犬の手作りごはん~犬を長生きさせるレシピ~

柴犬食事 健康
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大事にされる現代の犬

うちには2匹の犬がいますが、どちらも悪魔に憑りつかれているかのように何でも食べます。

すると、「買ったけどうちの犬が食べないもので」などと言っておやつやドッグフードをもらったりすることが結構あります。その中には、自分では絶対買わない高価なものもあって驚きます。

ここ20~30年で犬を飼う人はずいぶん増えたような気がしますが、実はそうでもないらしいですね。ペット市場全体を見るとしっかり拡大しているようです。つまり、「質」が向上していて、犬1匹あたりに費やされる関連費が増えているんですね。

その関連費の結構な割合を占めているのが、犬の食費ということになるでしょう。

さてさて、不思議なのは、そこまで犬の健康に気遣うのに、なぜ手作りをせずに1袋4000円もするようなドッグフードを買うのかという点。

柴犬の食事

なぜ犬の食事を自分で作らないの?

「安いドッグフードにはどんな添加物が入っているか分からない」

そりゃそうなんでしょうけど、今はどれだけ安いドッグフードでも「ペットフード安全法」の基準には従っているし、逆にどれだけ高いドッグフードでも、人間の「食品衛生法」は適用されません。

そもそも、そんなに心配なら自分で作れば良いじゃないですか。

私が言いたいのは、人間の赤ちゃんにおける「母乳神話」みたいなものではありません。実際、ドッグフードだけで長生きしている犬もたくさんいるわけでして。犬が健康で長生きできりゃそれで良いんです。

私が犬のエサを手作りするのは、

1.安い
2.原材料が分かる
3.犬を育てているという実感が持てる
4.若くして病気になった際に後悔しない

と言った理由です。

安い

具体的なレシピは後述しますが、おそらく最も安いドッグフードよりも安く、最も高いドッグフードよりも栄養価の高い食事(多分)ができます。高級フードは乾燥状態で100グラム当たり100円を超えますが、これから紹介するレシピだと水分を除いても多分30円台くらいだと思います。

原材料が分かる

自分で買ってくるんだから当然ですね。しかも全部国産です。

犬を育てているという実感が持てる

犬をものすごく可愛がっているのに、シャンプー・トリミング・爪切りは100%美容院に任せ、エサはフードという飼い主さんが結構います。

それでいて「犬は家族」と言うことに、私はかなりの違和感を覚えてしまいます。

まあ、ここは価値観の違いということなんでしょうが、犬の健康に飼い主が直接的に関われるのは、食事と散歩くらいですから、このくらいしてやってもいいのではと思います。

というか、犬を飼うってそういうことだと私は思ってるんですけどね。食事を作ることを楽しめないのなら、なんで犬なんて飼うんだろう、と。

個人的には、当たり前すぎて「飼っているという実感を持つために」わざわざ手作りしているってことはないんですけどね。

若くして病気になった際に後悔しない

これが結構大きくてですね、本来15年は生きる犬種が7~8才でガンにかかってあっという間に死んでしまうなんてこともあります。

その時に「ドッグフードの添加物が原因だった?」「手作りにしておけば違ったかも」なんて考えたくないでしょ?

 

さて、ではどんな食材を使って犬のご飯を作るか。

まずは基礎知識。

犬は肉食なので肉だけやっていればいい?

違います。

肉食とは、生きた動物を1匹まるごと加熱せずに食べるのが前提で、その食事は3大要素に加えてビタミン・ミネラル・酵素などが採れる完全栄養食です。スーパーに売ってる、いわゆる「お肉」では全く足りません。

例えばライオンなんかが獲物を捕まえてどこから食べるかと言うと、胃腸なんですよね。人間がホルモンと呼ぶ部位です。非加熱のホルモンにはビタミン・ミネラルが豊富に含まれる上に、草食動物の胃腸の中は穀物や野菜で満たされています。肉食は肉だけを食べているわけではありません。

犬は肉食なので、人間と同じ物をやっていはいけない?

草食ベースである人間とは腸の長さが全然違うので、全く同じものを与えるわけにはいきません。ただしそれは、食材そのものより、加工の仕方で判断するべきでしょう。

人間は本来草食なので、硬い木の実でも臼歯ですり潰して長い腸で時間をかけて消化することができますが、肉食である犬は基本的に喉を通るものは丸飲み、腸が短いので当然消化不良になります。

ですので、食材によっては切り方や加熱の仕方に気をつけるべきです。

与えるべき食材と与えてはいけない食材

基本的には人間と同様にいろんな食材を使うのですが、人間とは違う禁忌食材もあります。

加工しても与えてはいけない食材

ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラ

タマネギ

この辺は常識ですね。貧血を起こして、最悪死に至るので与えてはいけません。
ちなみに、うちの犬は、タマネギたっぷりの野菜スープを誤って食べてしまいましたが、全く平気でした。
ネコは庭の観賞用ニラを食べた後、ゲーゲー吐いていましたが、雑草食っても同じですので、中毒を起こしたかどうかは分かりません。
もちろん、それでもやってはいけません。

その他にも禁忌リストはありますが、それは別のサイトで確認してください。

消化の悪いもの

タコ、イカ、スジの多い野菜を生のままなど。

今の日本人は、草食動物としては似つかわしくないほど消化が良すぎるものばかり食べているので、基本的には犬も食べていいものばかりですが、ニンジン、とうもろこし、キノコ類等、人間でもなかなか消化できないものは細かく刻むなど加工が必要です。

ニンジンに含まれる栄養素は加熱しても劣化しないものばかりで、かつ酵素はビタミンCを破壊してしまいますので、生で食べる意味はほとんどないそうです。

タコ、イカに関しては、実は言われるほど悪いものではなさそうです。人間が普通に食べる程度の量なら与えても良いとされていますが、だからといってわざわざ使うべき食材でもありません。

貝類や甲殻類、海藻類などミネラルの多いもの

これは私の見解。
ミネラルが大事な栄養素であることは犬にとっても同じですが、汗をかく人間と汗をかかない犬とでは、必要摂取量も害悪の作用も変わってきます。

一般的な日本人の食事は、人間にとっても塩分過多が指摘されていますから、犬にとってはさらに悪いということになります。人間用の料理をそのまま与えたい時はトッピング程度に抑えておきましょう。

 

レシピの一例

 

食材

イワシ

イワシ(またはアジ)……1パック100円とかで売られてるヤツ。圧力鍋で丸ごと炊いてしまう。頭からしっぽまで食べるんですから、栄養素は並べるまでもありませんが、DHAやビタミンEは高い老化予防効果があります。本当かどうか知りませんが、柴犬には他の犬種よりDHAが必要なんだとか。ま、栄養豊富なのは間違いありません。価格の安さも含めてスーパーフードですが、ミネラルも豊富なので量には気を付けてください。

……これも完全栄養食品。ただし、ビタミンCはやや不足気味なんだとか。

キャベツ……ビタミンを補います。保存の関係上一緒に調理すると便利ですが、酵素のことを考えてある程度は生でやります。

ピーマン……キャベツと似たようなもの。これもうちの犬は生で食べるのが大好きですが、ピーマンの強みは、加熱調理してもビタミンCが壊れにくいという点。

エノキ(またはエリンギ)……食物繊維、ビタミン、ミネラルいろいろ摂れます。免疫向上(ガン予防)効果がすごいらしく、老犬に勧める獣医さんもいます。もちろん消化は良くないので、細かく刻みます。きのこ類の中でもエノキの栄養価は高いらしく、さらに「輪切り」にするだけでみじん切りができてしまうので、めっちゃ楽です。

もやし……これもある程度は生で与えます。豆類なので栄養豊富です。ビタミンB1。

サツマイモ……腸内環境。サツマイモが嫌いな犬はまずいませんね。

ニンジン……ビタミンA、βカロテン。これも消化が悪いので細かく。ニンジンばかりは酵素が負に作用する(ビタミンCを壊す)ので、鍋に真っ先に入れて先に火を通しておきます。

他に「メインディッシュ」としてのお勧め食材としては、鶏レバーがあります。
栄養価が物凄いのに、場合によってはグラム20円台というコストパフォーマンス。ただし、鉄分が多いため、先述の通りガバガバ与えないよう注意したいところです。その他、野菜では白菜やセロリ、ブロッコリーなども。安けりゃ何でも入れてしまいます。

料理法

魚は骨ごと食べられるように圧力鍋で、それ以外は普通の鍋で少量の水で煮ます。塩分はイワシに含まれるものだけで、一切の調味料を加えません。先述の通り、ニンジンだけは先に鍋に投入して、数分間火を通してください。ビタミンCを破壊する酵素を無効化し、消化も良くなります。

犬の手作りご飯イワシ

メインディッシュにイワシを使った調理例。ちょっと乱雑でグロテスクにも見えますが、人間が食っても間違いなく体に良い健康料理です。イワシは圧力調理されているため、骨ごと簡単にほぐれます。

メインディッシュに鶏レバーを使った調理例。圧力鍋を使わない分、楽です。でもお勧めはやはりイワシやアジ。

保存方法

人間はぜいたくなので毎日違う料理を食べますが、犬メシは一度どっちゃり作ったら1週間くらいは続きますので、最初からあらゆる栄養素が含まれるよう気をつけています。うちだと1週間で消費できる量をタッパに入れて冷蔵保存ですが、劣化が気になるという人は3日分程度ずつに分けて冷凍しておくと良いでしょう。

以上、これでうちの犬は17歳半まで生きたという犬の長生き料理でした。

#タイトルを見て、犬がご飯を作ってくれる話だと思った方、すみません。そういう話ではありません。

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コメント

  1. sato より:

    shoriceさんのブログをよく拝読させていただいています。ゲームに興味はありませんが、他のブログも勉強になるので楽しみにしています。

    さて、本文にもありましたが「そこまで犬の健康に気遣うのに、なぜ手作りをせずに1袋4000円もするようなドッグフードを買うのか」と、「それでいて「犬は家族」と言うことに、私はかなりの違和感を覚えてしまいます」ということに関して、私は何一つ違和感を持っておらず、逆に納得さえしています。別に根拠もデータもありませんが、思う所はありましたので投稿させていただきます。

    ドッグフードを買う理由なんて『作るのが面倒くさい』以外の理由は無いんじゃないでしょうか。それに1袋4000円も出すなんて『なんて私は犬思いのいい飼い主なのかしら』と、てっとり早く自己満足できるじゃないですか(4000円あったら、自分なら飲みに行きます)。それに、飼い犬のいる家で犬のご飯をつくるのは、どう考えてもお母さんの役割になりそうですよね。パートに出ながら家族の朝食に子供の弁当、旦那の晩酌まで全部作ってさらに犬のご飯までなんて、そんな余裕のある主婦がこの日本にどれだけいるのか疑問ですし。

    それと「犬は家族」って、言葉が足りないんじゃないかといつも思っています。「犬は都合のいい時だけ家族」「犬はかわいい時だけ家族」が日本の飼い主大部分の本音じゃないでしょうか。そうでなければ、病気になったとか、大きくなったからとか、クソみたいな理由で保健所に連れていかれる犬が何万匹もいるはずないですし。まあ、そうじゃない飼い主だってたくさんいることは理解しているつもりですが。

    ちなみに私は犬は飼っていません。犬も猫もうさぎも大好きですが、ペット不可のマンションに住んでいますし、たとえ一軒家でも飼わないだろうなと思っています。自分以外の命に責任など持てませんし、そもそも自分が長生きしたいと思ってないので、ペットが長生きすると困ります。犬に触れたくなった時は、保護犬カフェに行って寄付金払ってなでさせてもらってます。おかげでカサカサに乾いた人生送ってますが、自分みたいな無責任な人間は、それで十分ですね。長々と偉そうにくだらないこと書きましたが、何となくこう思いましたので。

    • shorice より:

      satoさん

      日頃のご愛読、誠に恐縮です。

      > ドッグフードを買う理由なんて『作るのが面倒くさい』以外の理由は無いんじゃないでしょうか。

      「以外の理由は無い」ことはないと思いますが「面倒くさい」が主たる理由であるのは確かだと思います。これについては記事を書かせて頂きます。

      > 飼い犬のいる家で犬のご飯をつくるのは、どう考えてもお母さんの役割になりそうですよね。

      食事を作るのが誰かという問題以前に、良いか悪いか分かりませんが、世の中の「飼い主」さんの多くは女性なんですよね。私の周辺では犬を散歩に連れ出すのも8割が女性。

      > 「犬は都合のいい時だけ家族」「犬はかわいい時だけ家族」

      これまた記事にさせて頂きます。というか、このことについて途中まで書いた原稿があるので整えて投稿させて頂きます。

      > 自分以外の命に責任など持てませんし

      さすがは当ブログの愛読者。

      > おかげでカサカサに乾いた人生送ってますが、

      犬を飼ってる人も、いやあるいはもっとカサカサしているんです。その場合の犬は飼い主の生活の装飾品であり、カサカサをごまかしているだけです。多くの飼い主は、上っ面の美しさばかりで、犬を飼うことの本当の楽しさも、犬を楽しませることの喜びも分かっていない。いわゆるしつけ論は、犬ではなく【飼い主側に】寄り添うようなものばかり。このブログを始めたきっかけはそこにあります。

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