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今の国政維新、橋下徹ならどうする?

政治・経済

からの続き。

 

では改めまして、今の国政維新(日本維新の会)に足りないものと、維新代表に求められるものを考えてみます。ここでは一般論としての政党や政党代表については語りません。なぜなら、維新という政党は極めて特殊な政治組織だからです。

 

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橋下徹がやったことは、「悪いミームの除去」

まず、維新が大阪で成功し、改革を実現できたのはなぜか?を考えます。

第一に、大阪府市の政治は、もう余命宣告されたも同然の大きな持病を抱えていました。それを国民は当然のこと、大阪の住民すら意識できていなかったか、見て見ぬふりをしていました。しかしながら、長らく続く平成不況が「失われた10年」から「失われた20年」になろうとする折、さすがにマスメディアもこれではいかん!と思ったのか、あるいは単にネタとして価値があると判断したからなのかは分かりませんが、しきりと「行政の無駄」を報道するようになりました。その中心地こそ、まさに大阪だったわけです。

そんな時に彗星のごとく現れた救世主こそが、茶髪の弁護士こと橋下徹でした。本人は最初嫌がっていたのですが、やしきたかじんを中心とした大阪を憂える……あー、長くなるので中略。とにもかくにも、あの橋下徹が大阪府知事になったわけです。

私は府知事立候補した瞬間から彼の支持者になりました(私は府民ではありませんが)。というのも、テレビのタレントが政治家になる例は多々あれど、年収6億円とも言われた絶頂期に、それも大阪という非常に難しい地方自治体の長になろうと言うのですから、この時点で無条件支持ですよ。

その橋下徹は私の予想通り、命を狙われる覚悟で改革を断行しました。この改革をもっと分かりやすく言えば、「大阪を支配していた悪いミームの除去」となるでしょう。「ミーム」ってよく聞くけど、皆さん意味はあまりよく分かってないですよね?私なりに説明すると、「主体も実体も持たないけど個体・世代を超えてコピーされ、受け継がれる文化的価値観」みたいなものです。あ、それでもよく分からない?じゃあ実例挙げた方が良いですね。

●公務員も議員も多ければ多いほど良い!
●温水プールは多ければ多いほど良い!
●大阪府と大阪市が仲良くなんてあり得ない!
●補助金がほしいという団体にはあげれば良い!
●地方自治体が借金したって個人の借金にはならないんだから気にしなくて良い!

と言った具合に、たとえ人が入れ替わっても受け継がれていく不思議な価値観こそが「ミーム」であり、当然この場合は悪い意味で使っています。官僚一人ひとりは真面目でも、省庁という組織になるとまた別の人格が現れるのも、ひとつのミーム現象なのかもしれません。

特に、府と市が競うことの合理性って何もないんですが、政治家よりは役人の影響なんでしょうね。

 

政治家の仕事は当選してから始まる

さて、日本は民主主義国家。民主主義制度下において本気で政治をやろうと思うと、なんでか分かりませんが、有権者とか言う人達の理解や共感を得る必要があります。いくら大阪が悪性のミームに蝕まれていると分かっていても、その認識を大阪府民も共有しなければ手が施せないのです。どう考えても具合が悪くなってきてるのに、「わしは医者なんぞ行かん!自分の体は自分が一番ようわかってる」と通院を拒むジジイのごとし。

橋下さんは選挙前はもちろんのこと、府知事当選後も魔物に取り憑かれたような勢いでパフォーマンスを続けました。それは、当選に民意が必要なのはもちろんのこと、いざ当選して改革を遂行するためには、後ろ盾としての民意の熱を冷ましてはならなかったからです。そしてその後ろ盾があったからこそ、某京大土木の経済評論家にヘドロ呼ばわりされようが、おでこの狭い落語家に「橋下は芸術を解さない」と罵られようが、後にサヨク活動家になる女子高生に泣かれようが、毎日のように自宅に殺害予告が届こうが、改革を断行できたのです。

この大阪改革の後になって、「こういう知事を待ってたんや!」とか「我々の努力で改革が実った」みたいなことを言う維新支持者(あるいは維新とは関係なくても橋下さんに好意的な大阪民)がいましたが、私は鼻で笑ってました。

大阪民が待っていたところに橋下さんが現れたのではありません。「たこ焼き美味いからええやん」「阪神タイガースがあるからええやん」と政治について何も考えず、昨日まであった大阪が明日以降も存在し続けると思い込んでいた愚鈍な大阪民のバカ面を橋下さんがビンタして回り、「お前らが必死で働いて払った税金が何に使われてるんか知ってんのかボケーっ!」と教えてくれたのですよ。

※もちろんこれは極端な表現を使ってるだけで、気づいてる人は一部にいたことは分かっています。

私は以前、ツイッターだったかブログだったか忘れましたが、橋下さん引退後に「維新の党勢拡大は、国民を啓蒙しながらでないと実現できないので大変だ」というようなことを書いたことがあります。これはまさしく、橋下さんが大阪でやり遂げたことを、今度は橋下徹というモンスター抜きで全国に展開していく大変さを述べたものでした。

現在、維新という船に橋下徹というモンスターエンジンは積まれていませんが、橋下さんが与えた推進力は生きており、その後の維新メンバーが息を合わせて各々がオールを漕ぐことで進み続けます。しかしながら、その呼吸が崩れた途端、船はあらぬ方向へ進み始めて座礁するかもしれません。

 

国政維新の問題点

…とまあ、ここまではボンヤリとした印象論ですが、今維新が抱えてる問題点をもう少し解像度を上げて言語化してみましょう。

(1)政策論
(2)広報・発信力
(3)リーダー

 

私も含めて、維新の課題は広報・発信力だという声がよく上がります。えーと、これは私に限って言えば、その時に政局になっているような問題について積極的に発信せよということであって、大きな視野においては、「その前に何を発信するの!?」って問題があるのですよ。つまり、基本政策です。これがすなわち(1)であり、特に選挙の時に注目されることになります。

さて、日本維新の会の基本政策って何ですか?

「“維新八策”に書いてある」と答えられればまだ良い方で、維新八策そのものを忘れている支持者だって多いはず。さらに「維新八策」と答えられた人のうち、ではその八策の内容を言えるかというと、全て答えられるのはマニアでしょう。

別に私は維新八策に拘っているわけではありません。ただ、基本政策ってあるよね!?という再認識は必要でしょうということです。その基本政策のうち、選挙のタイミングによって重点は少しずつ変わりはするでしょうから、その時に合わせて「維新は常々こういう提案をしています」と表現にカスタマイズを加えれば良いだけでしょう。

あくまで国政の話なので細かい話は後回しにします。

 

日本の抱える問題に維新のポリシーを当てはめる

国会議員を選ぶということは、その人に日本の舵取り(の一旦)を任せるということです。となると、先日の東京15区補選でどっかの立候補者が言ってた「地域のお祭りがどーだ」なんて話はどーーーでも良いことであって、今日本が抱えている問題について語らなければいけません。

では日本の課題って何でしょうか。

●少子化
●経済
●高齢者福祉
●政治とカネ
●国防(憲法)

ざっとこんな感じのものが私の頭に浮かびました。

特に今であれば「政治とカネ」に関して言えば、(しかるべき政治家であれば)維新は相当有利に話を進められるはずです。なんせ、殺される覚悟で一切のしがらみを剝がし落とし、行政の合理化を実現したのですから。
「国会議員ってこんなに必要ですか?こんなに給料要りますか?なぜ国民負担が増え続けるのに、政治家は使途も分からない巨額のカネを貯め込めるのか考えてください。維新は自身の給料をカットし、自身の立脚地点である議員定数を自ら減らしてきた政党です」
こうアピールすれば良いのではないでしょうか。

そして何より少子化対策です。今の教育無償化の大きなムーブメントを作ったのは紛れもなく維新です。それも、何も無理をするわけでもなく、過去の政権の赤字を返済し終わってできた余剰収益で実現したのですから、非の打ちどころがありません。
「本気で少子化対策をやろうと思ったら、保険料から掠め取るなんて卑怯なマネなどする必要はありません。大阪府という財源に上限がある地方自治体でできたことがなぜ国政でできないのですか?それは自公政権だからです」
こうアピールすれば良いのではないでしょうか。

また、以上の課題はすべて繋がっているので、シームレスな話ができます。例えば、国防は憲法の話を除けばとどのつまり財源の問題であり、高齢者福祉と要素がかぶります。高齢者福祉は財源だけでなく人口のいびつな偏りも大きな要素です。であれば、本気で少子化対策をやれば、その瞬間から景気は上向き、20年後には生産者人口も増えていきます。

それが分かっているのになぜ政治家はやらないか?それは政治家が日本のためでなく、カネ(利権)のために活動しているからです。

(実はこの後ダラダラ書いていたのですが、大幅カットしております…)

 

日本人「主権ってなーに?」

度々指摘しておりますが、日本の一般国民に足りないのは「主権者意識」です。多くの諸外国において、その歴史はすなわち他国との戦争の歴史であり、奪い・奪われ・守り・侵されを繰り返すのが国家というものです。

その点において、ギネスに「世界最古の国」として登場する日本はと言うと、極端に平和だったのです。「内戦」こそいろいろありましたが、他国に侵されるということがほとんどありません。※まあ、最後の戦争ではえらい目に遭いましたが。

日本と言う国は大昔から今まで存在して自分達で作ったものではないし、もちろん他国から奪ったものでもありません。「民主主義」だって人口上位数%の支配者階級たる武士たちの中だけで完結した明治維新という改革の結果であって、一般庶民にとっちゃいつの間にか選挙権というものが与えられていたという感覚です。

つまり、日本人ほど国があることや民主主義の有難みを知らない民族もなかなかいないのですよ。

さらに、「権威に弱く」「強烈な同調圧力が支配する」民族なので、国民一人ひとりに主体性がない代わりに権力やマスメディアが異常に強いのです。さらに現状維持バイアスが加わって、
「ま、政治に不満はあるけど生活はできてるしネー」
「平和だし治安も良いし、明日死ぬって訳じゃないからネー」
と、実はまだ経験したことのない経済的凋落ととんでもない少子化のさ中にいてまだこんなことをほざいてるのがバカ日本人なのですよ。

 

本当の政治家は現実的危機を国民に伝える

では本気で政治をやりたい人が何を国民に訴えるべきか?

「自分の10年後、20年後、30年後を想像してみてください」

ということに尽きると思います。

今の円安は一時的な為替レートの問題ではなく、日本の経済力低下による「絶対的円安」になりつつあるかもしれない。さらに今の出生率を加えて勘案すると、自分の介護をしてくれる人は外国人ならまだよくて、そもそもどの国の人も来てくれず、金があっても人がいなくて野垂れ死ぬしかない介護難民が出てきますよ、と。

憲法改正なんて今しなくても……とずっと先送りにしてきた結果、例えば3年後に台湾有事が発生したらどうします?主導権を持たない日本はアメリカの言うことを聞くしかないし、さらにそのアメリカが知らんぷりした時にどうしようもありませんよ?やるやる詐欺で改憲しようとしない自民に任せて良いですか?あるいはそもそも反米・護憲・反経済成長の立憲民主党なら何とかしてくれると思ってますか?

趣味を充実させたい?何の趣味をやるにも金がありませんよ?10年後、「ちょっと無理する」くらいのレベルで日本人が最新のiPhoneを持つなんてできなくなってる可能性は非常に高いですよ?

 

とまあ、こうやって絵に描いたような茹でガエルになりつつある日本人に、教育する必要があるわけです。

 

とダラダラ書いてるうちにまた5000文字に到達したので、またしてもここで中断。「連載」になりそうな勢いですが、とりあえず今日のまとめ。

維新の創造神のひとり、橋下徹は住民を啓蒙しながら地方行政の改革を進めた。今の日本維新の会はその規模を「国」に広げてやらなければいけないのでは?そのためには……しかるべき代表の選出と国政維新と大阪維新の壁を取っ払うことが必要なんじゃねーの!?

…ってな話を次回に。次こそ完結!(予定)

 

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