丸川五輪相“1回目接種で免疫を”発言に「人命軽視」と批判殺到
さてさて、いまだコロナ禍に吹き荒れる非科学の嵐。
出典が『女性自身』とは言え、「一次的な免疫」を「一時的な免疫」に書き換えちゃってるのは出版社としては完全に失格ですね。
丸川大臣の仰るように、元々はワクチン接種なんて前提はなかったわけですよ。ところがコロナワクチンが開発されて、中途半端に供給量が確保されたものだから、こういう問題が派生したというのは皮肉な話で。ま、構図としては騒ぎたいマスコミは何でもネタにするってことなんですけどね。
丸川さんが言ってるのは「とりあえず1回接種すりゃいいじゃん」ということ。
それに対し、『女性自身』は、「ネット上では批判が殺到している」として、
《何非科学的なこと言ってるんだ。ボランティアも人間だぞ。人命軽視》
《1回で本当に一時的免疫が? リスク大な中ボランティアに参加しようとしている方々の命さえ軽視してるとしか思えない。本当にもう中止してください》
《専門家に聞けば、1回接種では一時的免疫とやらにも期待できないことを直ぐ教えてもらえる。周囲に人がいないんだな。》
(※批評目的としてここだけすべて引用させて頂きました)
という(誰が書いたかもわからない)ネットの意見を取り上げています。
さて、「非科学的」って、丸川氏の発言のどの部分について言っているのでしょうか。
「一回接種では一時的免疫もできない」“一時的”は置いとくとしても、これ、一体具体的に何のことを言ってるんでしょうか。
これは、みんな大好きノーベル賞科学者の山中伸弥教授が特設しているらしいコロナ情報サイトです。引用します。
ファイザー社製のワクチンは2回接種が前提で承認されています。しかし、1回接種のみでも発症や感染を70~80%以上抑制するという報告がイギリス、イスラエル、アメリカから相次いでいます。
はい、皆さん、日本語は読めますか?読めるなら理解できますね?
「70~80%は大丈夫でも残りの20~30%はどうなる!死んでも良いのか!」
絶対こんなバカが出てきます。
ちゃんと読んでくださいね。ファイザーのワクチンを1回接種すれば、7~8割の人は「発症すらしない」のです。残りの2~3割の人には「効かない」のではないのです。
わかりますか?
そもそもインフルエンザのワクチンなんて、「感染を予防する効果はない」と言われていました(実際はある程度予防するらしいですが)。それでもワクチンを接種する理由は、「症状を小さく抑える」ためです。
死亡したり重症化したりってことを防げるのなら、それはワクチンの役割を果たしているということなんですよ。
そしてこのファイザー製ワクチンは、1回接種でもめっちゃ効くということなんですよ。
で、これが命の軽視?
はぁ?
オリンピックのボランティアをやろうなんて人のほとんどは若くて健康なはず。さらにそんな人がワクチンを射つんですよ?
命の軽視?
はぁ?
言うまでもありませんが、コロナにおいてリスクの高い人はボランティアなどするべきではありませんね。
この記事中にも例の「ワクチン接種をしたにも関わらずコロナに感染したウガンダ選手」の話が引かれてますが、「ワクチン接種をしても感染する」というのは普通にあります。
「ワクチン接種を受けていたにも関わらず」というのは、その前提に「感染を防ぐのがワクチンの役割」という予測があると思われますが、私の知る限り、「感染予防率」という数字は発表されていません。ワクチンの「有効率」は、感染ではなく【発症】を予防する割合のことです。
低俗な週刊誌とはいえ、「感染」と「発症」の区別もつかないレベルの情報を国民は有難がって読んでいるわけですよ。
……ってこれ、話の枕のつもりで見出しもつけてなかったんですが、すでに1500文字。長くなると読んでもらえないので、ここで投稿しておきます。
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