手っ取り早いのはヘッドカラー
もうガチのどうしようもない犬については、シーザーもお勧めするヘッドカラーを私も強くお勧めします。
人間やよその犬に危害を加える可能性のある犬には、昔から口輪(マズルカバー)が使われますが、ヘッドカラーはその簡易版です。
と言っても、その目的は全く別と考えてください。
口輪は、物理的に蓋をしてしまっているために噛み付こうとしても口を開けられない、あるいは標的に届かないようにするためのもの。
一方のヘッドカラーはそこまで強力なものではなく、噛み付こうと思えば噛み付けます。その目的は、リードで繋がれた飼い主の力がマズルに届くようにするもの。
先述の通り、頭のコントロールというのはしつけにおいて非常に大事で、これをやると別の犬になったかように落ち着きます。歩きながらマズルコントロールをしているのと同じですね。
と言う私はヘッドカラーを使ったことがない(必要がないので)のですが、知人の犬は「まるで性格が変わってしまった」というほどに効果がありました。シーザーは嘘を言ってなかったのです。
ということで、しつけに困っている人にはヘッドカラーをお勧めしているんですが、このお勧め通りにヘッドカラーを使う人はまずいません。
「犬を無理やり拘束している」という感じの【画】に大きな心理的抵抗があるのでしょう。
ほんじゃこれ使わずにしつけやってみなさいよ!って。できないから提案しているんですよ。
それに、ヘッドカラーを使わなければいけない期間はごく短いものです。正しいリーダーウォークさえすれば、1週間もせずに卒業できるはず。
これがヘッドカラー。口の開閉を物理的に抑制しているわけではなく、マズルの「舵」をコントロールしやすくすることで、飼い主に従順にさせることができます。
ヘッドカラーの中でも抑えつける力が強い、実質的に口輪になるタイプも。噛み癖のある犬はこちらの方が安心ですね。
拘束具関係なしにリーダーウォークはできる?
成犬になってから引き取ったうちの3号犬は、幼犬期にしかるべきしつけや散歩をしてもらえなかったので、本当にバカでした。
そして引き取った際に使った拘束具はハーネスでした。
はぁ!?ハーネス使わないんじゃなかったの!?
はい、基本的にはハーネスなど使いません。が、この時は、
・飼い始めた時点で多頭飼いという状況
・犬が咳き込み&吐き癖があった
という2つの条件があり、面倒なのでハーネスにしたのです。
単独飼いであればスリップリードなどで微妙なコントロールもできますが、複数の犬を同時に歩かせるとそうもいきません。わざわざ別々に散歩するような時間もありません。
結果どうなったかと言うと、3回目くらいでほぼ完ぺきなリーダーウォークができるようになりました。
なんか話が変わってきてないか?
いいえ、それでも私はハーネスはお勧めしません。
私がハーネスでも犬をしつけられるのは、散歩以外でも信頼関係(主従関係)を築けるスキルがあるからです。
散歩は飼い主と犬の間に信頼関係を築く非常に大事なイベントになりますが、散歩だけしていれば良いという訳ではありません。
じゃあハーネスでもしつけられる方法を教えてくれればいいじゃん!
そうですね。では教えましょう。その方法は、
「犬の気持ちになる」ことです。
分かりましたか?
分からないでしょ?
あなたは「犬のことを考え」「犬を可愛がり」はするけど、犬の気持ちは分かっていません。
逆に犬の気持ちを理解するという基本原理さえ抑えておけば、「散歩の仕方」「おやつの与え方」「凶暴性の修正」「無駄吠えの修正」など個別に方法を考える必要などないのです。
でもほとんどの人はそれができないから個別に教える必要があるわけで、散歩(拘束具の使い方)はその中でも最重要ファクターなのですよ。
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