からのつづきです。
犬の行動を読めない愛犬家
例えば犬の集まる公園でおやつをあげる。その際に犬同士がケンカをしてしまうことがあります。これはおやつを与える人間の責任なんです。
人間が犬の行動を読めていない。犬が吠えたり、ピョンピョン飛び跳ねたり、2本脚で立ち上ったりしている時に与えてはいけないのですが、それをやってしまう。
犬は興奮状態で目的を達成したことが成功体験になってしまい、おやつをもらう時に「落ち着いて待つ」ということができなくなります。
逆に「落ち着かないと与えない」という規律を設けていれば、犬は正しい学習をするようになります。おやつを奪い合ってケンカすることもありません。
あるいはボール遊び。違う家の犬が複数同時にひとつのボールを追いかける。私がボールの投げ手だと仲良く遊んでるんですが、別の誰かがボールを投げるとケンカになることがあります。
その理由は、投げる方向が間違っているからです。
複数の犬がひとつのボールを追いかける場合、そのボールを投げる先は【遠く】でなければいけません。すると犬同士で目が合うことがありませんから、ケンカにならないのです。
そして問題の人は、遠慮がちに犬と犬の間に向けてボールを投げてしまったわけです。すると、犬からすれば、「目標物の向こうに自分ではない犬がいる」という構図になり、その犬は自分がボールをゲットする上での障害=「敵」となるわけです。
あまり馴れていない複数の犬が食事をする際も、向かい合わせは厳禁です。ヘタすると血みどろのバトルが勃発しかねません。
ドッグラン状態の庭はどうなのか?
件の犬の家は、フェンスで囲まれたドッグラン状態だったようです。
これね、一見理想的に見えるんですよ。運動も好き放題できるし。
しかし、一般のドッグランと大きく違う点がひとつありまして、それが「完全に自分たちのテリトリー」になってしまっていることです。
私は犬のしつけのために、「デタラメだらけの教本読んで小手先の“しつけ論”で犬をしつけた気になってしまうくらいなら、とっととドッグランに連れてって放り込めば良い」とよく言っています。
ドッグランが、有限のスペースにあれほどの犬が集まっても、大きなトラブルが発生しにくいのは、「安全な犬しか来ないから」だけではありません。精神的に不安定な犬や凶暴な犬もドッグランと言うスペースに入ってしまうと、精神が開放的になったり温厚になったりする効果があります。
その理由は2つ。
身体がリードやケージで拘束されていない
物理的な拘束を受けている場合、犬にとっては「逃げ道がない」状態ですから、外からの刺激に敏感になるし、いざとなったら即攻撃という手段にも出やすくなります。
「拘束されている」という感覚がない場合でもそれはあって、自分から進んでケージに入る犬の中には、その状態で手を入れられると咬み付くというような行動をとるケースもあります。
それは逃げ道がない上に、そのケージが自分の所有物であるという意識の表れでもあります。
テリトリーを主張する余裕がない
犬がよく散歩に来る公園の犬の匂いの密集度は公道よりもはるかに大きいのは当然です。ドッグランはさらにその何倍あるいは何十倍何百倍もの犬が訪れ匂いを残していきますから、公道や公園なんかとは比較にならないほどの密集度を持ちます。こうなるとマーキングも意味を持ちません。
何より、目の前に知らない犬が何頭も走り回っているのです。テリトリーを主張している暇なんてないんですよ。
身体が自由意志で動ける状態にあり、モノや場所に対する執着(所有意識)がない。そこにいる犬は全員横並びの立場。だからドッグランではケンカが起こりにくいのです。
対して件のグレートデーンの庭はそうではありません。大きな庭であっても、それは自分たちのテリトリー。ちょっと油断をすると、何を「異分子」と見做すか分からないのです。このグレートデーンは、赤ちゃんを異分子として排除しようとした可能性もあるのです。
で、ですね。この辺の詳しいことは投稿を分けようと思いますが、例え大型犬を走り回らせられるだけの大きな庭を持っていたとしても、それだけでは社会性や精神的な成長は身に付かないのです。やっぱり幼犬の頃から外に出て散歩をさせ、よその犬や人と接させることで、そこで初めて「温厚な犬」になるのですよ。
コメント
グレートデンはとても神経質でデリケートです。
抱っこの件は初耳です。
それからリードやケージと言った狭い拘束した飼育環境こそこそ性格を攻撃的にします。
あなた余りに勉強不足ですねえ。
本当この手の記事は間違いだらけ。