よその犬におやつを与える時の作法。

ラブラドール犬 しつけ
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犬におやつを与えるのは迷惑行為である

よその犬におやつを与えるという行為は一見温かみのある光景ですが、これほとんどのケースで「迷惑行為」なんですよ。

その理由をこれから説明します。

よくある光景。

「〇〇ちゃん、アレルギーとかないですか?これ上げてもいいですか?」
「どうぞ、うちのは何でも食べますよ」

で、お座りとかさせるんですけど、させるならちゃんとさせてくれ、なんですよ。

公園なんかで犬がおやつを与えられる際、たいていは他にも犬がいます。犬にとっては競争なんですよ。カサカサと袋の音がする度、犬達は色めきだって、その人に勢いよく近づいていきます。そしてその袋からジャーキーでも出てこようものなら、我先にと飛びついてかぶりついてしまうわけです。

これ、絶対やらせちゃダメなんです。

犬は興奮状態でおやつを口に入れることになります。誤って手を噛んでしまうこともあります。興奮状態で競争させてしまうと、犬同士のケンカを引き起こしてしまう可能性もあります。何より、一度こういうやり方を覚えてしまうと、違う人がおやつを与える場合でも同じような行動に出てしまうようになっちゃうんですよ。

 

犬はちゃーんと人を見ている

うちの犬もこれをやるんですが、人によっては「なんてお行儀の悪い」みたいな言い方をされます。違います。そのやり方によって犬は実際におやつをゲットできるんですから、飛びつくという選択肢は正解なのです。つまり、犬は犬なりに最も賢い手段を選んでいるわけですよ。

問題は、与えてしまう人間側にあります。

私がおやつを持ったところでうちの犬は飛びつきません。それは、飛びついて叱られることはあっても、おやつが自分の口に入ることはないからです。私以外でも、私のようなやり方でおやつを与える人には同様のしぐさをします。

つまり、犬はちゃんと人を見てるんですよ。

 

「じゃあお前がしつけろ」?

私以外の誰かがおやつを与える際の犬の振る舞いについて、私がしつけるというやり方。できなくはありませんよ。でも実際にやったらドン引きしますよ?

なぜなら、犬はおやつ(を与える人)の方を向いているからです。ここに第三者である私がしつけを施すというのは極めて効率の悪いやり方で、相当な刺激が必要になります。そんなことをするより、当事者が行儀を守る方がはるかに穏やかで簡単に制御できるのです。

 

そもそもおやつなんて必要ない

そもそも犬におやつをやる意味って何でしょうか。栄養という点では全く必要ありません。食事を与えて健康管理をしているなら、おやつはむしろ邪魔でしかありません。

でも人は犬におやつを与えたがります。これはなぜかと言うと、「犬の喜ぶ顔が見たい」とか「犬と触れ合いたい」とかそういうものでしょう。ま、中には人間と喋りたいから犬を引き寄せるなんてヤカラもいますけどね。

ところが、そういう感覚でおやつをあがてしまう人に限って、犬とコミュニケーションが取れないのですよ。犬とのコミュニケーションの方法が分からないから、おやつを与えるという安易な方法を選んでしまうわけです。

私もいつも最低限のおやつを携帯していますが、これって怖がりの犬や、お散歩デビューして警戒心の強い仔犬、あるいは相性の悪い複数の犬の関係構築のとっかかりに使うんです。細かい話は後回し。

 

理想的なおやつの与え方~おやつで犬と会話する~

おやつを与えるのはコミュニケーションです。それが分からない人のおやつの与え方は、犬にとってみればおやつしか見えていません。それを与える人なんてどうでも良いのです。

おやつを与える際は、それをする自分の存在を強く認識させ、犬に行儀を教える必要があります。以下具体的に。

おやつの袋を出し、おやつがここにあるということを犬に教えます。

犬が近づいてきたら、「待て」や「お座り」をさせる。この時、おやつは一旦背中に隠すか、もう片方の手を犬の顔に近づけて、「落ち着かなければおやつはあげない」という意思表示をします。

犬がじっとしたら与えます。

これで、人間から犬に対して、おやつと同時に規律を与えることができるわけです。そして、犬は手元のおやつではなく、人間の顔を見ようとします。そうでない場合、人間は犬にとってただのおやつサーバーでしかなくなります。

 

後ずさりは絶対にしてはダメ

実に簡単ですね。でも多くの人はできないんですよ。それは、犬が飛びついてきた時に負けてしまうから。犬に飛びつかれると、後ずさりしたり、「あー!」と大きな声を出したりするのは絶対にNGです。

これはおやつを与える時以外にも言えることで、犬と向かい合った際に何があっても後ずさりをするべきではありません。後ずさりしたり避けたりしたら、その時点で貴方は犬にバカにされます。「コイツは頼りない」「この人間は俺の支配下にある」という間違ったメッセージを送ることになります。慌てふためいて後ずさりしたり、体ごと避けたり、奇声を上げたりするのは、どのような場面でもやめてください。

もし犬が飛びついてきたら、手や体で弾き返すのが正しい対応です。それでもおやつめがけて飛びついてくる場合は、おやつを持っている手だけを隠します。声で叱る場合は、「こら」「待て」などの言葉を低く、短く、鋭く発します。「あ~~もうダメでしょ!ちゃんとあげるから!ほら、座って!待て待て待て待て!!!」←これ全くの逆効果になります。

そして、犬が座って待つ姿勢を取らない限り、絶対におやつを与えてはいけません。

相手が大型犬で弾き返すのが物理的に難しいという場合は、あなた自身が与えるのを諦めて飼い主か犬の扱い方を心得ている誰かに託しましょう。

 

まとめ

犬におやつを与えることを「善いこと」「施し」などと思っている人がいれば、それは大きな間違いです。

観光地の池の鯉に、わざわざ100円出してエサを飼ってまで与えたくなるのは、あなたがそれを面白いと思ってるからです。犬におやつを与えるのはあなたの「娯楽」なのです

。だったら、「おやつをやらせて頂く」という態度が当たり前であって、当然そこには作法が必要です。「せっかくおやつをやろうと思ってるのに行儀の悪い」なんて傲慢な考えは捨て去ってください。

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