犬のしつけは難しい?
ものすごく基本的なこの質問なんですが、これは私なりの「しつけ論」を完成した今でも、答えるのが非常に難しい質問です。そもそもその人がどんな性格なのか分からない限り、断定的なことは言えないのです。
これは相手がそこそこの年配者である場合に限定されますが、ひとつ大雑把な回答をするなら、「ムツゴロウさんを見て、ああなりたいと思える人なら、多分しつけなど難しいものではない」。
貴方に好奇心はあるか
私とダメ飼い主を比較して最も大きく違う点は「好奇心」(その犬を知ろうと言う意欲)と「サービス精神」だと思います。犬の上っ面を見て「可愛い」と思うのではなく、その内側がどうなっているのかに興味を持つ人。内臓のことではありませんよ。
「こういうことをしたらどんな反応をするだろうか」
「何をしたら喜び、何をしたら怒るんだろうか」
という刺激と反応のパターン構築こそがしつけの根本であり、そして実はこれこそが「愛」だったりするのですよ。そして犬を理解しようという意欲もないのに、中途半端な「サービス精神」だけを持っている飼い主が、「犬を好きに歩かせる」とか「ほしがるからおやつを与える」みたいなバカなことをしちゃうわけです。
アタオカに見えるけど手本にすべきムツゴロウさん
で、ムツゴロウさんはと言うと、その犬の可愛がり方はフツーの人の感覚からするとかなり特殊です。
この動画の22分頃あたりから犬と戯れる様子がありますが、頭を撫でてヨシヨシなんてことはせず、くんずほぐれつ、犬を強引に抱き寄せたかと思ったらベロベロ始め、犬が襲ってきたら身を委ねる。その様子はもはや「行為」です。


こういったワンワンとニャンニャン……いや、体当たりのスキンシップをしたいと思って実行できる人にしつけ論なんぞ必要ないと思います。犬のことを理解出来たら、あとは普通に会話するだけで「しつけ」はできてしまいます。
それが分からない人のために“翻訳”しているのが当ブログの内容なので、詳しくは過去ログをご覧ください。
ちなみに、私もこういうやり方をするのですが、よその犬と触れ合う時は当然ながらかなり遠慮します。舐めてこようとする犬を口を開けて迎え入れるオッサンはヘタすると通報対象になるので。
あ、ワンポイントしつけ教室。舐めてこようとする犬に対して、多くの人はのけぞったり声を上げたりしますが、それはNG。拒絶すると犬に舐められます。あ、ややこしいですね。舐めてくる犬を一切動じることなく受け入れてあげれば、信頼関係は簡単に築けます。犬は常に人間を査定していて、自分が舐めに行ってもビクとも動かない人に対してはそれだけで敬愛の念の持ち、信頼に価し、逆らってはいけない人という認識を持つようになります。つまり、たったそれだけのことで主従関係が成立してしまうのですよ。
その「可愛い」は数か月しかもたない
逆に、犬を飼うきっかけが「ペットショップで運命を感じた」という人。絶対にやめた方が良い。この手の人達は、「自分好みの外見を持つ子犬とたまたま目が合った」という出来事のことを「運命」と呼ぶのです。
子犬が可愛いのは当たり前。しかし犬が子犬でいる期間は、犬の生涯のうちほんのわずかなもので、15年生きるとしたら14年は成犬なのです。人を血まみれにするほど凶暴な柴犬だって、生後3か月の時は見ているだけで血圧が下がり、触れば鼻からベータエンドルフィンが垂れ落ちてくるほど可愛かったのです。その「運命」や「犬を可愛いと思う気持ち」は、シャネルのバッグに抱く感覚と何ら変わるものではありません。もちろん、しつけなんぞできようはずがないのです。
「犬を飼っても良い人」判定
とりあえず思いつくままチェックリストを作ってみました。
□「主従関係」という言葉に抵抗がない
□犬に飛びつかれても動じない
□犬が悪いことをしたら躊躇なく抑えつけることができる
□犬が欲しそうな顔をしても与えない
□自分だけが出かける時に犬に「行ってきます」を言わない
□(飼い主が)人間にちゃんと挨拶ができる
□犬に可愛い服を着せてあげたいと思わない
□犬に「おせち料理」をあげたいと思わない
□飼い犬が死ぬ時の想像ができる
全部チェックが入った人だけが犬を迎え入れることを検討してください。


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