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BTSファンならBTSの擁護をしてはいけない。

ジェンダー

原爆Tシャツおよびナチス帽で大炎上したBTSの話。

原爆とナチスの違い

核ミサイルが禍々しいものであるという認識は世界共通のものですが、唯一の実戦による被爆国である日本にとっての「核兵器観」はその中でも特殊です。日本人以外は核兵器がどういうものかって本当はよく分かってないんですよ。

もちろん私だって被爆どころか、1945年には影も形もなく、「生で知っている」わけではありませんが、「原爆教育」は嫌と言うほど受けてきました。私たちの先祖や同胞が熱線で溶け、爆風で何もかもが吹き飛ばされた光景を、写真や絵本なんかで、トラウマになるほど見せられて育ったのです。

原爆とは言うまでもなく大量破壊兵器でして、その被害者は兵士だけではありません。というより、99%は戦争とは直接関係のない民間人で、当然赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃん、犬や猫、野に咲く花の1本までが溶けて吹き飛ばされたのです。

ただやっぱりその感覚ってあくまでローカルなものなんですよね。最初に書いた通り、そこまで生々しい原爆のイメージは、外国人はあまり持っていないでしょう。

そこを考慮すれば、まあ非常識ではあるけど、そういうTシャツ着たくなる若者がいてもおかしくはないかと多少擁護する気持ちもないわけではありません。

 

ところがナチスとなると話は変わってきます。ヒトラーの暴虐は世界共通の常識であって、これをちょっとでもマネしたり賛美したりしようものなら、悪魔扱いされるわけですよ。もっとも、「ヒトラーの政治手法には見習うべきところもある」なら分かりますが、そういう人は帽子被ったりしませんわな。

これ、実におかしい話でして、日本なら欅坂?だか乃木坂?だかが楽曲の中でナチスっぽいコスチュームを使って叩かれたことがありましたが、ちょっとレベルが違うんですよね。

というのも、韓国は自国人口が中途半端で、あらゆる産業が輸出に最適化されています。芸能界も同様、最初から欧米市場に指向しているのが分かります。

だとしたら、日本にしか市場のない日本のアイドルと違って、こういう世界の常識的感覚というのは強く意識しておく必要があるわけです。

20歳そこそこの若者なんですから、チョケたりトガったりしてみたくなるのも分かりますが、その周りにはたくさんの大人が常にいるはずで、なぜ彼らは注意してあげなかったんでしょうかね。

あるいは、そこに何かもっとレベルの高いメッセージでもあったのでしょうか?ないでしょう、多分。あったら言ってるはずだし。

日本のAKBグループは何もかもが秋元康の巧妙な計算の上に成り立っていますから、炎上したらしたで得することがほとんどなんですが、BTSの今回の件は明らかに損失の方が大きいでしょう。余計な騒動から、「アメリカでの人気もファンの不正によるもの」なんて情報まで知れ渡ることになり、彼らの価値を大きく下げてしまいました。

 

女性ファンならではの擁護

当ブログのメインテーマのひとつはジェンダー論なので、ちょっとそれに絡めてお話を。

BTSが炎上すれば、それを擁護するファンも当然出てくるわけですが、その様子にはなかなか興味深いものがあります。
ひとつひとつ正確な引用はしませんが、取り上げたいのは、

「原爆でたった50万人が死んだからって100万人のBTSファンが被害を被るのはおかしい」

「いつまで過去の話をしてるの?」

という擁護の論法。

さらには、例のTSUTAYA店員を自称する人の「個人情報を晒すぞ」というツイートです。

何の罪もないのに焼き殺された50万人(もちろん原爆投下直後に亡くなった犠牲者の数はこれよりはるか下回りますが)と、BTSのファン100万人を比べるのはナンセンスどころではなく、何の理屈にもなっていません。

「いつまで過去のことを言ってるの?」というのも、そもそも過去のことをわざわざTシャツのデザインにしてそれを着ていたのがBTSの某メンバーなのでこれも支離滅裂。

注目ポイントは何かというと、この手のバカは男女問わずにいるものの、ここに取り上げた「擁護」のあり方はいかにも女性的だと思ったからです。

 

この手の話でいつも思い出すのは、イギリス人女性殺害の市橋達也のことでして、逃亡していた彼が捕まった時には施した整形も落ち着き、シュッとしたイケメン風で、しかも逮捕時にはフードを被って目を隠していたため、妙に神秘的に映ったのでしょう。mixiなんかでファンサイトみたいなコミュニティーが立ち上がったのです。

で、ただのファンサイトなら分かるんです。ところがそのコミュニティーでは、「市橋くんはまだ疑いの段階で罪が確定したわけではありません!」と、彼の犯罪を擁護する主張をしていたのに驚いたのです。

もちろん、その時点で犯罪はあくまで容疑であったのはその通りだったのですが、これが出川哲郎のような容姿であればこのような主張をしていたか?ということ。多分してないだろうし、市橋が整形をしなくてもまたこのような擁護はなかったでしょう。

よく「女は子宮で考える」と言いますが、(あくまで男性と比べると、ですが)女性にとって「美は正義」であり、「自分にとって感覚的に心地良いものは正しい」となってしまうことがちょいちょいあるようです。

男の場合、上半身と下半身で思考回路が違うので、「好きだけど間違ってる」「悪い奴だが良い女だ」みたいな考え方ができます。言い方を変えれば、「ストレートに下品」なんですよ。

好きなものを道理としても正しいと擁護する場合でも、必死に論理っぽいもので取り繕おうとします。男にとって「バカ」と見られるのは物凄く大きな屈辱ですからね。もっとも、その取り繕いに失敗してるバカもたくさんいるんですけどね。

BTSファンとしてできること

さて、もしこれを読んでいるあなたがBTSのファンだとして、BTSのために何かをしたいと思うのなら、この件についての擁護は一切しないことをお勧めします。そういうファンの「鳴き声」を聞くほどに第三者にとってのBTSのイメージは悪くなるばかりです。

彼らに才能と実力があるのなら、今後活動ができなくなるなんてことはないでしょう。今回のことで棄損されたイメージの回復には少し時間がかかるでしょうし、しばらくの間は日本でこれまで通りの活動もできないでしょう。

その時にファンができることは、粛々とCDを聴き、DVDを観て、ライブに行き、ただ純粋に楽しむ他ありません。

これがASKAファンからのアドバイスです。

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