鎮火しきらない杉田水脈発言
自民党参議院議員・杉田水脈氏の「LGBTは生産性がない」発言がいまだなおマスコミ・言論界隈を賑わせていますが、この議論はいろいろと発散してしまっており、論点を整理する必要があると思います。
杉田議員の評価は後回しにして、氏の発言を受けての松井一郎大阪府知事のツイート
オカマもゲイも納税者だから生産はしているでしょ
(現在は削除済み)
がさらに延焼させることになって、議論はカオス化していきます。
そもそも「生産」という言葉の意味は?
さて、ではこの「生産」という言葉ってどういう意味を持つのでしょうか。
松井氏の言う「生産」は経済学用語のそれであって、一般的に「生産」と言えばこの定義~つまり、「モノやサービスを作り出す行為」のことと考えれば良いでしょう。
要するに労働者であり、所得があって、税金を納めることですね。
松井氏の発言がまずかったのは「オカマ」という、今ではほぼ差別用語とされている呼称を用いたことです。これをおすぎとピーコやマツコデラックス等当事者が使う分には良いんですが、そうでない人は使いづらくなってきており、ましてや政治家が使うとこんなことになっちゃいますよ、と。
松井ツイートに対する的はずれな批判
そしてもう一つ、松井氏の発言には的はずれな批判もぶつけられています。
これに対し「LGBTは生産性がない」という主張への批判だけでなく、「社会で支援を受ける人を生産性という視点で選んで良いのか」という批判もあった。
「オカマもゲイも生産はしている」松井大阪知事、ツイートを削除し謝罪 https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/tweet-matsui @togemaru_kさんから
松井氏ツイートの主旨は、あくまで杉田発言への指摘であって、「LGBTだって納税していたらそれは生産性があるということ。生産性があるかないかは性的にノーマルかLGBTかで決まることではない」というただそれだけのことです。
ところが、
このような視点は「優生思想」に通づるという声も出ている。
と、このようなことを言い出す人たちがいます。松井氏は「納税してないヤツに人権などない」とでも言ったかのように、ですね。
ヒダリ側には「優生思想」という言葉が大好きでたまらない人たちが一定割合でいて、何かというと「優生思想だ!ナチスだ!」と喚き立てる、発作のような反応を見せます。
杉田水脈は賢そうな言葉を使いたかっただけ?
彼女の、税金の使い道の熟慮という趣旨そのものは何ら間違いがないんですよ。いや、合っているか間違っているかを私が決めることではないのですが、これも詳しくは後に回すとして、「生産性がない」なんて表現は、誰がどう見ても侮蔑的で、趣旨が吹っ飛んでしまうんです。
「生産性」という言葉が本人にとっていかにも賢そうに映ったのかもしれませんが、先述のように、間違いです。そもそも子供ができないことが「生産性がない」のであれば、安倍首相もイチローもマツコデラックスも子供がいないので、子供が2人いる私の方が無限大の生産性を有していることになりますが、そうではありません。
正しくは「生物学的再生産性」とでも言うべきでしょうが、こんな言葉もわざわざ使う必要などありません。
私が政治家であれば、
LGBTは社会的弱者であり、救済されるべき存在です。あらゆる境遇や障害という状況下であっても全ての人が生きやすいと思える社会を作り上げていくのが政治家の役目。そういう意味では我々もなんとかしなければいけないわけですが、残念ながら行政のための予算は限られており、少子化対策などより優先度の高い事業があるので、まだまだ手が回りません。
とでも言うでしょうか。
LGBTのためになる行政の難しさ
さて、LGBTのために予算を使うことの難しさは、単純な優先順位の問題だけではありません。予算があったからと言って、どう使うか?という問題があります。
一体社会がどうなることがLGBTにとって住みやすいと言えるのでしょうか。
例えば公衆トイレ。公衆トイレにLGBT用のスペースを設けるという案にも、「むしろ差別を助長する」なんて声があります。
当ブログでも少し触れた、「オリンピックでLGBTが“中身の性”で出場することが認められている」という話も、テストステロン値だけで中身の性を決めて良いものかと、これまたモヤモヤするものがあります。
そもそもLGBTという存在を意識し始めると、女性専用車両とか女風呂とかでも、「中身が男の見た目が女性」という人たちが紛れ込んでいる可能性を改めて再認識しなければいけません。「中身も見た目も男」が同じことをすれば、大きな問題になるわけで、これまたモヤモヤする話です。
まずはLGBTの立場になること
じゃあどうすればいいか?
残念ながら私の頭脳ではその解決法が導き出せません。しかしひとつすべきことがあるとすれば、LGBTという存在をなるべく感覚的に認識し、彼(女)らの立場を尊重することでしょう。行政より先に、個人レベルで差別をなくす努力をしていくべきだと思います。
と言っても、これまた簡単ではありません。なぜなら、生物学的に男性の性同一性障害の当事者が「オカマ」を自称し、日本人平均よりはるかに高い割合で娯楽産業に従事しているという現実があるからです。こういったことが彼(女)ら当事者にとって本意なのかどうかも、確認する必要が出てきますよね。
杉田水脈は議員をやめるべき
ああ、そうだ、結論。
杉田水脈議員はガキでアホなので、政治家をやめるべきです。
「彼女のような国士が今ピンチに」なんて擁護する声もありますが、基本的な思想がどうであれ、どんな言動がどういう事態を巻き起こすかも想像できない~しかもこの場合は無用な炎上~人は政治家などやるべきではありません。純粋で情熱的でも、ただ前しか見えないヤツに大きな仕事はできないのです。
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