パピヨン蹴り殺し事件
ノーリードのパピヨンがおっさんに蹴り殺されるというとんでもない事件が起こり、ずっと控えていた「犬のノーリードの是非」についてポツポツと書いていこうと思います。
この事件そのものは「異常」の一言。リードを離していることによって、具体的にどんな迷惑をかけたのか分かりませんが、蹴り殺すというのは精神的におかしい人のやることですよ。
「犬のノーリード」というテーマは私のしつけ論の中でも根幹に位置する極めて重要なものです。にも拘らずこれまで語らなかったのは、「詮無い」「しんどい」からなんですよ。
以下、綺麗にまとめるのが難しいので、いろいろな例を挙げながら徒然なるままに書いていきます。おそらく犬嫌いな人や、い・わ・ゆ・る「マナー」にうるさい人にとっては不愉快に感じられるかもしれませんが、ご安心を。
最終的にはそういう人達が納得できる提案を致しますので。
リードを離すと行動が予測できない犬の怖さ
犬のしつけって何を目標にするかと言うと、「フリーの状態の正しい行動原理を確立する」ことなんですよ。
つまり、何の拘束具も装着されていない状態でも、規律に則った自律的行動が取れるかどうかが「しつけが成功しているかどうか」の基準になるわけです。
その意味において、公園に散歩に来ている多くの犬は、しつけに成功しているかどうかも分からないんですよね。リードを離さない(離せない)から。
「この子、リードを離したらどうなりますか?」
と聞くと
「リードを離すなんてとんでもない!どっか行って帰ってきませんよ」
なんて答える飼い主は結構います。
あるいは、凶暴性のためにリードを離せないという犬もかなりいますね。
では何かの拍子に飼い主の手からリードが離れてしまい、こういった犬がフリー状態になったら?
これって、めちゃくちゃ怖くないですか?
実際、私の友人の犬もこれで公園から飛び出し、危うく交通事故に遭うところでした。飼い主の声の制御が効かなかったのです。
ボール遊びができなくなったラブラドール
随分昔の話になりますが、ある公園では、毎日必ず夕方にラブラドールを連れてきてボール遊びをさせる飼い主がいました。典型的なラブラドールの性格で、超活発、人も犬も大好き、運動大好きな犬でした。そこに時間を合わせて来る中学生の女の子がいました。犬が大好きだけどマンションで飼えないため、この公園に来て犬と遊ばせてもらっていたのです。特にこのラブラドールは彼女のお気に入りで、ボール投げをさせてもらっていました。
ところが。
ある日、警察が来て、リードを繋げと注意されて以来、ボール遊びはできなくなりました。詳しい事情は聴いていませんが、ロングリードもダメだと言われた可能性もあります。
そのラブラドールが来ていた時間帯は、すでに公園の主たる利用者である子供たちが帰った後で、ほとんど犬の散歩のために来る人たちの専用になっていました。では誰が通報したのか?と言うと、時々数秒間の節約のためにわざわざ公園を使ってショートカットする通勤帰りのサラリーマンだと考えられます。これも推測ですが。
私が大型犬、特にラブラドールのような運動欲求が強くてめちゃくちゃ人懐っこい犬は飼わない方が良いというのはこういうことなんです。
私から言わせれば「こちらは節度を守ってわざわざ人が来なくなるような時間帯を選んで来てるのに、歩行距離を10mかそこら縮めるためだけに公園通らなあかんのか!?」ですが、残念ながら日本の社会はそうはなっていないのです。
ポリコレ棒を振りかざす町内会員
次に私の話。
ある保育園の真向かいにある公園で散歩をしていたら、保育園帰りの親子がよく立ち寄って犬と遊びたがるんです。その時、年長さんとかある程度の大きさの子であればリードを付けたままリードごと渡すのですが、小さい子だとリードを付けていると足に絡まったり引っ張られて転倒したりすることがあるので、リードを離して遊ばせます。うちの犬は子供に少々乱暴に扱われても平気の平左なので、ママさんたちにも重宝がられました。
やはり、「うちはマンションで犬が飼えないのでこうやって気軽に触らせてくれる犬はすごく貴重なんです」と喜んでくれる親御さんが多かったですね。
特に私が嬉しく思ったのが、年少さんと思われる小さなお子さんを連れたママ。「ほら、〇〇くんが好きなワンちゃんよ」と犬に触るのを促します。小さな子供なのでこちらはリードを離して自由にさせます。リードを離したうちの犬が、ママの方に行こうとしたその時、ママは慌てて滑り台に走り出し、はしごを登ったのです。「え!?」と私が驚くと、「すみません、子供には犬を触らせてあげたいんですが、私は犬が苦手で」と。
いやいや、これ、ある種の理想なんですよ。犬嫌いは感覚的なものなのでしょうがない。でも、だからといってこのママさんは子供にも触るなとは言わないんですね。もちろんうちの犬は私の一声で制御できますから、以後ママさんには近づかせないようにしながらそのお子さんと遊ばせるようにしました。
……なんて言う触れ合いも長くは続きませんでした。町内会の役員を名乗る、ある犬の飼い主が公園にやってきて「リードをつけてもらわないと困る」と。
知らない人が来たらリードつけるようにしてますが
リードを付けるのはマナーです
そのマナーは誰が決めるんですか?うちの犬は吠えもしないし噛みもしないようしつけています。わざわざ暗くなって人がいなくなってから来てるし、明るい時にリードを離すのは保育所の子供たちのためですよ
糞を放置されるので
そんなこと一度もありません。むしろうちはよその犬の放置された糞を取ってますよ
法律でも決まっていますから
法律って何のことです?いわゆる動物愛護法なら知っていますが、あなたは読んだことがあるんですか?
とにかく、町内会で決まったことなので
はぁ!?町内会だと!?町内会とは一体何なんだ!ゴミの収集ルールみたいな昭和の文化を後生大事に守り続けてエセ行政権を振りかざし、自治体から得体の知れない補助金をもらっては慰安旅行でジジイどもがいかがわしいサービスを受け、一方で子供のパトロールを手伝おうともしない町内会が何だと言うんだ!そもそも町内会とは何だ!それこそその権能に法的な裏付けはあるのか!!
…と言いそうになったのをぐっと堪えて、以降その公園は利用しなくなりました。
当時、うちは多頭飼いで1匹はヨタヨタしか歩かない老犬でした。若い犬と老犬を一緒に散歩させるというのは基本的に無理な話なんです。と言うと「若い犬を老犬のペースに合わせたらいいだけだろうがカスwwww」という声が聞こえてくるんです。ハイ、仰る通りですね。
その公園どうなったかというと…
ちなみに。
私に注意してきたその町内会のオバハンご婦人は牧羊犬の多頭飼いをされています。私が「1日100km走れる牧羊犬は日常の運動でも30km走る必要がある」と主張した、あの牧羊犬です。しかしながらそのご婦人の散歩している様子を見ると、時速2.5km。基本的に歩くのが嫌いな方なのでしょう。それでどのくらいの時間散歩しているのか知りませんが、ノンストップで1時間歩き続けても2.5kmにしかなりません。
さらに、ご自宅の家の前を掃除するのに、なんと犬をノーリードで公道に放ち、その犬は向かいの家の玄関に小便をかけていました。
さらに、真夏の午後2時、灼熱のアスファルトの上を歩かせる始末。完全に虐待ですよ、これ。
つまりこの人、基本的に倫理観とかマナーとかそういう頭がハナからないのです。わざわざ用事もないのに公園に入ってきてノーリードを注意するのは、まさしく「町内会でそう決まったから」であり、ノーリードを撲滅するのが彼女の「常識人としてのしぐさ」であるわけです。もちろん、犬に興味なんて微塵もないでしょう。片手にリード、片手に浅はかなポリコレ棒を持ってウロウロするだけのゾンビなんです。
さらにちなみに、ですが、数か月後に同じ公園に立ち寄ったら、植え込みに犬の糞が散乱しているのは当然で、どう見ても中型犬より大きい犬の糞まであったのには驚きました。私と言う監視する目がなくなって、返ってカオスになっちゃったわけですね。
一旦区切ります。
次回は「市役所にドッグラン設置の要望を入れてみた」という話を。
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