私なら子供にこんな名前をつける
私が名付ける場合のポイントは以下の通り。
意味が良い
ま、当たり前ですね。しかし、「名前なんぞ記号」論者の私にとっては、「悪い意味でなければ良い」程度のものです。
読みやすい
「そもそもそういう読みができない字」はここでは論外です。仮にそういう読みがあったとしても、難読は避けるという意味です。例えば「大」と書いて「たかし」とか。「だいさんですか」「いいえ、たかしです」とか「えーっと、何とお読みすれば…」みたいなやり取りは極力避けたいわけですよ。あるいは「篤胤」みたいな現代では馴染みの薄い字とか。
呼びやすい(響きが良い)
例えば先述の「母音+母音+と」みたいなのもそうです。最近流行りの「〇〇は」「〇〇ほ」なんかもそう。ハ行で終わると呼びにくいし、息の抜ける音は締まりのない印象を与えます。
「呼びやすい」にはもう一つ意味があって、人が呼ぶときに恥ずかしくないということなんです。子供の名前は、他人が使うものです。ファッションなら恥をかくのは本人だけですが、名前は他人が口にします。ハッキリ言いますが、「ひまり」「まなと」「ここあ」なんて名前を口にするのって、私は恥ずかしいんですよ。
こういう、人が呼ぶ度に呼んだ人に軽ーく精神的ダメージを与える名前は、心の底から嫌なんです。子供の名前をファッション感覚で付けるべきではありません。
字に安定感がある
例えば「陽葵」「陽翔」のように画数の多い字を重ねるのはダメ。「陽子」「陽太」「陽乃」のように、ごちゃごちゃした字の後はシンプルな方が良い。「子」とか「太」を多用していた昔は、その前に何を持ってきても字面が良かったんですよ。
安定感と言えば、シンメトリーに近い字は良いですね。「大」「真」「奏」「宗」「奈」「南」「美」等。
お習字の時に左下に書く名前を想像してみれば良いんです。「陽翔」なんて絶対にきれいに見えませんよ。
かぶらない
これ、感覚として難しいでしょうね。特に女性の場合、皆がつけてる名前に心が惹かれますから。私なら20位以内に入ってる名前なんて絶対につけません。
お勧めの名付け
以前のようなネタではなく、本気でお勧めする名前です。
男の子・女の子、それぞれの一番にお勧めする名前はすでにうちの子に付けてしまっててご紹介できないのが残念ですが、それに匹敵するような名前を。
「俊彦」(としひこ)
80年代トップアイドルの名前です。まず訓読み4文字というのはこの時代、目立ちますよ。さらに「彦」なんて人名としては絶滅寸前ですからね。「彦」とは「日子」のこと。ほら、皆さん太陽が大好きでしょ?その太陽の子ですよ。古事記なんか読んでるとヒコだらけです。なんせ登場人物が神様かその子孫ばっかりですから。
字源としては、ざっくり言えば美少年のこと。そこに昔の日本人は「ひこ」を当てたわけです。そして「ひこ」はリーダー(行政の長)と言う意味を持ちました。
美少年で日本を引っ張って行ってくれるような男性に育つかもしれませんよ。
「智」(さとし)
何の興味もありませんが、これも今のアイドルの名前ですね。これまた漢字1字で訓読み3音という最近では少数派の名前で目立ちます。加えて、字の安定感が素晴らしい。「聡」も悪くありません。「大野智」君って、苗字まで含めて字面がすごく良いですよね。彼には何の興味もありませんが。
同じパターンで「悠」(ひさし)という名前もあるんですが、最近の人は「悠」という字は大好きだけど「ひさし」なんて絶対につけませんよね。
これらの読みは、母音・半母音もマ行ナ行ラ行もなく、字の温度が低くなるんですよ。だからこそ私はカッコイイと思うんですが、最近のセンスではないのですよね。
「佐那子」(さなこ)
はい、さなこ。「さな」は知性と優しさを感じさせる響きがあります。でも私なら「さな」とは絶対につけません。それは単純に、流行だから。ところが「さな」に「こ」を付けることかぶり問題は一気に解消。字も読みもぐっと端正になります。字の意味も「佐」は人を助けるということ、「那」は「美しい」とか「上品」という意味で、素晴らしいですね。
「芹」(せり)
シンプル。響きが良い。井上陽水の奥さんは石川セリでしたね。植物系では、「蕨」(わらび)「蓬」(よもぎ)「檀」(まゆみ)なんかも空いてますよ。
絶対来ると思ってたのに来なかった「子」ブーム
大島優子とか前田敦子とか、あるいは北川景子とか、若い人たちの間でも人気のあるタレントで「〇子」は結構いて、かつ昨今のキラキラブームの反動で、「〇子」ブームは必ず来ると踏んでいたんですが、結局今現在も来ていません。なんででしょうね~。皆さん、今が「〇〇子」のチャンスです。
どうしても「はると」がいい!という方にお勧めの字
私がこれだけ言っても、それでも「はると」がいいんだ!という親御さんも多いでしょう。ではせめて「陽翔」なんて頭の悪い字はやめてください。その代わりに私がとっておきの字をご紹介します。
まず「はる」ですが、「陽」は論外。シンメトリーで画数ほどほど、そして書いた時に字がきれいに見えるという点で「春」しかありません。
「と」ももちろん「翔」は話になりません。といって「人」はあまりに古風。「斗」はたたかうという意味ですが、この字もいかにも流行りで見た目もバカっぽい。ということで、同じたたかうという意味と音を持つ「闘」です。
つまり、「春闘」で「はると」!!
どうですか、奥さん。
おまけ:「令和」という名前は不敬では?
https://resemom.jp/article/2019/05/09/50436.html「2019年4月月間男女別赤ちゃん名づけアクセスランキング」
「アクセスランキング」って何なんでしょうか。アクセスされているということは、実際にそう名付けてる人も多いということなんでしょう。
で、4月の月間ランキング1位が男女ともに「令和」(のりかず、れな)だそうで。
でも「令和」って天皇の諡号、つまり今上陛下が崩御された後に付けられる送り名ですから、不敬っちゃ不敬ですよ。せめて一字拝借にしておきましょう。
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