別ブログで1年半ほど前に書いた記事の焼き直しです。
今うちが検討しているので、覚書として。
「食器洗い機」(食洗機)と聞くと、いまだに「贅沢」「主婦の手抜き」というイメージを持っている方も少なくないと思います。
家事が楽になるというのは確かですが、決して「贅沢」ではありません。食洗機には使うべき理由があります。
そもそも皿洗いは地球に厳しい
皿洗いというのは、水(お湯)を出しっぱなしにしてすすぎます。当たり前ですね。人によっては、すすぎだけでなく、「洗い」の時も出しっぱなしでしょう。
これがとんでもなくムダであり、地球に厳しいんです。
例えば1枚の皿をすすぐ場合、最初の方の水は泡をたっぷりと連れて排水溝へ流れていきます。それが段々キレイになっていきます。
泡が見えなくなったからといってすすぎは終わりではありませんよね。
洗剤成分を完全に除去するためには、そこからまだすすぐ必要があります。
そうなると、排水口に流れていく水は、ほとんど蛇口から出てきたものと変わらないキレイな状態となります。
それではあまりに勿体無いからと、食器を縦に重ねてそこに水がかかるようにしたりしますよね。しかしそのような努力も効果は知れたもの。
しかも、皿洗いに使われる水はたいていの場合お湯、つまり十分に温められた水です。
食器に触れた瞬間常温に戻って排水されるなら良いんですが、物理的にそんなことは起こり得ません。まだ熱量を十分に残した状態で排水され、下水路を温めるだけの無駄な熱となります。
食洗機はそういうムダをなくしてくれます……という点を中心に、食洗機を買うべき理由を挙げていきます。
食洗機を使うメリット
強力な洗剤が使える
通常の食器用洗剤は中性に調整されています。
これは人間の「生の手」が触れることを前提に、手荒れを起こさないようにしてあるわけです。そうなると当然、洗浄力も落ちます。
食洗機は機械ですから、機械や食器を傷めない範囲で強力な洗剤(弱アルカリ性、除菌漂白成分)を使うことができます。
泡の立たない洗剤が使える
石鹸や洗剤に泡は付き物ですが、「泡が汚れを落とす」のではなく、「洗剤成分が残っている」という印でしかありません。水の浸透力をパワーアップさせるという作用に付随する副作用として泡が立つわけで、その泡が洗剤成分の残留を示す指標であったり、洗ったという充実感を演出する効果を生んだりしているわけですが、すすぎに関して言えば、泡のぬめりや弾力は邪魔者でしかありません。
食洗機用の洗剤、あるいは最近の衣類洗濯用洗剤は、消泡剤という成分が含まれており、ほとんど泡立たないようになっています。よってすすぎが大変効率よく行われ、結果的に水と温度の大幅な節約になります。
機械で洗う場合、泡は何の役にも立たないどころか、機械の隅に洗剤成分を残留させることにより、カビの原因になったり、各種センサーの正常動作を妨げて故障の原因になったります。
高温の温水が使える
手洗いの場合もお湯は使いますが、その水温はせいぜい40℃そこそこ。ところが食洗機では、人間が手で触れない50~60℃の高温温水を使うことができます。
ご存知のように、水は温度が高いほど分子を活発に動かす力も強くなり、洗浄力も高くなります。食材の脂肪分もぐんと溶け落ちやすくなります。さらに洗剤に含まれる酵素の力を引き出すことができ、これまた洗浄力アップに繋がります。
水と熱のリサイクル効率が極めて高い
食器の手洗いにおいては、すすぎに使った水は即そのまま排水口へ直行することになります。洗濯で言えば「注水すすぎ」、保険で言えば「掛け捨て」です。
食洗機では、密閉空間の中で、泡が立たない洗剤を使うことで、ギリギリまで水をリサイクルし、注水すすぎは最後の仕上げでしか使いません。(あ、これは多分そうなってるだろうという話で、細かい設計や手順は知らないんですが)
大幅な水道光熱費の節約
以上を総合すると、食洗機は「少ない資源で高い洗浄力をもたらす、地球にも家計にも優しい家電」ということができそうです。
「地球にやさしい」と謳いながらも、その効果は怪しい太陽光発電や電気自動車みたいな商品もありますが、食洗機の場合はその確度がかなり高いと言えるでしょう。
具体的には、最新機種だと使用水量で90%もの節約ができるとのこと。当然、温水を作る熱エネルギーもその量に比例しますので、手洗いより高温の温水を使ったとしても光熱費もかなり安くつくことになります。
その節約量は金額に換算すると、4人家族相当で2万円程度になるらしいので、食器洗いにかける手間と時間まで含めると、あっという間に元が取れてしまうわけですよ。
卓上型かビルトインか
さてさて、うちではそんな素晴らしい食洗器の購入を検討していると冒頭で書きましたが、実はもうあるんです。家のリフォームの際に取り付けたビルトインタイプのもので、数年間は使っておりました。
それがいつの頃からか使わなくなって、内側の仕切りを取り外して物入れとなっております。
使わなくなったのは、結婚して妻が台所を仕切るようになって、嫌がったからです。大モノ洗えないし、軽い予洗いが必要なら最後まで洗ってしまった方が早い、と言ったところでしょうか。汚れが落ちてないこともあった、ということもあると思います。
しかしながら最新機種の性能、最新洗剤の品質、それによる年間2万円以上の水道光熱費の節約効果などを鑑みて、もう一度使ってみよう、と。
今付いている機種は15年も前のもので、ちょっと信頼性に欠けます。取り外した部品も保管しているかどうか怪しいもの。
ということで機種リプレースということになります。
で、買うとなったら考えなければいけないのが、「卓上型」か「ビルトイン型」かの選択ということになるわけですが、うちの場合当然ビルトインということになるでしょう。
では、入れ替えではなく、新規で購入する人はどういう基準で選べば良いのでしょうか。
卓上タイプと比較してのビルトインタイプの特徴をざっとまとめると以下の通り。
■ ビルトインタイプのデメリット
・高い(同じ性能なら+2~3万あるいはもっと?)
・食器の出し入れがややしにくい
■ ビルトインタイプのメリット
・食洗機本体もコンセントもホースも一切見えず、スッキリしている
・省スペース(台所スペースを侵さない)
・低騒音
特に省スペースについては、かなりのメリットと言えるでしょう。もっとも、省スペースと言ってもその分収納スペースを圧迫するので、単に不動産コストという点ではさほどの差はありませんが、見える部分を圧迫しないというのは大きな差ですね。
おそらくうちでも買うとしたら卓上と言う選択肢はないと思います。
しかしながら、ビルトインは普通の量販店では取り扱っていないため、あまり気軽に買えなかったりするんですよね。
<追記>結局買ったのは卓上機でした
「卓上という選択肢はない」と言いながら、購入したのは卓上機でした。
理由は、
ビルトインタイプが予想以上に高かった
卓上の方が食器のセットと取り出しが楽
卓上の方がメンテナンスが楽
という点です。
ざっくり結論を言ってしまうと、この3点の差はかなり分厚い壁で、何かしら相当強いこだわりがない限り、ビルトインタイプはお勧めできません。豪邸で台所も広く、すごくでかいビルトインが設置できる、とかですね。
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