飼い主がいない時の振る舞いに犬の賢さが表れる
ここでようやく例の咬傷事件を起こしたピットブルの話に戻るんですが、犬のしつけにおいて肝要なことは「飼い主の言うことをどれだけ聞くか」ではなく、「飼い主がいない時にどれだけ理性的に振る舞えるか」なんですよ。
闘犬として育てられたピットブルは、飼い主がいない状況で理性的に行動できませんでした。これほど極端な例でないにしろ、飼い主に依存する犬は多いものです。
「私がいつ死んでも大丈夫」
をモットーに育てているうちの犬はというと、とにかく人間が大好きです。
うちにお客さんが来ると、駆け寄って行って膝に飛び乗ろうとしたり、足元から離れずにいたりして、お客さんは「何があったんですか?」とばかりに目を丸くします。
「何もありませんが、犬はお嫌いですか?」
「いえ、大好きです」
「だったらそのままでいさせてやってください。触ってもらうのが大好きなんです」
こんなやり取りが定番です。
散歩に出かけた時も、よその人を見るや駆け寄って挨拶。するとその相手は「ああ、おやつね。ちょっと待ってね」とか「ごめんねー、今日おやつないの」などとおやつを催促されたものと思われるのですが(おやつはおやつで大好きですが)、そうではなくただ触ってほしいだけなのです。
「人間はお前たちにとって楽しい存在」
「よその犬は敵ではない」
これを徹底的に教えることによって、問題行動を起こさない犬になりました。首輪が外れてしまったら?玄関から脱走してしまったら?怖いのは交通事故とよその凶暴な犬に咬まれることだけで、うちの犬が問題行動を起こす可能性は限りなくゼロに近いと言えます。
例のピットブルのような事故(事件)があると、決まってツイッターでは「リードから手を離すな」とか「しっかり鍵かけとけ」といった批判が出てきますが、大いに間違っています。
「フリーの状態でも安全」という育て方ができない人間は犬など飼うな!
が正解なのですよ。飼い主がいなくても、おやつがなくても。
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