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元農水官僚・熊沢”容疑者”は「追い詰められて」犯行に及んだ?違うでしょ。

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「心身追い詰められて」?

元農水次官「川崎の事件が頭に浮かんだ」と供述 長男刺殺

この事件に関して、各報道機関の記事に目を通してみたんですが、

「容疑者は心身ともに追い詰められていたとみて」

みたいなフレーズが散見されるんですね。

でもさ、「追い詰められていた」と言うのは衝動的犯行ってニュアンスになってしまいますわな。じゃあ理性的にはどうするのが正解だったの?って言うと、私には思いつきませんよ。警察に相談してたら何かしてくれてたの?ひょっとして児童相談所だったりして?

つまり、この熊沢“容疑者”は、理性的に、「このままでは他人の命を脅かすかもしれない」「他に選択肢がない」と判断した上で殺害と言う手段を採った可能性が高いんです。追い詰められて正常な判断力を失った結果こういう凶行に及んだとは考えづらいのですよ。だって、よその子供たちを救うのに、これ以外にこれといった方法なんてありませんもんね。刑法で「やってはいけない」ことは規定されていても、「こういう時どうすべきか」という行政サービスはないのです。


他人を助けて「容疑者」になる皮肉

東大を卒業して官僚に、さらに事務次官という超エリートコース、あとはゆっくりするだけだったのに、まさか人生の終盤で自分の血を継ぎ、可愛がって育ててきた息子をその手で刺し殺すことになろうとは思わなかったでしょう。まさに断腸の思いだったと思います。

先日の川崎19人殺傷事件と対比させると、法がいかに不完全であるかを思い知らされます。あの事件では誰も逮捕されていません。悪魔のように言われる犯人は自殺してしまったわけですからね。親も当然無実です。一方で、今回の長男殺害事件は、大きな事件を未然に防いだ(可能性が結構ある)にも拘わらず、殺人と言う前科がついてしまい、殺された息子は「さん」付けで報道される。皮肉なものです。

運動会にクレーム入れるヤツの実態

付随的な話題になりますが、今回の事件のきっかけは刺殺された息子・英一郎氏の、小学校運動会への苦情だったとのこと。

年に一度の子供のイベントに、「うるさいからスピーカーを切れ」などと言うクレームを聞き入れる学校も甚だおかしいんですが、そもそもこんなクレーム入れるヤツがまともな大人であるわけがない!と常々思っていましたが、今回の事件で初めて具体的な人物が出てきました。やっぱりおかしかったんですね。

改めて考えてみると、英一郎は「小学校に乗り込む」なんて物騒なことを言っていたというのですから、スピーカーを切るという選択も、子供の安全を守るためには不正解とは言い切れませんね。

穏便に解決したいならやはり公的権力の力は必要

ここで終わったらただの雑感。もうちょい掘り下げてみましょう。

川崎事件でも今般の事件でも、大きな問題点としては「これといった解決策がない」ことなんです。マスコミでは、「こういう犯行に及ぶヤツが現れた場合の対処法」がメインで、爆笑問題太田のように「なぜこういうヤツが現れるのか。凶行に及ぶ前に他の人間はどうすべきか」に言及する人はあまりいません。

対策を採るとするなら、行政が何らかの形で、いわゆる「8050問題」に介入しなくてはならないんですよ。これ多分、認知症老人の扱いも基本的なところは同じだと思うんですけどね。家族ではどうしようもない、どうしもようないから殺すしかない、という選択肢を回避するためには、権力を基盤とした公的機関の力がどうしても必要だと思います。

例えば今回の場合であれば、暴力や暴力的発言を録画しておいて、それを「相談センター」に報告。警察付き添いの上、職員が訪問。病院へ強制入院。みたいな感じで。でも大変ですけどね。精神病院って慢性的なベッド不足だし。

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