この記事は、医療関係者や知識人がテレビで言い始める前に書いたもので、そこは誰か私を褒めて頂きたいところです。でも誰も褒めてくれないので、自分で書くしかありません。
この時書いたことの趣旨は、それこそ「正しく恐れろ」というもので、例えば、風邪症状でどうにもしんどいから病院に行って検査してもらったら、
マイコプラズマです。血中酸素濃度80で危険な状態です。今夜がヤマでしょう。
と言われて、
「新型コロナじゃなかったんだ、あー、ひと安心!」
みたいなアホな人が増えることを危惧しての投稿でした。
そんなに検査してほしい!?
そのヒステリーがよく表れているのが「検査難民」という言葉です。
新型コロナウィルスの検査を受けたくても受けられない人達のことだそうですが、そもそもなぜこの人たちはそんなに検査を受けたいのでしょうか?
現状、新型コロナの特効薬というのはまだありません。かつ、新型コロナは若くて健康な人にとっては「ちょっと重い風邪」でしかありません。
検査を受けたいという人は、何かしらの症状が出ているということなのでしょうが、だとして検査の結果によって感染の真否を知ってどうするつもりなのでしょう。検査を受けたがっているということは、何かしらの症状が出てるってことですよね?症状があるのに、「陰性」という結果が出たからといって誰かと積極的に濃厚接触するつもりなんでしょうか。
特効薬がないということは、治療法としては「家で水飲んで温かくして寝る」以外にないのですよ。そしてそれで治ってしまうのです。
心配すべきは持病持ちの人だけで、場合によっては点滴や酸素ボンベなど、医療機関でないと受けられないサポートが必要なので、検査をする意味もあるわけですよ。
「致死率2%」がどれほど怖いのか
新型コロナ肺炎の致死率は、とりあえずのところ2%程度と算出されており、死亡者が出るたびテレビでは物々しい雰囲気を演出しながらそれを伝えています。
「国内で80代女性の患者が……」
80代て!!!
新型コロナについて、メディアでは繰り返し、「持病のある人とお年寄りは特に気をつけて」と警告していますが、年代別致死率を見てみましょう。2月20日付けの毎日新聞から引用します。
と、こんな感じになっております。
ぐっと上がるのが70代、80代はさらにその倍ほどですね。
「持病持ちは危ない」が本当なら、50代の1.3%も持病持ちの人がほとんどなのかもしれません。
さて、問題は、この統計のサンプルに武漢が含まれているかどうか、です。この記事には明示されていませんが、多分武漢のデータも入ってるんですよ。
で、別の記事を見てみるとですね、武漢を除く感染者においては、その致死率は0.2%ほどで、インフルエンザの2倍くらいとの統計もあるんです。
武漢で極端に致死率が上がったのは、新型コロナそのものの仕業よりも、疑いのある人が病院のキャパシティーをはるかに超えて押し寄せたために、本当に対処の必要な人が対処されずに亡くなってしまうケースが多々あったからです。いわゆる医療崩壊というやつです。
この武漢の数字を含めてしまうと、参考にすべき正確なデータは算出されません。
どういう人が新型コロナで死んでしまうのか
仮に致死率0.2%だとしましょう。
私もこれを読んでいるあなたも多分日本人ですから、日本人の人口分布割合に合わせて500人を無作為抽出するとします。なぜ500人かというと、これには一応の意味があって、うちの市内の平均的な小学校の児童数がこれくらいなんですよ。つまり、全校集会があると、このくらいの人数になるというわけで、イメージしやすいかなと。
ま、それを言い出したら、私の世代だと同じ小学校でこの2倍以上いたので、1000人の方が分かりやすいんですけどね。
ともかく500人集めます。
その500人には赤ちゃんから死にかけのお年寄りまでいます。
この500人が1人の漏れもなく新型コロナに感染したとします。
すると1人だけ死んでしまうことになるのですが、その1人は死にかけの老人なのですよ。
2倍の1000人集めるともう1人死ぬことになりますが、多分その人もご老人。
サンプルを増やしていくと持病持ちの中高年に死亡者が出てきます。
と、このように書けばイメージしやすいんじゃないでしょうか。
80歳以上の老人は約8%、そして4人に1人以上が65歳以上という暗黒高齢社会の日本ですから、日本人全体という統計を見たら、おのずと致死率は実質よりかなり高い数値が出てしまうのですよ。
ちょっと乱暴なことを言えば、80代の老人は、「きっかけ待ち」であって、コロナだろうがインフルだろうがただの風邪だろうが、いつ死んでもおかしくないし、その時助かったとしても、どっちみち「間もなく」なんです。
もちろん「だからどうでもいい」なんて言いませんが、不老不死の技術が確立されていない今日、この世代の人達の心配をするのは合理的ではありません。
となると、注力すべきは持病持ちの人とか極端に虚弱な人のケアってことになるんですよ。
それ以外の若い世代は、新型コロナで死んでしまうことなど心配する必要がないということになるんです。
じゃあ新型コロナに対策は要らないの?
ここでの趣旨は、80代のお年寄りが亡くなったことをあたかも大事件かのように、あるいは検査してほしいのに受けられない検査ゾンビ(※)が大発生しているかのように(実際、ある程度はいるんでしょうが)扱うマスコミの悪意です。
数字そのものは客観的ですが、そこにどんな意味合いを見出すかは情報の読み手次第で、読み手のリテラシーが低ければマスコミやインフルエンサーの思いのままに操られてしまうことになります。
言うまでもなく、「新型コロナに対策など要らない」なんてことを言いたいわけではありません。怖い病気であることに間違いはないのですから。
そして単に「怖い」と思うだけでなく、新型コロナの怖さの本質は何かを再認識すべきです。
その新型コロナの怖さの本質とは、病気そのものよりも、「新しい病気」だという点につきます。
つまり、新型コロナがインフルエンザかそれよりちょっと上回る程度の威力だとしても、人類にとっては「新しい病気が一つ増えた」ということで、その分だけ危険が大きくなるわけですよ。
※書いている今ツイッターを確認したら、
古市憲寿さん「新型コロナ検査を受けても特効薬もない。なんでみんな検査を受けたがるんだろう、すごい不思議」 https://t.co/jByY2jaeO6.
? ツイッター速報 (@tsuisoku) February 26, 2020
この古市憲寿氏のツイートに群がってきてますね。すみません、検査ゾンビはやっぱりいましたわ。
インフルエンザにあって新型コロナにない怖さ
インフルにあって今のところ新型コロナにない怖さがあるんですが、これが何かを即答できる人もあまりいないんですよね。
それは、「抗原連続変異」という特性です。
インフルエンザがなぜ毎年流行するのかというと、ウィルス自体が常にマイナーチェンジを繰り返していて、抗体を作りにくくしているからです。だから、ワクチンはその年に合わせてカスタマイズする必要があるし、しかもそのワクチンがヒットするかどうかもある程度の蓋然性でしかないのです。
新型コロナはどうかと言うと、今のところ初期のウィルスから変異は見られないとのことです。これがインフルのように変異を繰り返す病原体になる確率は……専門家ではないので分かりませんが、感染が拡大すればその可能性は間違いなく高くなるでしょう。
今のままならワクチンは1種類開発すれば良いことになりそうですが、もしインフルのように変異を繰り返すようなウィルスになってしまうと、なかなか厄介です。
その意味においても感染拡大は防ぐべきだし、今完全に防ぎきれば「根絶」も可能なのではないでしょうか。
この辺は素人が書いているので、そのつもりで。どなたか専門知識のある方がいらっしゃったらメールやコメントで補足頂ければ幸いです。
んで、新型コロナの具体策は?
検査をほしがらないこと。
繰り返しますが、検査をしても大きな意味はありません。
風邪っぽい何かしらの症状が出てるなら、ほとんどは感染性の病気で、コロナであろうがインフルであろうがそれ以外であろうが、可能な限り他の人との接触は避けるべきです。
そして特効薬はありませんから、具合が悪ければ家で寝ておきましょう。そもそも今現在の検査もかなりアバウトで、陽性と出れば間違いなく陽性だけど、陰性と出ても感染していないとは言い切れないとのこと。ますます意味がありませんね。
この後、改めて手洗い、うがい、そして手袋について書くつもりだったんですが、長い!別の記事として投稿することにします。
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