まだ4人に1人はキラキラしたい
キラキラネーム、賛成は23.8%、反対派76.2%、らしいです。(女性セブン)
キラキラネームがさんざん叩かれたせいかどうかは分かりませんが、私の周りでは、最近急速に名前の付け方が保守化しているように思えます。しかし、直近の名付けランキングや、今回のアンケート調査を見てみたら、世の中はまだまだキラキラしているようです。
つまり、良識ある親がより保守的な名前を付ける傾向があるにせよ、キラキラ派は依然として相当割合で存在するということのようです。
大人には文化を保守していく義務がある
これは名付けに限ったことではありませんが、言葉は生き物であり、時代で使われ方が変わりゆくものです。それでもベースと言うのはある訳で、そのベースから逸脱するものは知性によって淘汰されるべきものです。
名前に新しい読み方をさせるというのは、特に戦国武将なんかがよくやったそうですが、武士は全人口のほんの数%、さらに名付けとなるとその藩の祐筆やら参謀みたいなインテリ担当がアドバイスしていたでしょうから、それなりの由来はあるわけで、今のように学のない庶民が勝手に付けるのとはだいぶん事情が違うでしょう。
ましてや、小学校も文部科学省もない当時と、現代とでは比べるべくもありませんが。
キラキラネームは言葉の乱れとともに
さて、たまに、「言葉は生き物」を錦の御旗にしてあらゆる若者言葉や誤用を認めてしまう《寛容な》大人を見かけますが、とんでもないことです。違う物は違うと篩いにかけるのが大人の役目であり、法則や定義を無視した使い方を認めてしまうのは、「言葉のキメラ」を生んでしまうことになります。
最近では「課金」「性癖」「フレンチキス」「引き戸」などが誤用の代表格で、かつそれを誤用とも知らない人が大多数になっちゃってますが、それでも「いいじゃないか、言葉は生き物なんだから!」と言う気でしょうか?
残念ながら言葉は多くの人間が慣用することによって、多数決的に定義されることになります。つまり、我々が誤用をしていたら、それを辞書に載せざるを得なくなるわけです。
つい先日も、TBSの安住アナウンサーが「なにげに」などという言葉を使っていましたが、日本語にこんな言葉はありません。「なにげなく」という意味で使っているなら全く逆の表現を使っていることになります。
高感度殿堂入りの日本を代表する局アナにして40代ベテランの「言葉のプロ」がこれなんですから、日本の言語文化は大きな危機に瀕していると言えるでしょう。
当然大人がそんな言葉遣いをしていれば子供もマネします。「なにげに」という言葉を使い始めたら「なにげなく」は絶滅に向かい、由来や理屈が全く分からないおかしな言葉だけが残ってしまいます。
これを私は、「日本語の破壊活動」とか「言語文化テロ」などと呼んでいます。
以上のような一般の言葉同様、いわゆるキラキラネームも、ただキラキラしているだけならまだしも、全く読めない読み方を強いているという点で、「破壊活動」になるわけです。
コメント