私が常々「物事は損得で考えた方が良い」と言うのは、最適解を導き出す冷静な脳を持っているべきだということです。
負の感情は【制御】ではなく【オフ】にしてしまう
私はかねてから自己申告しているように、本来はうらみ・つらみ・ねたみ・そねみで脳が充満されている負の感情に肉が付いた人間でしかありません。しかし、ツイッターやスペースでの私の話からはあまりそうは感じられないと思います。それは、私自身がそういう人間であることを自覚し、そういうネガティブな表現を最初から「オフ」にしているからです。「抑制」だといつか限界が来るのですが、「最初からそういう感情がない」と「小ライスの仕様書」に書いておけば、それが表出されることはありません。
「最適解への意識」が欠如し、感情が優位になってしまうと起きる問題が(6)。何度も何度も言っていますが、私は足立さんの【議論】を見たいのであって喧嘩しているところは見たくないのです。相手が橋下さんの時が典型で、その中にはちゃんと議論も含まれているのに、感情でつい余計なことを言ってしまうから、せっかくの論説も融解してしまうことになります。これは「しなくてはいけない喧嘩としなくていい喧嘩」の違いの話に繋がります。
政治家なら「いいね」をもらえる努力を
あだスペで私が挙げた例は、かつてこのブログでも書いたローラさんの「沖縄の海を守って!」ツイートでした。どれほど環境技術や地学について勉強してそれを啓蒙しようとも、その話が大衆に伝わらなければ意味がありません。一方、科学的根拠は全く無視しても知名度と好感度さえあれば、あっという間に何万という単位のいいねが付けられます。
もちろん、大衆を味方につけさえすれば何やったって良いということではありません(そういう政治家もたくさんいるようですが)。これが専制国家で官僚の家に生まれた人ならどうでも良い話です。しかし、民主国家である日本に生まれたからには、まずは有名になることや偉くなることが「政治家として本当に仕事をするための大前提」になります。民主主義とはかくも残酷で、皆が個々の候補者の意志と能力を勘案してくれるなら、水道橋博士が当選することなどなかったはずです。
ファンの中には「足立さんは正しいことを言ってるので、それが理解されず偉くなれなくてもいい」と言う主旨のことを言っている人がいましたが、それはファンのマスターベーションでしかありません。それはもしご本人までそんな愚かな考え方をお持ちなのであれば私は一切の応援をしなくなるでしょう。
新規足立支持者を遠ざける親衛隊の存在
(8)同じようなことは以前にもこのブログで書きました。私は常に「誰が」より「何を」を重視する人間なのですが、そうではない人がたくさんいて、そういう人達にとっては「足立議員が」という主語があまりに大きく映るようです。すると、「何を言ったか」の比重が小さくなり、「足立さんが言うんだから正しい」と言うファンと「足立ごときが何言うものぞ」のアンチの対立になってしまいます。
そんなことより、例えば今足立議員が言っている新しいガバナンス論なんてすごく面白そうなんだから、ファンはそこを掘り下げて紹介すりゃ良いじゃないですか。アドレナリンを過剰分泌させるファンの態度が悪すぎて、結局中間にいて少し足立議員に興味を持ったというレベルの人が近づきにくくなるわけです。「あそこからはいつも煙が立っていてきな臭い。近づいちゃいけない」となっちゃうわけですよ。さて、これで足立議員は得しますか?シンプルな問題提起でしょ?
足立議員は何をすればいい?
(9)足立議員にはしかるべきバディーが必要…と言うのも以前に書いた通り。今回のあだスペでは、足立議員が一人でもできることを提案しました。それが(10)「短時間動画」です。これは何も私独自の提案ではなく、皆さんがよくご存じの「切り取り動画」の手法が今の足立議員には必要だろうと思っただけのことです。
足立議員は結構頻繁にスペースを開催していて、そこは褒められるべきところでしょう。しかし、たとえスペースで熱弁してそれを録音したとしても、その1時間2時間の内容を誰が聴いてくれるか?って言うと、少なくとも中間層にいる人は聴いてくれないんですよ。支持者ですらそのスペース録音のリンクを貼ろうとしません。きっかけがないので。
これもう少し具体的に書いておきましょうか。ま、足立さんが実行するかどうかは知らんけど。
この短時間動画(10~15分)は、【一般的知識】から【独自の意見】をバランスよく織り交ぜます。例えば3本セットにして、1本目は「国会って何?委員会って何?」みたいなことを中学生でも分かるように。2本目は「国会議員の数は多い?少ない?」という一般論上の問題点を紹介。3本目で「私が思う議員の適正人数は〇〇人!こうすれば国会運営は合理化できる!」みたいな主張にします。10~15分だとさほど意識の高くない人でも集中力が持ちますし、40分前後であれば3本続けて観たいという人も結構いるでしょう。こういう恒常的に議論されている問題については時間のある時に「撮りだめ」しておけばよろしい。そしてそこに、ニュースや時事性の高いネタを挟んでいきます。時事ネタが豊富過ぎる場合は1日複数本配信したってかまいません。視聴者は観たい配信だけ観ればいいのですから。
これ、何が良いかというと、短時間動画で一般的な話を独立させておくと、足立支持者でなくともこの配信リンクを貼って紹介したいケースが出てくるのですよ。すると中間層にいる人の目や耳に足立康史という政治家が馴染んでいくことになります。足立議員の負担だって小さいものです。スペースに費やす1時間半の間に何本の配信動画が撮れるかって話です。
さて、ということでとりあえず投稿。まだまだ言いたいことはありますが、後ほど。
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