そもそも政令指定都市って必要ですか?
日本の行政は、
国 ー 都道府県 ー 市町村
という3段の階層構造が基本にあります。
んで、「政令指定都市」っちゅーのは何か。昭和31年、つまり敗戦後の日本が主権を回復して4年後の、「ほな、こっから本気でいくでー!」と物凄い勢いで復興を遂げようとする、“戦後日本”の黎明期に、「元々大きな都市はその他の地域と勝手も違うし、都道府県の枠から外してやるから、勝手に成長しろ」という実に野蛮で乱暴な発想から生まれた制度でした。
つまり、「国」の直下に「都道府県」とは別に「政令指定都市」というイレギュラーな自治体が誕生し、行政の3段階層構造が崩れてしまったわけです。
いや、この制度そのものが悪いとは言い切れません。一時的にはこれで良かったのでしょう。これ以外の行政制度設計って当時のドタバタの中では面倒くさかったでしょうし。
しかし、高度経済成長が一段落し、晴れて堂々たる先進国となった1970年代、その役目は終わったはずです。
さらにその後、バブル経済とその崩壊を経て、人口の急激な減少が確定的になった後は、それまでとは根本的に違う国家・都市デザインが必要だったはず。
…というのがとりあえずの私の認識です。
で、現状において、私が大阪都構想に賛成したことの理由として根底にあるのが「そもそも政令指定都市って必要なの?」という疑問なのです。
ある都道府県の中に、地理的に内包する形で、別の都道府県を作るというような歪な制度を後生大事に守り続ける理由って何なのでしょうか?私はないと思っています。
と、このような疑問を先日あるスペースで投げかけてみると、この議論自体が非常に歪なものになっていることに気づきました。
政令市=ありがたいもの、という大前提
この質問の回答のひとつが、
「なぜ政令市をわざわざ解体するのか」
でした。おや、質問で返されました。しかも内容が循環しています。これじゃ議論になりませんね。
彼らは「政令指定都市は良いもの」という大前提の下で話していて、そこからは思考停止に陥っているようです。私は維新支持ガチ勢みたいに政治・行政に詳しくなく、その一方で、より根本的で素朴な疑問が出てくるわけですよ。
そ・も・そ・も、政令市って必要ですか?
分かりますか?日本語ダイジョブ?
私にとっては、「政令市を解体した後、“普通の市”にするか、特別区にするか」という議論なら分かるんですが、「政令市を残す」という選択肢がある場合、その理由が分からないので聞いているのですよ。だから、答えてくれりゃ良いのです。「カクカクシカジカで政令市は必要なんです」って。
別の回答者はこう答えてくれました。
「えーっと…政令市というのはですね、人口が密集している都市においてその都市計画を……」
いやいや、その辺は分かってますから。「政令指定都市とは」でググって出てきたものを読んでくれと言ってるわけじゃないんです。
東京都は特別区を返上したい?
さらに別の回答者の答え。
「東京都の特別区を市にしようとする動きがある」
はいはい、もう分かりましたって。
これはもはや、反都構想派が共通で使うコピペとなっている、ヒゲヘドロが口癖のように言ってたアレですが、やりたきゃやれば良いじゃないですか。で、私の質問に対する答えは?本来答えるべきことを答えずに「あいつはああ言ってたよ」とか「あそこではああやってたよ」とかをまず答えるのって本当に意味がありません。結局答えられないから言葉を埋めてるだけですよね?
「愛知では都構想みたいな声は上がらない」
「なぜ愛知では都構想のような動きが生まれないのか」
知らんがな!!
あのね、うち犬飼ってまして、トリミングは自分でやるんですよ。あ、自分でって言うのは犬が自分でって意味じゃなくて、私がってことですよ?んで、慣れているとは言え、そこは所詮素人ですから、どこかで毛がガタガタになったりもするんです。でも面倒だからそれで終わりにして散歩に出るわけですよ。そしたらお友達が笑いながら「おや、ビューティーサロンショーライスに行ってきたんですねwww」とか言ってくるんです。アホみたいな顔して。そして私は「はい、あそこはまだ一件もクレームの付いたことのない顧客満足度100%の優良店ですから」と答えるのがお決まりのやり取りになってるわけですよ。
つまりですな、何かしら事物を評価するものは、その事物のことを理解できる知性が必要なわけです。大阪民は橋下徹の登場、そして浅田均や松井一郎が生み出した維新という政党によって、政治についての教育を施されたわけです。
だ・か・ら、今の統治機構っておかしくないかい?って疑問が生まれたわけですよ。
「愛知ではそんな声はない」のなら、愛知県民にアンケート採ってみれば良いでしょう。「政令指定都市ってどういうものか知ってますか?」って。さぞ、よーくご存知なんでしょう。
大阪が衰退したのは政治のせい?
また別の論者。
私が「大阪はこれまで衰退し続けてきた」と主張すると、「なぜこれからも衰退すると決めつけるんですか!」と。
え?え?貴方は一体どの立場から?
私は別に「これからも大阪は衰退し続ける」なんて言ってないんですが……。いや、これからだってとりあえずのところ大丈夫でしょうよ。政令市と言う構造的に持つ二重行政の持病を、バーチャル都構想と言うかりそめの体制がカバーし続ける間は。
この人だったかな?「政令市が悪いんじゃない、政治が悪いんだ」って言ったの。
で、近年の大阪は政治が良くしてきてるんだから、その政治が都構想推進してるってことは、これ以上の説得力がありますかね?って話ですよ。
政治が良くなれば社会が良くなるなんて当たり前の話。その一方で、政治や行政というのはでっかい権力でして、いつどこからでも腐り始めるわけです。大阪ではその腐敗の状態が長年続いていて、大阪そのものが壊死しかかってるところに、維新と都構想と言う発想が生まれてきたわけでしょう。
「政治が良くなれば」って話なら、なぜこれまではダメだったんですか?政治・行政が腐敗しやすい構造を持っていたからですよね?地理的には府という同じ地域内に2つの別個の意思を持つ行政主体があることによって、同じような超高層ビルを10cmの高さを競って建て合うなんてバカバカしい事象が起きたわけですよね?
いや、この、もうちょっと、中身のある回答がほしかったところです。全部屁理屈ですがな。
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