この間、ドム●ムでハンバーガー食ってたら、隣の席で子供とおじさんがこんな会話してました。
アイザくん「ねえおじさん、雲はなぜ空から落ちてこないの?」
おじさん「ハハハ、いつも自然を観察しているアイザくんらしい疑問だね」
アイ「おじさんは知ってるの?」
おじ「もちろんだよ。」
アイ「じゃあ教えて!」
おじ「いいとも。君も知ってるように、雲というのは水の粒だ。その水の粒が上昇気流に持ち上げられて上空で集まったものが雲。実は上がったり下がったりもしてるけど、その速度はあまりにゆっくりだから止まって見えるんだよ」
アイ「いや、だからその水はなぜ落ちてこないの?今目の前にあるコップの水はここにずっとあるじゃないか」
おじ「良いところに気がついたね。水と言っても、粒だからすごく軽いんだ。だから上昇気流に持ち上げられて、なかなか落ちてこない」
アイ「軽いというのは、普通の水と比重が違うということ?」
おじ「え」
アイ「水の粒がすごく小さくて上昇気流で舞い上がってしまうって、ググったら同じこと書いてあるんだよ。それ、分かってるの。でもなぜかって言うのが説明できないから聞いてるんだよ」
おじ「だから、小さいからだよ」
アイ「お前、話聞いてんのかよ。大きくても小さくても水は水じゃねーか。水蒸気ならともかく、個体や液体の水は空気よりはるかに重いだろうがよ。小さい粒が浮き上がりやすいってのは、感覚としてはわかってるから説明なんていらねーの。新聞記者のくせに読解力がなさすぎんじゃねーか?」
おじ「えっと…ちょっとまって…」
おばちゃん「つまりやな、アイザくんの言うてることはこういうこっちゃ。たとえ小さな石でも思いっきり息を吹きかけたところでピクリとも動かんけど、石を削ったカスは吹けば簡単に飛ぶ。同じ物質でも大きさが変わると振る舞いも変わる。それは感覚として分かってても、物理学として説明ができんとモヤモヤしとるっちゅーわけや」
アイ「そう、そういうことだよ!」
おじ「あなたは一体…」
おば「アイザくんは比重という言葉を持ち出した。比重の違いは浮力を生み出す。ところが、水の比重は地球上を満たしてる空気の1000倍。つまり、どんだけ浮力がかかったところで水を浮かせるなんてことはできへん」
アイ「そうだよね!」
おば「そこで『上昇気流』が出て来るんやけど、それならコップの水はなんで浮かび上がらんのやとアイザくんは思うわけや」
アイ「うんうん!浮力は体積に比例し、体積は質量に比例する。大きな水の粒はその分浮力も大きくなる。にも拘らず“大きな水”は浮いたりしない」
おば「これを物理学的に説明しよか。物体は、直径が2倍になると表面積はその2乗の4倍、質量は3乗の8倍になる。上昇気流の影響っちゅーのは、つまりその物体の空気抵抗がどんだけあるかが問題になってくる。空気抵抗は“面”で受けるから、表面積に比例する」
アイ「あー、なるほど!直径が半分になると、表面積は4分の1になるけど、重さは8分の1にまでなるから、(1/8)÷(1/4)で風の影響力が2倍になるってことだね」
おば「そういうこっちゃ。もっと小さくなれば、風の影響力はどんどん強なる。半径が100分の1になれば風の影響力は100万倍。どこかで風の影響力が重力より大きくなって水は浮くわけや」
アイ「おじさん、そういうことだよ」
おじ「よかったね、親切なおばさんがいて」
アイ「でさ、なんで落ちてくる雲を見ることができないの?」
おじ「いや、だから落ちてきてるんだけど、1秒で1cmとかだから落ちてるのがわからないだけなんだよ」
アイ「いやいやいや、だからそこら辺のサイトと同じこと言うなって。遅くても落ちてくる雲があるわけじゃん。でも俺そんなの見たことないっての。ここらへんに雲があっても良いわけじゃん。夜ヒットみたいにさ」
おば「落ちてくる間に蒸発してまうんや」
アイ「なんで蒸発しちゃうの?」
おば「上空は気温が低い。気温が低いと、飽和水蒸気量も小さい。飽和水蒸気量と言うのは、水分子が気体でいられる限界のことで、空気が冷やされると空気に溶け込んだ気体の水分が液化するわけや。それが雲の正体っちゅーこっちゃ」
アイ「逆に雲が落ちてくると気温が上がって飽和水蒸気量も増えて、蒸発してしまうということだね」
おば「そう。空気に溶け込んだ水蒸気が上昇気流に乗って上に上がっていくと、また液体になって雲になる」
アイ「ありがとう、おばちゃん!」
ここに書いてあることに間違いがあったとしても、それはおじさんやおばちゃんが間違ってるだけで、私は何も悪くありません。
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