家族で殺し合いをする犬

攻撃性

今回は、犬の攻撃性について分かりやすい事例を元に語ってみたいと思います。

やや刺激的な映像が数点出てきますので、読むならそれなりのご覚悟を。

 

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よその犬や馬に襲い掛かるピットブルの恐怖

まずはツイッターからこちらの動画を。

ドッグショーで集まった犬のうち、ピットブル(と見られる犬種)が柴犬に咬みついて離さないという光景です。咬みついている方の犬はコメントで皆がピットブルって言ってるのでピットブルってことにしておきましょう。何にせよ、闘犬系の大型犬ですね。

お次もツイッターより。馬車の馬に襲い掛かって返り討ちに遭うピットブルです。

たまたま続きましたが、別にピットブルをフィーチャーしたいわけではありません。

ドッグショーはもちろんのこと、家を一歩出ればそこは広い意味での公共空間です。よほど特殊な飼い方をしていない限り、犬を家から一歩も出さないということはないでしょう。ということは、犬を飼うということは犬を人間社会にフィットさせる必要があるということです。

そして、犬を人間社会にフィットさせるということは、そのほとんどが「犬が認知錯誤して敵と見做しているものを違うと教える」作業になります。当ブログでは再三書いているので、読者の方は読み飽きているでしょうが。

先の2頭のピットブルはそれができていない例です。

この認知錯誤に陥った犬達にはもう一つの問題があるように見えます。それが「飼い主の鶴の一声が効かない」という点です。暴れだしたら止まりません。しかし、これは因果がややこしいところがあって、もともと鶴の一声が効くような犬はこのような異常行動に走らないのです。

今回は「攻撃性」について語るわけですが、特にピットブルのような体がでかくて身体能力がめちゃくちゃ高くてスイッチが入るとアドレナリンを無限に分泌して恐怖も痛みも感じない状態になり、人間をも簡単に殺してしまう犬種が人間社会に共生することの難しさをご理解頂きたいと思って、この2つの例を挙げました。

 

家族同士で殺し合いをする多頭飼い犬

さて、以上は【外部】の存在に対する犬の傷害事件ですが、次は犬の【ドメスティックバイオレンス】の例です。

チワワ5匹の多頭飼いファミリーの、身内同士のガチ喧嘩です。

チワワという犬種。多頭飼い。1匹ごとにケージを用意。喧嘩が始まっても何もできない飼い主。

ふむ。

救いは「ドッグトレーナーに任せた」というところですが、根本的なことを言っちゃうと、プロのトレーナーに任せないとしつけもできない人って、もう飼い主ではないんですよ。ただの「オーナー」であってね。いや、ごめんなさい、本当に根本的なことを言っちゃって。でも、こういう人は犬の面白さや本当の可愛さなんて分かってないんです。「生きたぬいぐるみ」でしかありません。

少なくとも家人に抱っこされた2匹の(家族である)犬が、抱っこしている家人を全く無視して本気の喧嘩をしようとする。これは家人と飼い犬の心が全く通じ合っていない、あるいは信頼関係がないことを示しています。

これ、チワワ同士だからあまりそうは見えないけど、先のピットブルだったら?そうです、要するに殺し合いをしているのですよ。

この動画にBGMを付け、ポエムのようなキャプションを付け、動画の最後に「最後まで見てくれてありがとうございました💛チャンネル登録よろしくお願いします💛」なんて入れられる飼い主さんの神経ってどのくらいの太さなんでしょうね。

シーザー・ミランの番組でも犬のドメスティックバイオレンスはしょっちゅう題材にされますが、実は1件(私の知る限りではまだ1件)、本当に家族である犬を別の家族犬が殺してしまった例がありました。悲惨というしかありません。

 

ここから先に書くことは、いつものコピペです。

なんで戦う必要もないのによその犬を襲うのか。

なんで家族であるはずの飼い犬同士が殺し合いをするのか。

その原因は、飼い主の弱さ、存在感のなさ、飼い主と飼い犬の信頼関係の薄さ、です。

 

ファッションアイテムとして飼われる可哀想な犬

当ブログでは度々、
「しつけとは、性悪説で生まれてくる犬の本能を制御し、人間主体の社会には敵などいないということを教えることである」
と唱えてきました。

犬の攻撃性や怯えは本能的危機管理意識がもたらす認知錯誤なので、「それは勘違いだぞ」と教えてやる必要があるのです。

例えば、つい先日の話。いつも行く公園も休日の昼間に行くと知らない犬と出会ったりすることがあります。

日曜日の昼間、ある女性飼い主さんが犬を脇においてベンチで読書していました。その犬がうちの犬を発見して興奮し始めているのが分かりました。「挨拶させましょうか?」と近寄ろうとしたところ、その犬が物凄い勢いで吠えたて、飼い主女性が「うちの子、ワンちゃんダメなんですぅ~!」と驚愕の一言。

「ワンちゃんNGのその動物はいったいナニちゃんなんだ!?」と言いたくなるのを抑えて、「あー、そうですかw」と立ち去る私。

いったい、どういう了見で犬を飼い、公園と言う公共空間に連れてくるのか、さっぱり分かりません。私からすると、飼い犬の関係構築に失敗し、何が敵かも正しく認知できないバカ犬をわざわざ多くの人が集まるところに連れてきて披露しているようにしか見えないのです。

要するに、休日、公園のベンチで可愛い小型犬を傍らにおいて読書をするワタシってなんてファッショナブルで知的で文化的な生活を送っているんでしょう!という絵を頭に描いて犬はそのワンポイント(あ、ダジャレではありません)でしかないわけです。いくら本を読んだって、飼ってる犬をバカのまま放置できるんだから、アンタ本読んだって無駄ですよ……って言いすぎですか?

 

問題行動を起こす成犬のリアルなトレーニング

そういう「ファッションアイテムとして犬を飼う」ような輩に育てられた犬がどうなるか。リアルなしつけの光景を観てみましょう。

韓国のプロのドッグトレーナーによる凶暴犬の修正トレーニング風景です。

この問題犬は、「ファッションアイテムとして」ではなく、よくある飼い主の勘違いした「溺愛」によって問題行動が生じるようになった典型例です。

いかがでしょう。「犬になんてひどいことを!」と思ったあなた、もしこれから犬を飼おうと思ってらっしゃるのであればやめとくのが吉です。

まあ、「ひどい」のは間違いないですよ。このトレーナーがやっていることは、犬の人格否定に他なりませんから。

た・だ・し。この人格否定は、成犬になってなお凶暴性が残る犬のしつけには必要なのです。

本当にひどいことをしたのは、犬の習性や気持ちを理解せず、ただ自分本位で「溺愛」し続けた家族なのです。

ここはお前の王国ではないし、お前に敵もいない。いるのは神だけだ。

このトレーナーはそれを教えているのです。ここで言う「神」とは、規律の源泉であり、かつ己の力が全く及ばない存在のことです。本来ならその役割は飼い主(家族)が担うべきなのですが、それができないからプロのトレーナーさんがやっているわけですよ。

犬は吠えまくり、咬みつき、引っ掻き、その上でキャンキャンと悲鳴を上げるという錯乱状態。一方のトレーナーは怒鳴りもせず、殴りもせず、犬が咬みついてこようが微動だにせず、ただ首輪を持って“制圧”しているだけです。このブログで幾度となく解説してきた、具体的な問題の修正方法をそんままやっています。要するに、犬を圧倒する力を顕示できれば、「怒鳴る」も「殴る」も必要ないのです。

でも、見て分かる通り、幼犬の間ならめちゃくちゃ簡単なしつけができなかったからこうなるわけで、成犬になってから修正しようと思ったら、このトレーナーのように咬まれる覚悟、相手を上回る腕力と精神力が必要になり、とても素人ができるものではないのです。

 

まとめ

さて、以上のような凶暴犬の例、そしてリアルなトレーニング風景を見て、どのような感想をお持ちでしょうか。

このブログを立ち上げたばかりの頃、「叱らずに犬をしつける方法をあみだしちゃいましたぁ~♪」という無責任な自称ドッグトレーナーのブログを俎上に乗せて批判したことがありましたが(そのブログはすでに閉鎖されたようですが)、そのような「しつけ論」を信じますか?

似たようなことを言うしつけ論者は結構いますが、そんなものはしつけスキルのないあなたの慰めにしかならないとここでは断じます。

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コメント

  1. 20代男 より:

    お悩み相談です、よろしくお願いします。
    オスのフィールド系ボーダーコリー現在6か月を飼っています、犬の状態は初期におきましては月齢3か月にして恐怖で人間をコントロールしようとする性格だったのですが(捨て身のコミュニケーションを取ってきました)、

    現在はリーダーウォークができ他人(獣医)がチンやタマを触っても顔をペロペロし返す、注射もノーリアクションといった犬になっています。ですが、そういう犬を飼っているとドックトレーナーや医者(飼い主)や獣医にウザがらみをされます。更に破壊行動をしないのでボーダーコリーのコミュニティでも良く思われていません。

    そのボーダーを飼った理由はその子犬だけは自信満々、完全に世の中を信用しきっていたので、一般の方に渡ったらヤバイな。報いてやるか、生まれてきた役割を与えてやるかと思ったからです。

    僕は純粋に犬が好きです。犬を飼っている人は従属願望がある人が多くうんたら、僕に加害されたい願望を感じます…意味が分かりません…どうしたら良いでしょうか?

    • 小ライス より:

      20代男さん、こんにちは。

      >ドックトレーナーや医者(飼い主)や獣医にウザがらみをされます

      「ウザがらみ」とは?

      >破壊行動をしないのでボーダーコリーのコミュニティでも良く思われていません

      「破壊行動」?それをしないから良く思われていない?

      すみませんが、内容が把握できず、結局何を質問されているのか分かりませんでした。改めて明解な言葉で書き直して頂ければお答えもできるかと思います。

      • 20代男 より:

        回答して頂きありがとうございます。
        すいません、省略した部分はかなりキツイ表現になるので躊躇しました。「ウザがらみ」の部分は明解に説明しますと「お前ごときが飼うな」です。

        実例に近い話をすると公園の飼い主コミュニティのリーダーがお医者さん(小柄で60〜70代)でボーダーコリー(5〜8才)を飼っています。その犬は常に恨み顔で他の犬に吠え噛みつこうとしますが、コミュニティの他の飼い主さんはその犬を褒め、お医者さんも自慢気です。

        その公園は近所なので散歩に行っていたのですが、コミュニティの他飼い主に「空気を読んで来るな」と言われました。
        その後にお医者さんに偶然初めて会い、初対面で突然マウントと言い訳をするばかりで黙って全部聞いていたのですが、お医者さんは散歩に来なくなりました。そうすると他の飼い主にも距離を置かれ、その公園は誰も来なくなりました。

        ボーダーコリーのコミュニティでの問題は、中年女性が飼っているボーダーが愛情、運動、飼い主、全て不足していて精神疾患になっているのにその飼い主は「やんちゃねえ〜」とファッション扱いで言い放っていたので、柔らかく注意したのですが、そのコミュニティではそういう方が多数派で罵倒されて追い出されました。

        ある50代の女性ドックトレーナーさんがボーダーコリーを飼っていまして、その犬は常に触るなオーラを出し、世の中を怖がり軽い精神疾患になっていたので、人から治そうと私のボーダーコリーをトレーナーさんに触らせようとした所、トレーナーさんが犬を嫌がるので私が「なんでトレーナーが犬を嫌がるんですか笑」と軽く言ったら罵倒されて嫌われました。

        質問した時はなんで犬を飼うだけで日常で合わない弩級キ○ガイに会うのかと憤り、更にブログ主さんレベルの方は極少数の上澄みと知り絶望していました。申し訳ないです

        長文失礼しました、いつも楽しみに見てます。

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