オタク文化の聖域を守れ!
からの続きです。
ここまで読まれると、「この小ライスってヤツはよほど潔癖で萌え絵やエロが大嫌いなんだな」と思われるかもしれませんが、だとしたら大きな勘違いです。私はエロにすごく敏感などエロなんです。
エロいオヤジにとってエロは価値のあるもの。碧志摩メグにしろ駅乃みちかにしろ、そこにはエロがあって、そのエロの手法ってひとつの技術なんですよ。こうやって軽薄に扱われて叩かれてちゃいかんのです。
エロを楽しむならそういう場で。こういうどうでも良いことで境界線を曖昧にして価値を落とし、損をするのは、他ならぬファンじゃねーの?と思うわけです。
この背景には昨今のジャパニメーションブームも関係していると思います。
それまでサブカルの中でも、“一般人”からは眉をひそめて見られていた非子供向けマンガ・アニメが、世界に通用クールジャパン文化の一端を担う、あるいはすでに日本文化の象徴と言っても良いほどに地上に上り詰め、その開放的な空気に酔ってしまってるところはないか、と少々大げさながら思うのです。アレも萌え絵、コレも萌え絵と、北斗の拳のモヒカンのようにカオスをもたらして楽しんでいるのでは?とさえ映るのですよ。
今のアニメはあまりに画一的でないか?
左の献血ポスターが「性的だ!」批判されてるのを見て驚いてます。普通にそういう漫画のキャラが採用されただけじゃんと思いました。例えば北斗の拳のレイが「てめえの血は何型だ!」って感じで筋肉ムキムキで書かれてても「性的だ!」って言うのだろうか。小市民である私には理解出来ませんでした。 pic.twitter.com/AJJE74BbDq
— 自己責任論撲滅@ブログ「過労伝説」運営中 (@u2qKSkUcSIeBuid) October 21, 2019
北斗の拳と言えば、このようなツイートがあって私も引用しましたが、なぜ『北斗の拳』みたいな作品を使わないのでしょうか。「てめえらの血は何型だーー!」ってめちゃくちゃ面白いじゃないですか。
いわゆる萌え絵はジャパニメーション文化のひとつではありますが、それが日本のマンガ・アニメの全てではありません。「価値観の多様化」とは言いつつ、作品数がめちゃくちゃ増えただけで、その作風はどれも似たり寄ったり。70~80年代のマンガ・アニメの方がよほど多様だったのですよ。
萌え絵も結構。しかし判で押したように、あまりに画一的に皆が同じような絵柄の作品から引用したり、新規キャラを作ったりする様は、正直言って気持ちの良いものではありません。
海外が萌え文化の魅力に気づいた今、日本のサブカルがやるべきは「お前らまだそこにいるのか」とばかりにまた新しい文化を作り出したり、あるいは数十年前の作品を持ってきたりして、さらに外国人をあっ!と言わせることじゃないかと思うんですよね。
今のアニメ作品は、滝川クリステルの「お・も・て・な・し」の意味不明の合掌同様、妙に外国人に媚びてるような感じがしないでもないし、その活用の仕方は「環境型セクハラ」と指摘されるように、どーも調子に乗っちゃってる感じがしないでもありません。
「全然知らないキャラ」が与えるふんわりとした嫌悪感
10年くらい前だったか、ファミリーレストランのデニーズがアニメ『けいおん!』とコラボしたメニューを提供してたんですよ。店の外には幟かなんか立ててね。私はギリギリ知ってたんです。ちゃんと観たことはなかったものの、どういうアニメかくらいは知っていました。
その時に時代の移り変わりというのを実感したんですよ。この手のキャンペーンに使われるキャラクターって、それまでなら、国民全員が知っているものと決まってたんです。スヌーピーとかサザエさんとかドラえもんとか、ですね。『けいおん!』は社会現象とも言われましたが、それはあくまでサブカルの内側での話であり、日本国民のうちどのくらいの人が知ってるかって言うと、まー知りませんよ。知らなくても、明らかに子供向けのキャラクターなら割り切れるんですが、『けいおん!』は深夜枠のアニメ。
これまた同じことを繰り返しますが、私はこういうアニメが嫌いというわけではありません。それが何物かも知られず、そして誰が見ているとも知らないキャラクターを、「ファミリー」と名の付くところにグイグイ出てこなくてもいいだろ、と思う訳ですよ。
「嫌なら無視すれば良い」というのが定番の反論ですが、電車の中でヘッドフォンから音漏れしている音楽ってウザいでしょ?ましてや知らない曲だと。あの音なんて大きさとしてはめちゃくちゃ小さいものですが、「何かしらの情報を持っている」音だと人間の脳はそれに無意識に反応してしまうものです。それと同じ。「いや、お前誰やねん!」と脳のどこかでずーっと軽くツッコんでしまっているんですよ。
なんだか、「価値観の多様化」を感じるとともに、少子化と「ファミレスの敗北」まで同時に感じちゃったわけです。
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