この十数年間、無数の犬を観察してきましたが、犬の健康に着目してみると、文字情報ではなく経験として分かることがあります。
犬に結石、腎臓病、肝臓病が多いのはミネラルが原因?
これらは多分、人間よりもはるかに多くて、それはなぜだろうと常々考えていたんですね。で、ひとつの仮説を考えました。
悪さをしているのはミネラル
これはあくまで、医学の素人である私が勝手に考えているものなので、そのつもりで読んでください。
ミネラルは、今やひとつの栄養素として数えられる、人間の体にはなくてはならない成分です。ミネラルが不足していると水分を吸収できませんし、神経の働きが弱くなって、脳にはもちろん、筋肉で動いている内蔵の不全に陥ります。
犬と人間とではミネラルの作用の仕方が違う?
ミネラルが重要な栄養素であることは犬にとっても同じです。しかし、その扱いは、多分かなり違うものになります。
具体的なところはちょっと飛ばしまして、重要なところを。
ミネラルが不足がち、ミネラルはちゃんと摂りましょう
これはよく聞くフレーズですが、ミネラルを摂り過ぎた場合はどうなのでしょうか。
人間なら汗をかきます。季節によっても発汗量は変わりますが、真冬でも実は相当な量の汗をかいています。その汗のほとんどは水分ですが、ミネラルも一緒に排出することになります。汗に含まれるミネラルのうち、その多くが塩分であるのは、元々体内に含まれる塩分量が多いからでしょう。塩分以外にもカリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄分など多様なミネラルが含まれています。
さて、そろそろお分かり頂けたと思いますが、犬には人間と同じようなミネラル排出機構がありません。なんせ、汗をかかないのですから(正確には肉球に少しだけ汗をかきますが)。
過剰摂取したミネラルは、塩分なら腎臓に負担をかけ、血圧を上昇させて血管を傷め、果ては脳や心臓にもダメージが…ということはご周知の通り。とにかく摂れ摂れと言われる鉄分も過剰摂取分は実は猛毒となって肝臓にダメージを与えることになります。カルシウム、マグネシウムも多すぎれば結石の原因になります。
多分ですが、人間はこれら過剰なミネラルを汗と一緒に流しているわけです。ところが犬は、皮膚からの体温調節は伝導のみであって、蒸発を利用した体温調節は口の呼吸によります。口の呼吸は空気と水蒸気しか出入りせず、体内のミネラル量は一切変化しません。
人間が食べ過ぎたら太るだけだが、犬は……
人間が食べ過ぎた場合、炭水化物や脂肪分が贅肉となって体に表れます。が、太ったからと言って直ちに不健康になるとは限りません。むしろちょっと太ってる人の方が寿命が長いと言われるくらいです。
犬の場合は、贅肉が付くだけでなく、ミネラル分も蓄積し、それが内臓疾患や結石の原因になるのではないかと私は推測します。私が見る限り、やはり肥満気味の方がそういう病気が多いんですよ。
じゃあどうすればいい?
「ミネラル分を考慮して食事を与える」という行為は、非常に高度な技術で面倒くさいものです。簡単な話、最も大事なのは絶対量であり、食べさせ過ぎないことが肝要でしょう。
あえて個別の食材の話をするなら、例えば大根葉やホウレン草、ひじき、動物のホルモン(内臓肉)、魚丸ごとといったミネラルの多い食材は、「少しずつ与える」ことが大事であって、「体に良いから」と1食で与えすぎるのは控えた方が良いと思います。
「玄米は犬にやらない方が良い」と言われる理由は、多すぎる食物繊維だと聞いたことがありますが、そんなものはまともな糞さえしていれば問題ない話で、本当は豊富過ぎるミネラル分こそを気にすべきでしょうね。ちなみに、ミネラル分によって糞の質も変わってきます。
まとめ
犬には人間と同じ食べ物を与えていれば良いという獣医もいます。その家族が薄味派で、犬に適正量の食事を与えるなら、そうかもしれません。が、少しでも過剰に与えると、そのリスクは人間よりも何倍も高くなります。あ、私の仮説では、ね。
何にせよ、犬を太らせるのは虐待ですよ。
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