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絶望の街、大阪。

2020大阪都構想世代別投票率 政治・経済

2020年11月1日の大阪都構想住民投票は「否決」という結果で幕を閉じました。

反省しております。「85%の確率で可決」なんて言った自分がもう恥ずかしくて恥ずかしくて。自分の不明を恥じ、反省の意味を込めて頭を丸めたのですが、お見せできないのが残念でなりません。

 

今回も老人と女性に負けた……のだけど

さて、投票結果の内訳を見てみましょう。

2020大阪都構想世代別投票率

出典:https://www.asahi.co.jp/abc-jx-tokoso/

2020大阪都構想住民投票男女別投票率

確かに否決を決定づけたのは相変わらず老人と女性ですが、何のことはない、それにしたって各世代できれいに真っ二つになっていて、つまりは「完敗」だったわけですよ。

 

都構想住民投票は物凄いハンディキャップ戦

まず大前提としてですが、大阪には職員だけでウン万人という数の人がいてウン十人という市議がいます。彼らにはそれぞれ家族親戚がいて、市に群がる利権団体、さらにその団体にも家族がいるわけで、そうなると都構想の正邪という基準抜きに最初から「反対」である有権者の数はウン十万人ということになります。

大阪都構想はそのめちゃくちゃデカいハンディキャップを乗り越える必要があったわけです。辛坊治郎氏は酒の席で松井市長に「住民投票は利害関係者に投票権を与えてはいけないのでは?」と冗談で言ったらしいですが、当然ながら、今回の投票結果からそういった「無条件の反対派」を差し引けば、余裕で可決してたんでしょう。しかし、そこは「民主主義」でどうしようもありません。

それでも今回は勝つだろう、と私は踏んでいたのです。

なぜなら、今の維新はイメージが良い上に、吉村府知事&松井市長のタッグで「バーチャル大阪都」を実践し、実績を上げてきたからです。

それでもこの惨憺たる結果ですから、むしろスッキリしたというものです。

 

もう一度言いますが、市の存在に直接的な利害関係の生じない第三者である、つまり純粋な大阪市民の意見としては「大阪都構想賛成」でした。民主主義を実現するための「多数決」という手法が実質的な民主主義のジャマをしたという皮肉な形になってしまったわけですな。

世代別で高齢者、男女別では女性に負けてしまったわけですが、大きな構図で言うと、改革を望む一般の大阪市民が、利権団体+反日サヨクというタッグの前に負けてしまったということになります。

賛成派は本当に気の毒ですが、改革とはかくのごとく厳しいもの。

 

改革の大チャンスを逃した大阪

大阪市を木造建築に喩えるなら、利権に群がる連中はシロアリです。今のところ維新の力によってシロアリはかなり数を減らしましたが、二度と増殖できないように鉄筋コンクリートに立て替えようというのが大阪都構想でした。ところが市民の判断は「木造は残そう」でした。その市民の中には大量のシロアリ自身も含まれます。これで大阪と言う街は「闇と絶望の都市」という烙印を押されたことになります。

なんせね、大阪市長が自らのその職を失する改革を提案して、市民側が拒否したんですからね。これって結構すごいことなんです。例えば、国にしろ地方にしろ、議員定数が減らないのは、それを決めるのが議員自身だからで、自分の足を切り落とすようなことを誰がやるかって話ですよ。維新は自分たちが与党のうちに給料も議員定数も削減してきたのです。

議員定数は完全な「メタ改革」の例で、そういう改革はめちゃくちゃ難しいのですが、大阪都構想は言わばメタ改革の超でっかいバージョンの選択を(半分程度は)市民に委ねた形です。その貴重なチャンスにおいて、こともあろうに市民がNO!を突きつけ、みすみす逃してしまったわけですよ。

都構想は利権?アホか。維新が利権貪りたかったら、今の体制こそが絶好の土壌でしょうか。そもそも橋下徹氏を見てみなさい。タレントが政治家やるのって大概落ち目になってからですが、橋下さんは人気絶頂でウン億という年収がある中での府知事立候補だったわけです。同様に、吉村さんも松井さんも一民間人になった方がはるかに稼げるんです。吉村さんなんか弁護士やめたってテレビ出演と講演でやはり年収ウン億ですよ。政治を利権として利用するのは、名声のない人の発想なんです。

閑話休題。

 

都構想の失敗は日本全体にダメージ

この2度目の都構想失敗は、日本全体に見えづらいダメージを与えることになります。

バブル崩壊と人口減少という負の要因で20年間ほとんど成長せずに来た日本。単に中国などの台頭で相対的に地位を低めただけでなく、1人あたりのGDPという点でも堕ちていくばかり。

それは戦後の高度経済成長期の成長メソッドから抜け切れていないからです。菅内閣は今物凄い形相で改革を進めようとしていますが、大阪都構想は菅改革に強くリンクするものでした。東京以外で初めての「政令指定都市廃止」は、古典的地方自治のあり方を捨てて、人口減少トレンドにあっても地方をベースに成長していく新しい日本を作る足掛かりだったのです。

大阪外の人も「ま、大阪の話なんで知らんけどw」とニヒルに決めている場合ではありません。日本人は皆、地方交付税というお金で繋がっており、どこかの地方が貧乏になれば自分の取り分も減るのです。

地方交付税とは、一旦国が吸い上げた税金を、地方自治体の税収格差を解消すべく再分配するお金のことですが、今現在、日本の稼ぎはほぼ東京都が担っていて、地方はそのお世話になっているという構図です。これはかなり異常なことで、いかに東京に資本が一極集中してしまっているかってことなんですよ。物理的な災害によって東京がどうにかなっちゃたら日本全体が終了、みたいな状況なわけです。

その解消のためには大阪をはじめとする有力地方都市が元気にならないといけないわけですが、これができない。

政府は「地方創生」なんてことを言いますが、ま~おざなりですよ。本気でやろうなんて多分誰も考えてません。やろうとしたら物凄い抵抗勢力が出て来るでしょう。なんせそのベクトルには「道州制」が待ち構えていますからね。具体的なプロセスとなると私にも分かりませんが、大阪を再編して「都」にするというのは、漠然としたイメージとしても「関西州」の「州都」となるための準備でもあったわけです。

もっとも、大事なことは実際に制度として道州制を実施することではなく、日本が東京以外にいくつのか拠点を絞って、行政改革し、産業を興していくということなんですが、今回その第一歩を見事に挫かれた形になっちゃった、と。

 

さて、大阪自民党さん、共産党さん、そして反対に投じた市民の皆さん。あなた方にはどんなプランがあるのですか?

は~しんど。

 

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