人を咬む犬は殺処分ですよ!?

犬種

相互フォロワーさんの一人が、秋田犬に咬まれて12針縫合という大けがを負ってしまいました。

今回は過去に書いたことのまとめ的な内容ですが、改めて犬、特に日本犬や大型犬を飼うことの怖さについて。

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厄介な犬は私の大好物

私は犬の散歩中、問題犬や将来問題犬になる可能性の高い犬を発見したらすぐさま自分から接触しに行きます。

犬種として多いのは、柴犬、秋田犬などの日本犬、ラブラドールみたいに悪気はないけど活発すぎる犬種、フレンチブルのようにバカになると手がつけられなくなる犬種等々です。

その「問題行動」とは、神経質、おもちゃを持ったら飼い主でも取り戻せない、けんかっ早い等々。

そしてその「接し方」は、ぐっと顔を近づけて、頭をクシャクシャにしたり、マズルを掴んだり、口に手を突っ込んだり、腹や股間をまさぐったり、ってな感じです。

その様子を見る他の人達からは「小ライスさんって本当に犬好きですね」みたいに思われているんでしょうが、違いますよ。いや、犬好きという点では誰にも負けてないでしょうし、そういうスキンシップを楽しんでるのも事実ですが、第一の目的はそれではありません。

将来起こりうる悲惨な事故を予防し、どういう接し方をすれば良いか、飼い方を分かってない飼い主に見せているのです。

 

凶暴な犬のしつけ方法は「HSPの緩和」

問題行動の修正および予防という観点からの「犬の接し方」のポイントを簡単に書いておきます。

問題犬の多くは、他の個体が発する「気」や接触刺激に過敏に反応してしまう、人間でいうところの「HSP」です。これを治すには慣れと、ポジティブな感覚の上書きしかありません。

とにかく触り倒して接触に慣れさせる。口に手を入れるのは「お前の牙は俺にとっては武器ではないぞ」というメッセージになります。顔をクシャクシャしてワンプロを始める気配があったら大成功。そのまま手を甘噛みさせます。

その際、別の犬も近づけるようにしておきます。強すぎる警戒心を緩め、広すぎるパーソナルスペースを狭めていき、よその犬ともコミュニケーションが取れるようにしていきます。

 

問題から遠ざけると問題行動を起こしやすくなる悪循環

さてさて、秋田犬と言えば、私の散歩仲間にも秋田犬が複数いるのですが、そのうちの1頭にちょっと問題があるんですよ。

と言っても、私自身はその犬の問題行動を一度も見たことはありません。

しかし、別の犬に襲われた経験から、よその犬に対し警戒心が強くなり、自分もよその犬に襲い掛かるようになったと飼い主さんは言います。その散歩の様子は、極度にリードを短く持ち、よその犬の近づけないどころか、飼い主さんが常に目隠しをするように立って歩く、少し異様な様子です。うちの犬を近づけると、飼い主さんは慌てふためいてリードではなくハーネスを握りしめ「危ないです!」と警告を発します。

実際にその犬がよその犬を襲い掛かるところを見たことはありませんが、うちの犬にそういう行動を取らないことは私には分かるんです。なのでこちらは平気。

しかし飼い主さんの精神状態がまともではないので、一旦うちの犬を遠ざけた上で私が一人その秋田犬に近づいて顔をワシャワシャーとやり始めます。普段はほんとに無表情でただじっとしているだけのコミュ障に近い犬なのですが、私がこれをやると延々と顔をベロンベロン舐め始めます。さらにテンションが上がると立ち上がってワンプロを始めようとします。

その時悪いのは、飼い主さんがまた慌ててリードを引っ張ってしまうこと。体重30数kgの大型犬が遊びとは言えよその人に襲い掛かろうとしてるんですから、気持ちが分からない訳ではないんですけどね。私がいくら「僕は平気なので、自由にさせてください」と言っても聞いてくれません。

言うまでもなく、こういった散歩のやり方はまともではありません。よその人や犬とスキンシップをとらせないまま、怯えっぱなしで外を歩かせるなんてことを今後10年続ける気なんでしょうか?

また、飼い主さんは秋田犬の散歩はこういうものだと飼う前から思っていたのでしょうか?違うはずです。犬の散歩はもっと楽しいものだと思っていたに違いありません。

このような理想と現実の乖離の原因は、一言で「勉強不足」にあります。犬を飼うには「知識」や「技術」が必要で、中でも闘犬系、日本犬種、一部の大型犬には特にそういうスキルが問われることになります。

秋田犬などは大型犬の日本犬という二重苦で、決して心得のない初心者が飼うべき犬種ではありません。テレビで「わさお」を見て「秋田犬可愛い~♪」と思った人も多いでしょうが、あのわさおだって家族であるお父さんが近づいてたら唸ってましたからね。テレビじゃ伝わらないでしょうけど、あのサイズの犬に唸られてごらんなさい。めっちゃ怖いから。

そういった想像をせず「可愛い♪」だけで飼い始めて、よその犬を襲うかもしれないからとコミュニケーションを拒否することで、犬は余計に不穏な状態になってしまうという悪循環を繰り返すしかなくなります。

 

大きく強い犬を飼いたがる人の心理

今でこそ少なくなったとは思いますが、昔だと、秋田犬、土佐犬、ドーベルマン、ボクサーみたいないかにも強そうな犬って、良い車みたいな感覚で犬を見て飼う人が多かったんですよ。そんなでかくて怖い犬が、自宅敷地内の大きなフェンスの犬小屋にいるという光景が良いんでしょう。たしかに防犯効果は高そうですが。

ピットブル

件のフォロワーさんのケースでも「私には咬まないのに」と、どうしようもなくアホなことを言ったそうですが、まさに「このでかい犬をワシは制御できている」という錯覚が、自分の強さをアピールできているという勘違いの快感を生んでいるのでしょう。

このブログではよく、犬をままごとの人形のように扱う女性飼い主をやり玉に挙げますが、どちらも全く同じです。犬のことを全く分かっていないのですよ。

本当の強さを持つ飼い主に育てられた犬は温厚になります。逆に、犬が見境なくよその犬や人に咬みつくのは、飼い主がボスたる強さを持っていない証拠なのです。もちろんそこに、「飼い主と犬の間の信頼関係」などあろうはずがありません。

 

犬を知らない者が犬を飼うな

粗いまとめで失礼します。

車なら自分の思うがままに動いてくれるし、ままごとの人形はそもそも動きません。

しかし犬は1個分の知性・人格(犬格)・感覚を持つ動物です。

好き勝手に動くのはもちろんのこと、機械の操縦とは根本的に違う技術が必要になります。

そして、一歩間違えれば「生きた凶器」にもなります。

 

人間への咬傷事故を起こした犬については、保健所への届け出が義務付けられると同時に、都道府県知事の権限で殺処分という最悪の選択肢もあることを忘れないように。

 

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