1年前、議会に赤ちゃんを同伴させて話題になった熊本市議会の緒方夕佳議員。
今回は飴をなめていたとして、議会が8時間中断するという大騒動になったらしいです。
シンプルな印象論ですが、おそらく熊本と言う土地はかなり保守的なんでしょう。いわゆる女性蔑視の観念も強そうで、たしかに面倒くさそうではあります。
しかしですね。
緒方議員の挑発行動?
前回の赤ちゃん同伴騒動にしたって今回の飴ちゃん騒動にしたって、どうも緒方議員は「この保守的な男社会の熊本市議会に風穴を開けたい」という一念による確信犯ではないかと思うんです。
特に今般の飴ちゃんなんて、単なる「挑発」にしか見えないんですよね。
私が同じ議会にいた第三者として、それを問題にするかというと、まあしないでしょう。結構どうでも良い話。喉の調子が悪ければ飴を舐めるかと言うと、ひょっとしたら舐めるかもしれないけど、少なくとも発言機会のある時は舐めません。
喉の調子が悪いならスプレータイプの薬剤でも良いし、飴を口に含むなら発言の時だけ口から出しとけば良いわけでしょ?
「さあ、手を挙げろ!私を殴れ!そうすればみんなが注目する!!」
ってなもんじゃないでしょうか。
議会にとっても最も重要なことは、市民のための議論をすること。のど飴を舐めていたかどうかという問題で議員から発言の機会を奪うというのは、おかしいと思います
一見ごもっともなんですが、でもこの理屈が通用しちゃうと何やってもいいことになりませんかね?
市民のための議論をスムーズに実行したいなら、わざわざオヤジ達の神経を逆なでする必要などなかっただろうし、自分に面倒くさいというイメージをつけられて発言そのものを軽視されるようになったら本末転倒ですよね。
本当にそういうことを主張したいなら、まず地力を鍛えて「こいつの言うことには説得力がある。舐めてはいけない」と聞き手に思わせることでしょう。あ、飴の話をしているのに「舐めてはいけない」とかややこしいこと言ってすみません。
市議会側もひどい
熊本市議会のお偉いさんもひどいと思うのは、事務局が用意した「陳謝文」を緒方議員に読ませようとし、緒方議員がそれに応じず自分の言葉で陳謝したところ、「陳謝文と内容が違う」として懲罰に踏み込んだという話。
実際、緒方議員がどのような「陳謝」をしたのかは知りませんが、「こちらの用意したものと違う」のが理由で懲罰となると、もはや戦前の感覚じゃないですか?
メイ首相の例は相応しくない
イギリスのメイ首相の演説中トラブルを引き合いに出して、この騒動を批判するというのもまた違うと思ってまして、「品位」というアバウトな概念がどこらへんにあるかは、その土地その文化に依存するものですよね。その国、その民族、あるいはその地方議会の美意識や価値観がどのようにして形成されたかによって決まるもので、イギリス人が標準ということではないでしょう。
そのイギリスだって「これの方が体調が良いから」といって水着で登壇すれば騒動になるはずです。その時にも「問題は水着であるかどうかではなく、国民のための議論を~」という理屈が通用するでしょうか。
というわけで、この騒動は、あっちの極端とこっちの極端がぶつかったというお話。
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