『サピエンス全史』ってどんな本?
世界的ベストセラー『サピエンス全史』を読み始めたのは随分前で、読み終わったのは結構最近だったりします。
感想を書きたかったんですが、とにかくこの本は扱うテーマがあまりに広(デカ)くて、「どこから語って良いやら」なんですよ。それに全部読み切ってないし、どうせなら読了してからにしようと。
と言っても、主要部分はほとんど読んでいて、最終章だけを残していたんです。その理由は、最後はどうせろくなことが書いてないだろうと予想していて、実際読んでみたら予想通りだったから。
あ~…枕なのでサラっと書くつもりだったんですが、今気が変わってきちゃったんでちょっとだけ『サピエンス全史』に触れておきます。
『サピエンス全史』とはオリジナルのヘブライ語版が出版されたのが2011年、日本語訳版が出版されたのが2016年のベストセラー書籍です。内容は一言で言えば「超マクロ人類史」とでもなるでしょうか。とにかく内容の範囲がめちゃくちゃ広く、かつ深いので、一言で説明するのは難しいのですが、とりあえず目次見てください。
第1部 認知革命
【1】唯一生き延びた人類種
【2】虚構が協力を可能にした
【3】狩猟採集民の豊かな暮らし
【4】史上最も危険な種
第2部 農業革命
【5】農耕がもたらした繁栄と悲劇
【6】神話による社会の拡大
【7】書記体系の発明
【8】想像上のヒエラルキーと差別
第3部 人類の統一
【9】統一へ向かう世界
【10】最強の征服者、貨幣
【11】グローバル化を進める帝国のビジョン
【12】宗教という超人間的秩序
【13】歴史の必然と謎めいた選択
第4部 科学革命
【14】無知の発見と近代科学の成立
【15】科学と帝国の融合
【16】拡大するパイという資本主義のマジック
【17】産業の推進力
【18】国家と市場経済がもたらした世界平和
【19】文明は人間を幸福にしたのか
【20】超ホモ・サピエンスの時代へ
あとがき 神になった動物
※ https://honto.jp/netstore/pd-contents_0627979055.htmlより。
「動物的特性としては弱者だったホモサピエンスがどうやって地球の覇者になったのか」
「人間は噂話をするために言葉を使い始めた」
「貨幣、宗教などみんなで共通の虚構を信じる能力が今の人類を作りあげた」
なんてことが書かれています。
あまり本を読まない私が評価しても説得力がありませんが、21世紀を代表する名著だと思います。
特に私にとってこの本が名著たり得るのは、集団としての人間がどう振る舞うのかという問題は、子供の頃からの関心事だからです。サピエンス全史にはそれが物凄い高い位置からの俯瞰で人類を分析しています。「ビジネス書」とも言われますが、政治や心理学に興味のある人には是非読んで頂きたい1冊(上下巻で2冊か)です。
そんな名著なんですが、読み始めたのはかなり前なのに、読了したのは結構最近でした。最終章を覗いて読み終えたところで、残りはどうせろくなことが書いてないだろうと思っていたからです。読み終えるとまさにその通り、読むと暗鬱な未来しか想像できなくなるようなことしか書いていないのです。
その最終章を読み終えたのも結構前なので詳細は憶えていないのですが、これから書くことは関連することです。
関連書籍
と、本題に行く前に別の関連書籍を一つ。
『サピエンス全史』と趣旨が似通った本に、1995年に出版されたオタキングこと岡田斗司夫の『ぼくたちの洗脳社会』と言うのがあります。情報化社会によって我々の価値観はどう変容していくか、どのような社会になっていくかを予見したもので、まあ見事です。簡単に言えば、「いいね!」が人の価値を決める評価経済の時代が来るということを主張するもので、これをまだインターネットが普及し始める前に書いていたのですから大したものです。
PDFとして無料公開されています。さらっと読めてしまうので是非どうぞ。
Amazonプライム会員なら、『評価経済社会』と改題された電子書籍バージョンがこちらも無料で読めます。
『ぼくたちの洗脳社会』もさらに、アルビン・トフラー『第三の波』を参考にしており、こちらはこちらで1980年の時点で情報化によって産業構造ががらりと変わるということを予見している凄い本……らしいのですが、こちらは私も読んでいません。
これからの人類に立ちはだかる2つのフロー問題
はい、じゃあ本題。
若い世代は今後、人類が初めて直面する2つの大きな「フロー問題」にぶち当たることになります。
若い世代とは、30代以下くらいになるでしょうかね。
そしてその2つの大きなフロー問題とは、
1.不労
2.不老
です。
「不労」とは「働かない」こと。技術の進歩を遂げたAIとロボットが労働と言う役割を人間に取っ手替わる時代が来るということです。
「不老」とは「齢を取らない」ひいては「死なない」ことを指します。
この2つの事象が本当に起こり得るとして、それをどう思うかについては大きく2パターンに分けることができますね。
「働かなくて良いし、齢も取らない。楽園ではないか!」
「本当の地獄がやってくる…」
さて、貴方はどちらでしょうか。
当ブログでは後者として扱っています。
一旦区切ります。
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