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間違いだらけの少子化対策(後編)

政治・経済
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そもそも少子化って悪いことなの?

本題に入る前に、スペースの議論でそもそもの疑問が出てきたので、触れておきます。

以前にも、当ブログでは「少子化は悪いことではない」という一部の識者の意見を紹介し、それを批判しました。そうです、批判なんです。

と言っても私は「少子化容認派」。なぜなら、出生率は2も要らないと思っているから。出生率が2を切れば、それはすなわち少子化ということです。

問題は2未満だとしても「1.3」と「1.8」ではかなり違うし、特に日本の場合、目下の数字は受け容れてはいけないと思っているのです。

では出生率1.3だと一体どう都合が悪いのか。皆さんご想像がつくでしょうが、この数字だと社会保障が立ち行かないのですよ。いまだに世代間扶養方式(賦課方式)の年金制度をそのままにしている日本において、若者は老人のために働く奴隷でしかありません。出生率1.3は、歪な人口比率を放置し、さらにその間に高齢者の寿命は延び続け、「働けないけど生きている」老人を僅かな若者が世話する地獄の構造がこれからもずっと続くことを意味するわけです。

しかしこの出生率という数字が0.5ポイント上がれば、こりゃかなりバラ色の未来が開けてくることになるんですよ。

 

日本はドイツ型の少子化容認国になれるか?

実を言えば、先進国の中では日本と同様に少子化が進んでる国もあるにはあって、例えばドイツなんかがそうです。ところが大きく違う点がひとつ。それは、日本は全く経済成長していないけどドイツは着実にGDPを増やしている、ということです。言い換えると、ドイツは【1人あたりのGDP】を着実に大きくしているということです。日本はと言えば、1人あたりのGDPは1990年代にピークを迎えてその後一切変化がありません。だから成長しないし、人口が減って行けばその分GDPも小さくなる(マイナス成長)になるということを意味します。

この脈絡で「そもそも経済成長ってしなければいけないの?」という疑問が出てくることがあるのですが、答えは「しなければいけない」です。その理由は、経済の基本から説明する必要があるので、ここでは割愛します。

じゃあですね。「日本だってドイツみたいになれば良いではないか」という意見があって然るべきです。

さらには以前も書いたように、「地球環境を考えれば人口は減っていくことが望ましい。人口が減っても生産性を上げれば良い」という識者もちょいちょいいます。

後者については言語道断。主体を「国家」から「地球」に替えちゃいかんのですよ。

そして本当の考察ポイントは前者の「日本はドイツのようになれるか」なんですが、

日本はドイツにはなれません(個人の見解)。

コロナであれだけ騒がれたのに、いまだにファックスをやめられない病院がある。行政から判子の習慣をやめさせたのが菅義偉という有能な改革派総理大臣だったわけですが、逆に言えばこういう首相が出てこないと判子すらやめることができず、判子つくために電車に揺られて会社を往復するのが「生産」だと思い込んでるゾンビみたいな国民で溢れているのですよ。で、そんな改革派リーダーもマスコミの印象操作ですぐ退陣においやられ、気づけば「検討」と「増税」と言う言葉しか発しないア〇首相が日本のリーダーになっちゃってるわけです。

さらに深刻なのは、2/6発表のJNN世論調査で岸田内閣の支持率35.5%、不支持率62.2%という数字が出たことです。見るべきは不支持率ではありません。まだ3人に1人以上がこの内閣を支持しているという事実です。こんな首相を3人に1人の国民が支持しているような国に改革なんか起こせるわけがないのです。

 

景気対策が先か、少子化対策が先か

「そもそもお金がなくて結婚できなかったり子供が作れなかったりするんだから、先に景気を良くしなきゃならんだろ」

はい、ごもっともですね。

では、やってみてください。

……

………

できそうですか?無理ですよね?

景気を良くするために何をしなければならないでしょうか。とりあえずは、減税と規制緩和ですよね。

岸田政権は?

増税、ですよね?

できそうですか?無理ですよね?

そんな政権を3人に1人が支持してるんだから。

 

ここで大事なポイントは、「景気対策が先か、少子化対策が先か」という議論はズレているというところです。

そうではなく、「少子化対策=景気対策」なのですよ。

 

じゃあ日本の少子化はどうすりゃいいの?

さて、N分N乗の課税方式に話を戻します。

日本でも「やらないよりはやった方が良い」とは思いつつ、それがベストではないと思うのは、「今更世帯収入課税するの?」という点です。他の国よりも文化的に「家」を大事にする日本がこれをやるなら、とっくの昔にやっておかなくてはならないことで、これほど個人というものが重要視され、ベーシックインカムが議論され始めた段になって、その潮流に逆らうようなことを本気でやろうと思うか?って話なんですわ。

それでも、もし実現するなら良いと思うのは、間違いなく出生数増加には寄与するし、妻の「1xx万の壁」もとりあえずこれで解決しそうだからです。

ただ、この制度によって圧倒的に得をするのは、年収1000万~3000万円程度の中高所得者層であって、低所得者にとってはこれといった恩恵がないため、かなりの反発が見込まれます。が、「これは高所得者優遇ではなく、適正化だ」という声があるように、今の日本の1000万円台所得ってちょっと税金払い過ぎなんですよ。少子化対策うんぬんは置いといても、所得税の見直しは必要なのではないかと。

話しを戻します。

私の意見としては、

今更世帯所得課税なんてことはやめて、その家の家計とは分離させ、子供に対しその養育・教育にかかる金の一切を国が面倒見れば良い!

というものです。これだとシンプルな上にインパクトも大きい。

詳しくは過去ログを読んで下さい。

 

…って言ってもどうせ読まないだろうから書きますよ。

 

俺の少子化対策案

現金給付+教育バウチャーで

1人目  500万円
2人目 1000万円
3人目 2000万円

支給しちゃいましょう。お金だけではありません。私の少子化対策は、子育て事業改革案でもあります。

かねてから提案しているように、学校の仕組みそのものも変えてしまいます。

学校は統廃合をして合理化、通学が不便になればスクールバスを用意すれば良い。不動産リソースを合理化した分は「人間」に使います。学力別授業を標準にし、民間の塾講師を教員にしてしまいます。すると、勉強できる子が退屈な昼間を我慢した後、放課後に塾に通う必要がなくなります。学力別授業は意外とコストが安くつきます。例えば、私の地元だと小学校は2クラスしかありませんが、中学校になると5~6クラスはあります。ということは、5~6段階の学力別授業であればコストをかけずに実施できるわけですよ。私はさらにそこに金をかけて10~20人程度の少人数授業も実施すべきだと思っています。

時間にゆとりができれば、遊ぶこともできるし、習い事や部活に精を出すこともできるでしょう。その部活だって子供の数が減って種類によっては絶滅してしまってる部活もあるので、「学校」という単位は廃止。地域でプロの指導員を雇って活動します。そうなるとスポーツ関連産業の振興にもなります。

学費に関しては、大学まで含めて収入関係なしの現在の標準的学費の8割程度の相当する分を【定額補助】、またはバウチャー対象とします。なぜ「8割程度の定額」などとするかと言えば、全額完全無償にしてしまうと、私立学校が好き放題やって腐敗していく可能性があるからです。やっぱり面倒くさいのでバウチャーにしてしまいましょう。バウチャーなら他の消費する先と競争が働くので、学校だって経営努力もするでしょう。

さて、大体このあたりの話をすると「そもそも大学って必要か」って言い出す人が出てきます。もちろんそれはそれで議論すべきことなんですよ。さらに私は「新卒一括採用などやめてしまえ」とかいろいろ言いたいことはあるのですが、それを言い出したらキリがないので、ここでは書きません。

女子社員が出産した場合は【企業に対して】「出産祝い金」を国から支給。300万円くらいで良いでしょうか。

口に出すのもおぞましいですが、「幼保一体化」はとっととやってしまいます。入学の手続きとかの連続性を考えれば、文科省で良いでしょう。新規参入の規制は大幅に緩和。0歳児でも預けやすくしやすくする反面、現金やバウチャー支給で、仕事をやめても安心という状態にしておきます。また一方で、「0歳児1人を預かったら40万円の補助金が保育所に」なんて言う官民癒着の腐った利権はぶっ壊します。そんなことに税金使うなら、それこそその分をバウチャーとして親に支給し、保育所は【正味の経費+利益】で料金設定をし、利用者に選択させれば良いのですよ。

 

とひとしきり書いたところで、実はまだ大きな問題が解決できないことにお気づきでしょうか?

そうです、これだけやっても出産・子育てに伴う女性のキャリア寸断問題、ひいては生涯所得の男女格差問題は、完全に解決できるわけではないのですよ。

ま、いいとこだけ書いて終わりにしないのが私らしさってことで、このことについてはまた後日考察することにしましょう。

ではでは。

 

※この後、「間違いだらけの少子化対策・おまけ」があるかもよ!

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