シーザー・ミランの「シッ!」、指、わき腹タッチが効果的な理由

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シーザー・ミランの「シッ!」の秘密

シーザー・ミランと言えば「シッ!」ですが、この「シッ!」にはどういう意味があるのでしょうか。

シーザーは「エネルギーが込められるなら『シッ!』じゃなくてもいい」と言いますが、それでも実は「シッ!」が最も理に適ってるんです。

そもそもこの「シッ!」は、犬の悪い集中を途切れさせるためのもの。犬が他の犬や人間などに負の感覚を働かせている時、その感覚をリセットするために別の集中先を作ってやることが目的です。

「シッ!」は動物が本能的に反応してしまう音

この「シッ!」は無声音であり摩擦音です。無声音とは声帯を震わせずに発音する音のこと。大きなポイントは摩擦音であることです。なぜ摩擦音が大事なのかというと、摩擦音はほとんどの動物が最も敏感に反応する音だからです。

自然界においては、地上の動物が移動する時、地面や岩、植物など、体のどこかが常に接触しており、動けばその擦れる音が必ずします。肉食動物が獲物を察知するのも、その逆に獲物候補になる草食動物が天敵を察知するのも、まずは摩擦音が第一の情報になり、これを我々は「気配」と呼びます。

捕食者にとっても狙われる立場にとっても、この音の情報は極めて重要であり、動物が最も敏感に反応してしまうわけです。

「シッ!」は、その自然界で最も重要な音を模しているから効果的なのです。

「シッ!」ではありませんが、私も犬をコントロールする時に発音する音には摩擦音が入っています。合図に使う言葉は摩擦音のサ行、「ち」、舌打ちなどが効果的です。なので、「こら」よりは「社長」とかの方が犬の耳には響きやすいかもしれません。もちろん、半分冗談です。

指を立てるのはなぜ?

「シッ!」と言いながら指を立てるのは、日本を含めて割と多くの国で共通するジェスチャーなんでしょうね。言うまでもなく、人間同士なら「静かにしなさい」の意味です。その時の指は「口を閉じる」という意味のジェスチャーになりますが、犬にとってはちょっと違います。

犬も人間も、それまでなかった物体が突然目の前に現れたら、反射的に視線をそちらに向けます。ただそれだけのことですね。「シッ!」が聴覚なら、指は視覚の面で集中の先をコントロールするのが目的です。

そして、よほど変な腕の伸ばし方をしない限り、その指の先には飼い主の顔があるはずです。これが飼い主の存在感を濃くするためにすごく重要なんですよ。

わき腹タッチの意味

「シッ!」とともにシーザーのトレードマークにもなっているのが「わき腹タッチ」です。不穏になっている犬のわき腹を手や足で突くアレです。

これをマネている人も結構見かけますが、実はこれ、簡単にやっているようで難しいんですよ。

そもそもこのわき腹タッチは何のためにやるかというと、「シッ!」と同様、犬の悪い集中を途切れさせることが目的なんです。哺乳類に共通する弱点は、骨のない腹であり、肉食動物に食いつかれるとしたらわき腹です。それだけわき腹は敏感ということです。

ただし、このわき腹タッチは「不意を突く」必要があるんです。「今からわき腹を突きます」というモーションを作ってしまうと、犬は安心してしまうので、効果が半減します。シーザーが犬と同じ方向を向いて、逆の足、つまり犬が左側にいたら右側で、体勢を変えずにコンと蹴るのは、犬を驚かせるためです。

よく見るとシーザーは正面からわき腹を突く場合でも、手をかなり大回りさせて一旦犬の視界から外れる場所からやっていることが分かります。これは、不穏な犬に咬まれない対策でもあるでしょうが、最短距離で行っても効果が薄いというのもあるでしょう。

慣れてない人がやるのが難しいのは、この不意を突くという点なんです。飼い主の手なら別に危険ではありませんからね。実際やってみると「え、この強さでもダメなの?これ以上は“叩く”になっちゃうよ」と思ってしまうかもしれません。

まとめ

ということで、以上の3つの行動は、視覚、聴覚、触覚という感覚を利用して犬の悪い集中を寸断してしまう手法です。シーザーは必ずこれらのいずれかを一つ、あるいは二つ組み合わせて犬をコントロールしているのです。

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