スポンサーリンク

【統一地方選】大阪で起きたこと

政治・経済

私は政治についてはよく語りますが、こと選挙となると、これが興味も知識もないもので何も語れないんですわ。選挙の情勢となると、もちろん全く興味がないわけではありませんが、なんせベースの知識がないので、どこが何人区でどんな人が立候補してて当選可能性がどーだこーだというのも、詳しい人から上っ面の情報を聞いて満足するという感じでして。ま、「タッチアップ」の意味も知らないのにWBCの時だけ野球を見るにわかファンみたいなものですね。

そんな素人なりに、今回の統一地方選挙を、大阪という都市を主体に振り返ってみたいと思います。

 

スポンサーリンク

維新、大阪で圧勝

ざっくりと「大阪の政治」と言うものを考えると、そこには「大阪府知事」「大阪市長」という行政の長が2人と、「大阪府議会」「大阪市会」という2つの議会という、4つの要素で構成されています。今回の統一地方選(前半戦)で、維新はこの4局全てを制覇しました。つまり、維新の府知事、維新の市長、府議会で維新が過半数、市会(市議会)で維新が過半数。

ハイ、この後アンチ維新がどんな反応をするかはだれでも予想ができますね。

「維新王国!」
「吉村独裁!」
「民意がかき消される!」

もちろんそんなことはないし、これは選挙という民意反映システムの結果です。どの政党、どの候補者からでも好きなのを選んで下さいという選挙の結果として、この4局が揃ってしまったわけですよ。

それが嫌なら、大阪都構想を可決させて、維新という政党の存在意義を消失させてしまえばよかったのです。なまじ都構想が否決されたおかげで、維新は王国化してしまっているわけです。

 

ではなぜ維新は大阪でここまで強いのかと言うと、大阪府市の住民がだんだん地方自治体の何たるかが理解できるようになってきたからでしょう。議論に上がる問題が、市町村マターなのか都道府県マターなのか国政マターなのか。国と違って明確な上限のある予算内でその政策は実行できるのか。そもそも地方で本当に必要な行政とは何か。こういった問題について、ガッツリ議論できる人は少数であっても、ある程度の意識を持っている人が増えたのではないかと思います。

 

んで、アンチ維新がこれまでどんなことを言ってきたか数例挙げてみると、

 

「大阪から街路樹がなくなりつつある!木を切る改革だ!」

維新のせいで街中から緑が減って行っていると言いたいようですが、言うまでもなく、街路樹の剪定・伐採は行政の仕事です。そもそも街路樹は自然界の森林の木よりも密度が薄いらしく、まだ3ナンバーの車がほとんど走っていないほど昔に植えられてカラばかり大きくなった街路樹は台風で折れてしまうことがあります。何より、育ち過ぎた街路樹は景観を良くするどころか、交通視認性の悪化を招き、事故の確率を上げてしまいます。うちの近所では電線に接触しているものもありました。

そういう街路樹は適切に剪定や伐採をし、邪魔にならないようにしなければいけません。自動車の大型化に合わせて道路の拡幅をする場合は、伐採ではなく「抜根」する必要もあるでしょう。

街路樹の手入れにだってコストがかかるのに、このアンチ達は何がどうなって「維新がわざわざ金をかけて緑を減らしている」などと主張するのか不思議です。

そして、どうも民間由来と思われるこのアンチ維新フォーマットを、こともあろうに(市長選に落選した)北野たえこ氏はそのまま流用して選挙運動に活用。恥ずかしくないのでしょうか。

同様のフォーマットで「道路の白線」もあります。どこにでもある塗料が薄くなった白線の写真を撮って「これが維新の行政だ!維新のせいで交通事故が増える!」とやるわけですよ。

 

「IR用地の利用法は3年かけて考えます!」

同じく北野氏。アンチ維新が声を揃えて「IR反対!カジノ反対!」と叫んでいるのは皆さんご存知でしょうが、北野たえこ先生はさすがです。夢洲IR用地は、「自分が市長になってから3年かけて考える」と言い放ちました。この人、二世議員で18年市会議員やってたはずなんですが、その間何してたんでしょうね?

ついでに、北野氏は「IR・カジノで儲かる保証はない」とも言っていますが、必ず儲かると分かっている事業しかできないのなら、世の中何もできません。さらに根本的なことを言えば、行政は不動産リソースを貸して家賃を得るだけであって、カジノ経営にはノータッチ。つまり、カジノは日本初の公認民営ギャンブルであって、大阪府市は何が起きても損はしないのです。

 

大阪にディズニーリゾート!?

極めつけがこれです。今般の議会選挙で自民党はなんとなんと「夢洲にディズニーリゾートを!」という公約(?)を掲げて、あちこちにポスターを貼って回ったのです。

これには候補者も困惑。ある自民党の市会議員選候補者は、「大阪にディズニー案が面白くて投票した」という有権者を紹介しつつ、「でも実際にそんなことはできない。自分に投票してくれるのは良いが、党の勝手な政策論は流れ弾として自分に当たる」というような趣旨のツイートを投稿。上層部の怒りを買ったのか、即削除されていました。

結論から言えば、大阪にディズニーリゾートなどできるわけがありません。

まず第一に、この運営主体がディズニー本体なのかオリエンタルランドなのか分かりませんが、当事者に全く話が通っていないのは、ポスターにロゴもキャラクターも印刷されていないことからも分かります。勝手にやっちゃうとあの知財ネズミが黙っていませんからね。

次に、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)との契約で、近隣に同様のテーマパークを建設することができないことになっています。

仮にできたとして、在阪のUSJはもちろん、全国から客が来る東京ディズニーランドとも客が食い合うことになり、採算がどうなるか分かりません。

そもそも日本と言う小さな国に2つのディズニーリゾートを作るなんてことができるかどうかも分かりませんし、できたとしても東北以北か九州でしょう。

 

政治家にとって国民がバカであることはありがたい

ここで言いたいことは、前回のブログ同様、一部の政治家は有権者をアホだと思っているということです。

先日のブログで『ドラゴン桜』から桜木の言葉を引用しました。すなわち、「お前らにはバカなままでいてほしいんだ」というあのセリフです。

どうせ国民なんてバカなんだから難しい財源論を説いたところで理解できない。そんなことよりふんわりポエム!「大阪にディズニーを!」というバカげた公約を活かすために、政府与党である自民党はIR認可を先延ばししたわけです(決めてしまうとこのバカ公約も言えなくなりますから)。

府知事選に落選した谷口真由美氏に至っては、2人の子持ちであることとヒョウ柄を着て大阪のおばちゃんアイコンとなることのみで勝負してきましたから、その神経たるや羨ましい限りです。で、落選したらしたで「女性にはハードルガー!」と、女性だから落選したんだというニュアンスで敗戦の弁を述べていたわけですが、財源の数字も知らずにテレビ討論会に出てくるような〇カは、男だろうが女だろうが当選するわけないだろ、と。

この「アップデートおおさか」から擁立された2人の女性候補者は、自民党からも立件民主党からもVIPからの応援メッセージが送られています。

選挙が終わったからいいだろって話ではありません。政治も選挙もこれからもずっと続くのですよ。さて、あなたはどんな政党の誰を支持しますか?

 

奈良県に維新の知事誕生の意味

「保守王国」と言われていた奈良県の知事選ですが、これも維新の山下候補が当選しました。地方政治としては結構歴史的な事件かもしれません。

ただし、これはすでに政界を引退された松井一郎前日本維新の会代表及び全大阪市長が言うように「保守分裂による漁夫の利」でもあります。

しかしながら、一方の奈良県議会選挙を見てみると……

(グラフは朝日新聞デジタルより)

維新の議席は4⇒14の大躍進。議会与党の自民党に迫る圧倒的第二党になっています。ここまでではないにしろ、維新の躍進は京都や兵庫でも同じ。これが何を物語っているかというと、大阪の変革を生で知る近隣府県では住民が「うちだって維新によって大阪のように!」という願望と、特に岸田政権以降に日本全体を覆う政治への不信感ではないかと思います。

私はかねてから、「橋下徹というとんでもないキャラクターの再来が期待できない限り、維新は地道に大阪から放射線状に党勢を拡大するしかない」と主張してきましたが、どうでしょうか。維新と言う政党の誕生から今の党勢に至った時間を考えると、別段長かったわけではなく、むしろ新興政党としては奇跡的な成長ではないかと思います。

そして、放射線状に拡大していくということは、平面で広がっていくということなので、(真っ当な成長さえすれば)指数関数的に膨張していくことを意味します。例えば半径1cmの円が年に1cmずつ半径を伸ばしていくとすると、その面積は1年目πcm2、2年目は4πcm2、3年目は9cm2、さらに16、25、36……と拡大のペースが上昇していくわけです。割とあっという間なんですよ。

 

さらにこの後「野党第一党になることの意味」について書こうかと思ったんですが、急速に面倒くさくなったので、ツイートかツイキャスで。後日加筆するかも。

 

にほんブログ村 ニュースブログ 話題のニュースへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました