あれ?日本の治安悪くなってる!?
今うちの近所の公園で置き引きが流行ってるんですよ。1か月半ほどの間に4件です。自転車のカゴや、ベンチに置いた荷物を盗られてるんですが、公園なので被害者は主婦や子供ばかり。盗られた物は、数千円の現金からスマホ、高級グローブなんてのも。驚くのはその素早さで、私が直接携わった(子供の代わりに通報したという意味)件では、ほんの3分ほどの間にやられてるんです。お巡りさんに聞いてみると、この公園だけではなく、あちこちで発生している、と。そりゃ“狩場”を一か所に絞るなんてことはないでしょうからね。
まあ、言ってもこれは小さな事件ですよ。
やっぱり気になるのは、例の「ルフィ―強盗組織」の話。そして各地で相次ぐ、ひったくりや強盗の事件。
今この瞬間だけを見て「最近世の中が物騒になった」なんて安直なことは言いたくありませんが、さすがにちょっと異常なものを感じるんですよね。
で、すでに触れるタイミングを大きく間違ってしまった感のある、飲食店での迷惑動画多発現象。
ん~~、日本は経済の低迷に伴い、自慢の治安や行儀良さまで失いつつあるんじゃないの?と思わずにいられないわけですよ。
…とまあ、日本全体の話は一旦置いといて、今日は「回転ずしで湯飲みペロペロ」などの飲食店迷惑行為の対処法について語ります。
バカッターに対する業者の対応が変わった
今年に入ってからの一連の飲食店迷惑行為動画投稿事件において、各業者さんは軒並み通報のみならず、民事請求もするという姿勢を貫いています。「親と一緒に謝りに来ても謝罪は受け付けない」と。
かつてあったバカッター系動画ブーム(?)がニュースになった際、私が毎度「通報したのか?民事責任は?」とコメントしていました。と言うのも「会社からこっぴどく叱られた」とか「解雇処分にされた」なんてのは、あくまでドメスティックな話であって、パブリックな話ではないからです。拡散されて社会的な信用を失うという強烈な制裁を受けるには受けるんですが、形としては雇用者(企業)裁量で済ませてしまっているんですね。
で、先般の迷惑動画群については企業が態度を変えて、刑事事件としてはもちろん、民事責任も問うようになっちゃったわけです。その理由は、実際に被害額がえげつないことと大衆から圧力でしょう。
実際の被害額を賠償できるはずもないが……
被害額というのは、まずは客足が遠のくということ。もちろんこれは売上の機会損失となり、一時的にはこれがものすごく大きそうですね。さらに、例えばレーンに回っている寿司にいたずらされた場合、対処法としては「レーンに流さず店員が配達する」ということになり、「流れている寿司を見て食べたくなる」という機会の損失と人件費が追加されます。チェーン店ですから、それが何千あるか分からない全店舗に影響することになります。このコストだけでも10億円という単位になり、さらに株価で見れば160億円の損失が生まれたわけですから、ま~「バタフライ効果」もえげつないですね。醤油ボトルを舐めてその動画を上げるだけでこれだけ株価が動くんですから、「株価操作ではないか」と言われるのも分からないではないですね。
ハッキリ言えば刑事事件としてはどーでもいいレベルです。威力業務妨害罪とかになるんでしょうが、屁でもありません。実刑なんて絶対つかないし。では民事は?と言うと、上記のような被害額の賠償責任を負うことになるわけですが、どっちみち賠償できるレベルの額ではありませんね。
具体的にどのくらいの請求をするのか知りませんが、この民事訴訟の実質的意図は【懲罰】なので、私なら懲罰として妥当な金額を提示するでしょう。となると、1000万円程度でしょうか。加害者側としては「支払い可能だが物凄く痛い」金額です。
まあ、そんなこんなで、バカッター系被害についての対応方法については事実上の業界標準が出来上がっちゃった訳です。
まとめると、
被害業者側は警察に通報(刑事)
被害業者側は損害賠償請求(民事)
被害業者側は加害者からの謝罪を受け付けない
責任は動画撮影者にも及ぶ
多分今後、「子供がバカなことをしでかした時の民事責任を肩代わりする」なんて保険商品もできるのではと予想しております。
真面目に働く気なんて起きない国
んで、冒頭の話に戻りますが、やっぱり日本全体の雰囲気が少しずつ変わってきていると思うんですよ。もちろんこの手の話は、「凶悪犯罪の発生率」とかそういう数字がないと確たることは言えませんので、私の心象論でしかありません。
仮に私の心象が真だとして、その原因は何かと言うと、経済停滞、政治不信、大人不信ではないかと思うのです。
「オレオレ詐欺」という言葉が生まれてはやいくとせ。大昔にツイートしたような気がするんですが、この手の詐欺って「高齢者に偏った富を現役世代に還元する装置」として機能しているわけですよ。いや、もちろん詐欺が正しいというような話をしたいのではありません。
でもね、例えば団塊ジュニア世代って、政治家やその他の偉い人たちが何もしなかったせいで、とんでもない目に遭ってるわけですよ。新卒のタイミングで本格的な大不況がやってきて、守りに入った企業群は採用を控える。景気が少しずつ回復してきてさあ人を雇おう!という時には次の世代の新卒を採用する。その後彼らにどんなケアが施されたというのでしょうか。現役世代の中で最も分厚い世代人口を擁するこの世代がこんな目に遭ったおかげで、少子化はより深刻なものにもなりました。
で、その後は?ITバブルやらアベノミクスやらでちょっと上向きになったかと思ったけど、病巣を取り除けなかった日本は結局30年間を失うことになったわけです。気が付けばその他の先進国から置いてけぼりを食らって、日本だけがゼロ成長を続けている、と。さらに現政権は口を開けば増税増税、国民負担率は5割をかすめて、現役世代はどんどん貧乏になっていく。
そりゃね、少子化云々の前に、真面目に働こうなんて意識もなくなっていくんじゃないですか?
責めるべきは誰か
別に私はルサンチマンを煽りたいわけではありません。ただ、見聞きしてて腹立つのは「そんなものは甘えだ」論なんですよ。「選ばなきゃ仕事はある」だの「今の職場が気に入らなければ転職すればいい」だの、上の世代や、たまたまうまくいってる同世代からのこういう指摘にはヘドが出るんです。
個人個人を見ればそう言いたくなる人もいるでしょうよ。でも、だったら高度成長期に現役世代だった人達は自分たちが怠けず努力したからその恩恵に預かれたとでも言うのでしょうか。もちろんそんなわけはなく、たまたまその世代に生まれただけなのです。並の学歴で普通に就職すればポジション安泰、十分なお給料と退職金が貰えて家庭も持てた。で、日本の経済が低迷し始めた後に現役世代になった世代は、良い大学出ても就職ができず、さらにそのことで誰かに説教されなくてはいけない。仮に頑張って稼いでも無責任に現役世代を送った老人たちの世話に使われる。
そりゃ治安が悪くなることがあっても良くなる要因がないでしょうよ。
ということで、変えるべきは政治と財界。
……話が大きくなりすぎ?
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