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消費増税が絶対悪である理由

国会議事堂 政治・経済

※2019年6月に投稿した記事です。

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消費税って何?

消費税という税金がどういうものかって言いますと、物やサービスを購入すると、その購入金額に比例して税額が決定する税金のことです。

何を分かり切ったことを!

と思われるかもしれませんが、ではこれが何を意味するのかはお分かりでしょうか。

例えばですね、ある大きな企業がある年に1兆円の年商を記録したとします。
この企業はこの年にいくら所得税を払ったでしょうか?

正解は、「わからない」です。

法人所得税は「利益」に対してかかってくるので、いくら1兆円売り上げたとしても、コストも1兆円かかっていれば利益はゼロで、税金もゼロになります。

コストが8000億円だとしたら、利益は2000億円になるのでそこに税金がかかって600億円ほど支払うことになりますが、過去数年の間に赤字が出ているとその差し引きで計算されるので、その税金だって支払われるかどうかは分かりません。

つまり、企業が支払う法人所得税というのは、企業によってももちろん、同じ企業でも年によってその額にかなりのばらつきがあり、財源としてかなり不安定なんですよ。

消費税というのは、利益ではなく「売上」にかかってきます。元々は「売上税」と呼ばれていましたしね。

1兆円分モノやサービスを売ったのなら、有無を言わさず消費者から一定税率(今の日本なら8%)分を税金として一旦売り手である企業が徴収し、それを後から国に納めなさい、というのが消費税なんです。

「売上」は「利益」に比べてかなり安定しています。例えば、今年30兆円売り上げたトヨタが来年には3兆円、なんてことは現実的にまずあり得ません。そして消費税はその売上に対してかかってくるので、財源として安定している、というわけです。

もし今日本の税金全てが消費税になったとしましょう。まあ、何%になるかは分かりませんが。そうすると、日本のGDP(国内総生産)にほぼ正比例することになります。GDPはせいぜい1~2%くらいしか上下しませんから(本当は下がっちゃダメなんだけど)、消費税も1~2%ほどの変動しかなくなり、これほど安定的な税収もないのです。

いやでも、安定財源としての消費税に意味あるの?

しかし、ですな。

安定的と言っても、消費税分の税収と言うと、一般会計税収のうち3分の1にもなりません。その3分の1が安定したところで意味があるのか?って言うと、多分ないんです。

じゃあ消費税だけにして他の税金を全て廃止にしたら?そりゃ完璧な安定財源になりますね。ところが、そうなると、消費税は40~50%あるいはもっと高くしないといけないかもしれません

でも他の税金なくなるならいいんじゃないの?

それはスタンダードな経済学から言えば正反対の結論です。そもそも税金とは何かと言うと、偏っている「富」をお金持ちから貧乏人に分配することによって、なるべく公平に、なるべく全ての国民が豊かな生活を送れるようにするための媒質なのです。

そのために、個人の所得税には「累進性」といって、所得が多ければ多いほど税額ではなく【税率】が高くなる仕組みになっています。消費税においては、全ての国民は「消費者」で一括りにされ、どんな大金持ちでも、どんな高い買い物をしようとも、どんな無駄なものを買おうとも、税率は一定なのです。これでは富の再分配はなかなか進みません。お金持ちが悪趣味な買い物をするのにも限度があるからです。

消費税税収を福祉に回すという詭弁

以上のことを考えると、福祉のために消費税を使うというのが詭弁であることが分かると思います。福祉とはまさに、金持ちから貧乏人へお金を回したり、行政サービスを施したりすることであって、貧乏人に負担を増やす消費税でそれをやってしまうというのは、「弱者から取って弱者に回す」という全くもってトンチンカンな行為なのです。

テレビに出るような識者でこれを指摘し始めたのは、私が知る限り高橋洋一氏であり、その弟子のような立場にある上念司氏はこれに賛同。「消費税増税は、ねずみ小僧の逆で“ねこジジイ”だ!」と激しく批判しています。

そもそも消費増税で税収が増えるのか?

実はこの投稿はずいぶん昔に途中まで書いていてそのまま置いていたのですよ。

ほんの数年前には国民の心理には「消費税増税もやむなし」が多勢を占めていました。嘆かわしいことです。

しかし、ここ1年ほどで識者達は一斉に「消費増税で日本は潰れるぞ!」と警告を発し始めました。

もう説明は要らんだろ、と思っていても、ウェンツ瑛二のように
「早く消費税を20%にしてください!でないと日本が潰れちゃう!」
などと騒ぎ立てる若者がいたりして…。

むむむ……よく考えたら私が見るような番組は地上波でも異端であったり、そもそも地上波でなかったりするものばかりで、報道ステーションとかしか見ない人の認識はこういうものなのかも

こういう勘違いは、「自分たちの負担は増えるものの、消費税を上げれば税収が増えて財源は安定する」という間違った認識が生み出すものでしょう。

物凄く根本的で重要な事実なのですが、消費税を上げても税収は上がるどころかむしろ下がるのです。これは過去の消費税導入および増税の際のデータを見てもはっきりしています。

当然ですね。消費税は、国民に「買い物をさせないよう」な力をもたらす税制なのですから、消費量は下がり、景気も後退し、税収も減ってしまうのです。

消費増税こそがリーマンショック級の惨事

目下、絶望的少子高齢化(急激な人口減少)、米中貿易戦争や中東情勢など世界経済の不安定要素、失業率が限界近くまで下がってきているところに外国人労働者の受け入れなど、日本経済を圧し潰す大きな要因が複数あります。

そこにさらに消費税増税となると、リーマンショック級どころか、バブル崩壊&長期デフレ級の不景気に見舞われることになるかもしれません。

税率を今のままで税収を上げる方法=経済成長

税率はそのままに、あるいは税率を下げて、税収を上げる方法が「経済成長」=GDPの増大になるのですが、日本の財務省はどういうわけか、税率を上げるのは大好きなのに経済成長は大嫌いなご様子で。

例えば、然るべき量のお金を刷って世の中に回す(これを金融緩和と言います)だけで、名目GDP(分からない人はググってください)2%成長なんて割と簡単にできるはずでして、毎年確実に2%ずつ成長してたら20年でGDPは1.5倍になるんですよ。

そのためにはインフレ目標をですね……って、キリがないのでここでやめておきますが、経済に詳しくないという方は、少しで良いので次の選挙までに勉強してみてください。邪悪な候補者や官僚に騙されないように。

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