「“WTC”と“りんくうゲートタワー”は二重行政ではない」?
反対派の詭弁としてこのようなものがあります。
WTCは大阪市、りんくうゲートタワーは泉佐野市で区域が違う。つまり二重行政ではない、と。
いやいや、ほぼ同時期に、大阪湾沿いに、たった10cmの高さを競って建てられたこの2棟のビルが二重行政ではない?「大阪市と泉佐野市」であれば分かりますよ(いや、それだっておかしいけど)。でもこれ、「大阪市と大阪府」なんです。泉佐野市は、建てられた場所に過ぎません。
つまりこれは、半世紀以上にわたって繰り広げられてきた大阪府・市対立の象徴であって、ただのマウンティングのために合わせて2000億円ものコストが投じられたのですよ。そして両者とも大赤字。
区域が違うから二重行政ではない?バカ言っちゃいけません。そもそも府と市が対立していなければこんな愚行はあり得なかったのです。大阪都構想は、この馬鹿馬鹿しい対立を根本から解消する策なのですよ。
体育館も図書館も病院も役に立っている
府と市で別々に運営されている事業は、それぞれ利用者が多く、役に立っていると。
ふむふむ。
で、
だ・か・ら、
なんで別々にやる必要があるのでしょうか?
それが良いことなら、公立小学校だって、市立だけではなく、県(都道府県)立、国立、もっとバンバン作れば良いじゃありませんか。でもそうはなっていません。運営主体が複数あることに合理性がないからです。
大阪市民の税金が大阪市以外のために使われるなんて!
大阪市が廃止されると、現在の大阪市は大阪府“直轄地”になります。これを都構想反対派は、「府に吸い上げられる」と表現し、「大阪市民の払う税金が大阪市民以外のために回される」と大騒ぎしているわけですが、一言大事なことを言っておきましょう。
税金とはそういうものです!
例えば、貴方がどこの都道府県の何市に住んでいようが、収入があればいくらかの税金を払っている可能性は高いし、その税金は貴方のためだけに使われるわけではありません。貴方が使わない公園、貴方とは直接関係のない市立の小学校や児童相談所、貴方が会ったこともない人の生活保護費、貴方の嫌いな国会議員の給料、貴方の周辺で見たことのない自衛隊、貴方が訪れたこともない地方交付税などに使われます。
貴方が支払った税金が貴方のためだけに使われるなら、そもそも税金なんて取る必要がないんですよ。
都構想は、行政主体が「市」から「府」に替わるというもので、税金の払う先が変わるのも、使い道を決める組織が変わるのも、その使い道が今までとは変わるのも、当たり前の話なのです。
そして、税金の支払う先が変わることと、それが自分のためにならないこととは全くリンクしません。それは誰が政治や行政を執り行うかの話であって構造上の問題ではありません。そして別のポイントに今日の府市体制に構造上大きな問題があるとして、大阪市を分解⇒再構築しようとしているのが維新なんです。二重行政や不毛な対立を予防して税金の無駄遣いをさせないよう、特別区にしようとしているわけですよ。
しっかし、そんなに金の使い道にシビアなのに、よく竹山堺市長を許せておけるもんですね…。
柳本・小西、同じ自民党なのに言ってることが真逆
この税金の徴収については付随的な面白い議論がありましてですね、市長に立候補している自民党・柳本顕氏は、まさにこの理屈「(今の)大阪市がないがしろにされる」という見解を基に都構想批判。一方、府知事に立候補している同じく自民党の小西禎一氏は、「特別区(今の大阪市)にばかり注力して他の市町村がないがしろにされる」という見解を基に都構想批判。
はて……?いったいどっちなんでしょう?
お二人とも自民党ですよね???
要するに、批判さえできれば理屈なんてどうでも良いってことですよね?
藤井聡「東京23区も“東京市”に戻したいという意見もある」
はぁ!?
いや、「意見“も”ある」なら確かにそうかもしれませんね。100人に聞けば1人や2人そんな人がいたっておかしくない。で、どのくらいの人がそう思っているんでしょうか???
今日の東京都が採る「特別区」式の行政が23区民のためになっていないのなら、なんで日本全体の人口が減少するなか、23区の人口だけは増えているんでしょうか。
ネットニュースでよく見る「〇〇に賛否!」論法とまったく同じですね。
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