シーザー・ミランと厄介な柴犬
先日、シーザー・ミランの『愛犬レスキュー』を観てたんですが、その回は主役は凶暴な柴犬でした。HDDのストックをだらだら再生して観るので、いつの放送分かはよく分かりません。
以前から、「シーザーは日本犬をどう扱うのか」に興味があったので、私にとっても特別な放送です。そして予想通り、口には出していませんでしたが、さすがのシーザーも難儀しているようでした。
その柴犬「ヨシ」は、生後6か月ほどから凶暴性が見られるようになり、初めて訪れたドッグランでよその犬を噛んでしまい、追放処分を食らったそうです。そしてその後、家から出せない軟禁状態が1年も続いてるんだとか。
シーザーがある程度のトレーニングを施して久しぶりのドッグランへ。リードも首輪も口輪もない状態にされたヨシは、なんと小さなプードルを正面から思い切りガブリと噛みつきました。威嚇噛みではなく、全力の噛み方です。幸い大きな怪我には至らなかったようですが、シーザー・ミランの番組としては割とレアなシーンです。
なぜ私が、「シーザーが日本犬をどう扱うか」に興味を持っていたのかと言うと、単純な話で、日本犬は特別だからです。
柴犬と言えば日本人に最も愛される犬種と言って良いかと思いますが、同時に飼い方が難しい犬種としても知られています。
当ブログではかつて「飼ってはいけない犬種」として5種紹介し、その1位に挙げたのが柴犬でした。その理由をざっと書くと、
「柴犬は生まれついてのコミュ障で、接し方を間違えるとすぐ凶暴になる。その凶暴性も威嚇なしで攻撃するタチの悪いもの。しかも抜け毛が酷い」
というものです。
柴犬は性格が悪い?
『柴犬が性格が悪いと言われる理由』という記事への意見「そもそも犬の性格は個体差が激しく、共通するのは性格ではなく性質」 – Togetter
@togetter_jpさんから
このTogetterまとめでは、「柴犬は性格が悪い」と言う主張に憤慨する柴犬ファンが集っています。
ふむふむ。私は柴犬を「性格が悪い」と思ったことも書いたこともありませんが(あ、そもそもこれは当ブログのことではありませからね)、まあ表現の問題かと思います。
例えば、知り合いあるいは知らないけど犬好きと分かった途端に身を委ねてきて過剰な撫でてアピールをするような犬は、「性格が良い」でしょうか。こういう犬がもし「性格が良い」なら、柴犬は間違いなく「性格が悪い」部類の先端にいる犬種です。デリケートな表現にはこういう定義が必要なんですよ。
柴犬は「性格が悪い」んじゃなく「頭が悪い」
しかし、私に言わせると、柴犬は「性格が悪い」のではなく「頭が悪い」のですよ。こんなこと言うとこれまたすごく怒られそうですが、以下に詳細を説明します。
認知症の83%が日本犬?
その証左と言って良いかどうか分かりませんが、「柴犬は認知症になりやすい」とよく言われます。
『いぬのきもちNEWS』
このサイトで獣医師がインタビューに答えていますが、なんと日本国内では「認知症の83%が日本犬」とのこと。
https://cutia.jp/rouken-deme.html
そしてこちらの獣医さんのサイトでは、
特に、柴犬をはじめとした日本犬は長い間魚を中心とした食生活を送ってきたため、他犬種に比べてDHAやEPAの要求量が高く、認知症を起こしやすいといわれています。
とあります。なるほど、今初めて知りましたが、そういった推測もあるのですね。
でも多分ですが、その可能性は薄いと私は思っています。柴犬を観察してたら、そもそも若い頃から認知能力が低いんです。これを端的に表現すると「バカ」ってことになるんですよ。
こんなことを書くと「こいつよほど柴犬が嫌いなのか」と思われそうですが、私が犬の集まる公園で真っ先に触りに行くのは柴犬です。柴犬は(正確には、柴犬【も】)大好物です。好き・嫌いと、頭の良し悪しは直接的には関係ないのです。
認知修正が難しいのが柴犬
いつも書いていることですが、犬のしつけとは、本能的な認知錯誤を「人間に飼われる」ために修正していく行為に他なりません。自然界ではメスや食料を巡って殺し合いをする必要もありますが、人間に飼われる犬においては必要がないので、よその犬を嫌悪する感情は捨てさせます。人間を怖がるのも本能的なものですが、怖くないと教えます。しつけとはこういった行為の連続です。
しかし、それがしづらい犬というのがいるんです。もちろん個体差もありますが、犬種差も相当にハッキリしています。その認知修正がしづらい犬種の代表こそ柴犬なのですよ。芸を覚えやすく、人間の命令もちゃんと聞く子を「賢い」と表現するなら、柴犬はその逆で「バカ」なのです。←ちゃんと定義した上で言葉を使ってますからね。「嫌い」とかではありません。
で、ですね。元々認知能力が弱いので、それが問題になるレベルにも達しやすいのです。その傾向は1歳までに十分表れてまして、その若さでDHAが不足してるとか、そういう事情はほとんど関係ないと私は思うんですよ。
柴犬らしさって?
その柴犬っぽい行動の傾向とはどんなものか。
・呼び戻しができない(名前を呼んでも来ない)
・皆が集まっている中、一人外を向いて伏せている
・よその人や犬に興味があるのに、近づくと怒る
・他の犬と遊びたいけどアプローチの仕方が分からずに尻を噛む
・突然威嚇なしの本気噛み(本気噛みの中でもマジのやつ)で攻撃
・遊びたいけど加減が分からずに相手を傷つけてしまう
・基本的に触れるのは嫌い
・動かなくなる
柴犬の飼い主さんなら思い当たるところは多いんじゃないでしょうか。
実際、柴犬はトラブルメーカー
多分国内でそんなデータはないと思うのですが、咬傷事故を件数を犬種別にまとめて、同一犬種100匹当たりの交渉事故件数なんかを出したとします。「犬種に差はない」と主張する人を信じるなら、どの犬種でもほぼ同一の数字が出ることになります。その数字が本当に柴犬と他犬種で同じものになると思ってるんでしょうかね?本当にそう思う?ウソでしょ。
ちなみにうちの犬が咬まれた相手は圧倒的に柴犬です。うちの犬以外のケースでもやはり加害者は圧倒的に柴犬です。私自身が咬まれたのもほとんど柴犬でした。飼育頭数の補正を入れてもやはり柴犬が圧倒しています。だから恨んでいるわけではありませんよ。これは、サンプル数は決して多くないにしても客観的なデータなのです。近づくだけで唸るとか咬むとかそんなことをするゴールデンには会ったことがないのに、柴犬は例に事欠かないのですよ。
でもTogetterで憤慨していた人たちに言わせれば、「それはお前がたまたまそういう経験をしただけであって、犬種差ではない」となるんでしょうね。
なぜ柴犬を飼ってはいけない?
次のページに行く前に、断り書きを。
ここでの主張は「柴犬は悪い犬」ということではありません。繰り返しになりますが、ここで言う「賢い/バカ」「良い/悪い」は相対的な概念でしかありません。「~~と定義するならバカ」「~~という条件において悪い」と、私はひとつひとつに前提や定義を表記しています。
私が「柴犬を飼うな」と言うのは、その飼われる柴犬も、そしてその周辺の犬も不幸になるケースが多いからです。感情的で場当たり的な「柴犬は可愛い!」「柴犬はそんな悪い犬じゃない!」という主張は、ミスリードを生み出します。もちろん柴犬に限ったことではなく、あらゆる犬は、飼われるための環境や飼う人のスキルが揃っていないと人間も犬も不幸になります。
柴犬は仔犬の時の可愛さ(訴求力)と現実のギャップが激しい犬種のトップに来る犬であり、そこをよく踏まえなさいよと。
「飼ってはいけない」=飼ってはいけない理由を全てクリアできた時に「飼ってもいい」
となるわけです。これについては次ページ以降にも。
続く
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