【犬のしつけ】甘噛みはやめさせてはいけない。
甘噛みは問題なのか?
そして、当ブログではかねてより「それは間違いである」と指摘しております。さて、当該サイトなんですが、ここでも書き方が曖昧で、よく分かりません。犬の初心者がこれを読んだら、
「とりあえず甘噛みは許しちゃダメなんだな」と解釈するのではないでしょうか。「甘噛みは痛みを学習するのにとても大切な行動です」とこのページにも書いてありますよね。でも、「人の手は絶対に噛んではいけないと教える必要があります」え?だったらどこなら噛ませてもいいんでしょうか?肝心のそのやり方を書いてないんですよ。
ということで、私が答えを書いてしまいます(というか、過去の記事のほぼリライトになりますが)。
どんどん手を噛ませてください
子犬を2匹自由にさせれば甘噛みの応酬をして遊びます。
これはケンカではなく遊びであり、遊びでありながら運動の訓練であり、運動の訓練であると同時にコミュニケーションの訓練でもあります。要するに、これだけで体の動かし方と、人間で言えば言葉を学ぶの同じコミュニケーションを学ぶ、極めて大事な社会化訓練なのであって、人間が直接手を施す「しつけ」とは比較にならないほど重要な行動なのです。
噛まれたら噛み返し、噛み返したら今度はわざと隙を見せてまた噛ませる、というこの応酬を、私は「プロレス」と呼んでいるのですが、ちょうどよいプロレス相手がいない場合は、人間がやってやるしかありません。
その際、「甘噛みさせてはダメ」などと言っていては、この重要な訓練が成り立たないのです。
「やめさせたい時にやめさせる」
子犬が甘噛みを始めたら、こちらも乗ってあげましょう。子犬の歯は尖ってて痛いものですが、それは愛の代償、ぐっと我慢して噛ませてあげましょう。そして、噛ませたら次はこちらが噛む番です。といっても、口で噛むのは少々難しいので、手で噛みつきます。犬が仰向けになるよう持っていきましょう。ひとしきり噛んだら、また犬に噛ませます。これを繰り返します。そして最後は、必ず飼い主側が仰向けにして「はい、終わり」とゴングを鳴らします。
この終わりの合図が非常に大事で、「こちらの都合でやめさせる」ことができなければいけません。また、こちらが「痛い」と言ってもやめさせられるようになりましょう。さらに高度になると、表情一つでピタっとやめさせることもできるようになります。プロレスは、相手の感情を読むための、非常に重要な訓練なのです。
体をどう触られても嫌がらない犬にする
このプロレスにおいて、甘噛みはひとつの「技」に過ぎません。大事なことは、自分も地べたに這いつくばって、犬になりきって相手をしてやることであり、犬に「相手に身を預ける」ことを教えてやることです。こっちが仰向けになって、噛ませたり舐めさせたりと好き放題させたら、今度はこっちが好き放題にやる。仰向けにしてお腹に顔をうずめたり、顔をクシャクシャにしたり、そういう行動を抵抗せず受け入れさせることが目的なのです。
犬は、本能的に嫌がることがいくつかあります。
仰向けにされる、マズルを持たれる、肉球・爪を触られる、など。
これらも、このプロレスさえしておけば一切嫌がることがなくなります。正確に言えば、嫌がるのですが、「これは理由があってされていること」として我慢できる犬になります。当然、トリミングや爪切り、ケガの処置などで困ることもなくなります。
以下、チェックしてみてください。
・口(マズル)を握らせない
・指を触らせない
・爪を切らせない
・仰向けに抱っこできない
・食事を邪魔されると怒る
これらの問題行動が、「甘噛をやめさせることによって改善する」かと言えば、「否」なのです。
飼い主が自分に接触してくる時、それには何らかの理由があるし、されるがままでいても全く損はない。これをとことん教えるための基本が「プロレス」には詰まっているのです。
甘噛みをする時期?そんな時期はない!
甘噛みをして困るのは相手が嫌がる時だけ。だとするなら、相手が嫌がりさえしなければドンドンやらせて良いのです。うちの犬は7歳になってもこのプロレスをやりますが、ちゃんと相手は選びます。人間がおっさんになっても草野球やゴルフに興じるのと同様、犬にとってこれは重要な娯楽であり、コミュニケーションの手段なのです。
また、大人になってもプロレスをやっている犬は、散歩デビューして間もない子犬の相手も得意です。子犬が甘噛みをしてきても、ほどほどに相手をしてやり、相手がやりすぎた場合は適切な「威嚇」をして見せます。
まとめ
甘噛みはやめさせないで下さい。
ただし、されるがままではなく、先述のように、飼い主が主導するようなやり方に持っていって下さい。これをやることによって、EQ(感情調整能力)の高い、しつけのしやすい犬になるのであり、これをやらないから食事を邪魔されたからと言って唸るようなバカ犬が出来上がってしまうのです。
くれぐれもそこらへんのテキトーな「教科書」に騙されないように。
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