殺処分される犬はペットショップとは関係がない!?
当ブログのこの記事に頂いたコメントについて、真面目な反論をしておきます。
保健所に収容されるのはほとんどが雑種犬ですよ。
つまりは野良犬が多いんです。
純血種は迷子犬で飼い主に返還されたり、そうでなくても譲渡されることが多いです。
また、ペットショップやブリーダーといった生体販売者からの引き取りは保健所が拒否します。
あまりデタラメなことを書くのはやめた方が良いと思います。
他の犬種などについての記事は良い記事だと思うのでもったいないです。
このコメントは当該記事の、
その殺処分される10万匹は、飼われる犬とは関係なく存在するのではなく、ペットショップの売れ残りや元々飼い犬なのに飼えなくなった、飼いたくなくなったために手放された犬がほとんどなので、愛玩のための犬の「副産物」として発生する犠牲なわけです。
に対するものと思われますが、確かに近年の確認できた統計を見る限り、施設収容で言えば純血種は約29%、殺処分で言えば同じく約12%となっており、ペットショップから購入される個体が100%純血種であるとするなら、「殺処分される犬の9割近くがペットショップおよびブリーダーから調達されたものではない個体」と言えます。
で、雑種犬とは野良犬のことであり、商業流通とは関係がないと。
それだけの野良犬はいったいどこにいた?
しかし。
3万8000頭のうち、純血種約1万頭を差し引いたとして、1年間に2万8千頭の「野良犬」が収容されていることになるわけですが、それだけの野良犬がいながら、私がここ数年1頭たりとも野良犬を見たことがないのはどういうわけでしょうか?私の住んでいる地域は都会ながら近くに山があって、アライグマやイタチなどが頻繁に出没します。しかし、野良犬を見たという記憶を遡っても、その前に神戸の市街地で遭遇した野良イノシシの方が先に出てくるんですよ。
このことは狂犬病ワクチンの是非についての論争にも必ず出てくる問題であり、大きな謎なんです。
狂犬病ワクチン接種推進派や「ペットショップ悪くない」派によれば、私の住んでる地域はかなり特異か、あるいはよほど私の観察力に問題があることになりそうですが、もちろん、私はこんなことを信じてはいません。
1万歩譲って、実際にそれだけの「野良犬」がいたとしても、今度はその「野良犬」が「野犬」なのか?という問題が出てきます。すなわち、その「野良犬」達の起源は何なのかという話です。
皆さんご存知のように、日本においては「野犬」はほぼ絶滅状態にあります。狂犬病警戒のために、野犬は見つけ次第ただちに捕獲そして殺処分されることが法律で決まっており、捕り尽くされたからです。
「雑種犬」はどこから来たのか
さて、ペットショップ擁護派の言う通り、殺処分される犬のほとんどが雑種であったり野良犬であったりするとして、その犬の起源は野犬、つまり元々自然界で人間の手が加えられずに棲んでいた犬なんでしょうか?そんな犬が2万8000頭も?いやいや、無理があるでしょう。
うちの犬は雑種ですが、それは親の犬種が完全に特定できないという意味においての「雑種」であって、半分は純血種ですからね。それでも特定されない限りは「雑種」となりますし、場合によっては親の犬種が特定されていても「雑種」とされてしまうでしょう。
実際、殺処分候補の犬の写真を見てみると、「純血種ではない」という意味においてはたしかに「雑種」だらけなのですが、何かしらの純血種の血が混じっていそうという意味においては、純粋な「雑種」(?)という個体はほとんど見受けられません。
つまり、私の見る限りにおいては、施設に収容され、殺処分される犬のほとんどは、商業ベースで流通した犬が由来なのですよ。
現実としては収容される雑種犬のうち、多くは飼っていた人が直接保健所に持ってきたか、飼っていた人が捨てて、ほんの一時「仮野良」となった後に捕獲されたというケースでしょう。私の知る限り、個人が持ち込む限りにおいては保健所は引き取り拒否できないはずですしね。
引き取り屋の問題に言及すべき
近年、その殺処分の数が大幅に減り続けていることは喜ばしいことです。その要因は、野犬の数が激減したこと、犬はペットショップから買う貴重品という認識、犬は家族であるという認識、犬OKの賃貸住宅が増加したこと、ボランティア団体の活躍などが挙げられるでしょう。
しかし、ほんのここ数年の、各自治体が喧伝する「殺処分ゼロ」が欺瞞に満ちたものであることは過去の記事にも書いた通りです。
コメント主も、
また、ペットショップやブリーダーといった生体販売者からの引き取りは保健所が拒否します。
と書いておられますが、じゃあ引き取り拒否された犬たちはどうなってるの?という疑問が出てきますね。物凄く大事な問題なのに、そこには言及していらっしゃらない。
この方が仰っているのは2012年の法律改正によって、保健所がペットショップの売れ残り個体の引き取りが拒否できるようになったことを指していらっしゃると思いますが、それ以降、犬の引き取り屋の暗躍が話題に上るようになりました。ペットショップあるいはブリーダーによる犬の「不法投棄」のニュースも時々目にします。
犬猫引き取り屋の実態をリポートした動画ですが、見てみると、ヨークシャー、ミニチュアダックス、ゴールデンレトリーバー、チワワなど、どう見ても純血種の犬たちが悲惨な末期を迎えようとしています。
「保健所は業者からの犬猫の引き取りは拒否できる」という法改正は、それによって生じる(誰もが想像できる)副作用のことを一切考慮していないア法改正です。
コメントをお寄せ頂いた方がどういう立場の人なのかは知るよしもありませんが、ペットショップの方だとすれば、本当にク〇ですね。是非、地獄に堕ちてください。
本当に犬のことを考えるのなら、こういった記事にイチャモン付ける前に、犬の飼養やペット産業にまつわる法律を整備しろと訴えなさいよ。
ということで改めてフォント大きめで言わせて頂きますね。
私はペットショップやブリーダーなど、無責任に犬を売ってメシを食ってる連中を心から軽蔑しています。
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