3月12日放送分の『探偵!ナイトスクープ』より、「13年以上なつかない愛犬!?」という依頼。
16歳のトイプードルなんですが、奥さんの方にはよく懐いているのに、旦那さんが触ろうとすると物凄い形相で噛み付いてくると。
何より16歳でこの元気ですから、少なくとも健康管理は正しかったんでしょうね。
ちなみに、こういう老犬のトイプードルって意外といるんですよ。イメージと違うかもしれませんが、神経質でプライドが高く、かつサイズの割に身体能力もあるトイプードルって一歩間違うとこうなってしまうことがあるんです。
なぜ13年間放っておいたの?
さてさて、まず何より「13年間もなぜ放っておいたの?」という疑問が湧きます。逆に、13年間そうやって過ごしてきたのに16歳になった今なぜ治そうと思ったの?元気は元気だけど、犬の平均寿命からしても普通に考えると長くてもあと2~3年。13年間を取り戻すことなんてできませんわな。噛まれても可愛いうちの子、とその旦那さんは言うけれど、その可愛い子を13年間ストレス状態にさせていたわけでしょ。
んで、ナイトスクープに頼んでみても結局プロのトレーナーに頼んで、しかもその超一流のトレーナーさんのやったことって「おやつで釣る」というものすごくオーソドックスな王道ですよ。そのくらいのこと自分でやってみりゃいいのに。
旦那さんは極めて「不安定な存在」
この犬の問題行動の直接的原因には触れられずじまいでしたが、多分ご本人たちにも分からないんでしょう。でも基本的なところの問題点は分かります。
すでに当ブログで書いたように、犬は不安定な存在に嫌悪感を覚えます。この旦那さんは犬が吠えて噛み付こうとすると「あわわわ」と大きなリアクションを取りながら引っ込みます。これが犬のさらなる嫌悪感を生み、悪循環にはまっていくわけです。
対処法は簡単。犬の攻撃に対し、何のリアクションもしないことです。厚手の手袋や服で装備を固めた上で、そのまま抱っこすればよろしい。あの犬の犬種(トイプードル)とサイズならそれが十分可能です。噛みたいなら好きなだけ噛ませれば良いんです(※)。犬だって飽きるから。
(※)言うまでもなくこの場合は「積極的に甘噛みさせろ」というものとは全く違う趣旨ですよ。
犬がいつまで経っても飽きないということであれば、抑えつけましょう。16歳という年齢を考えるとやりたくありませんが、もう少し若いなら遠慮なく。首とお尻を持ってどこかに抑えつけ、おとなしくなるのを待ちます。犬はこちらが危害を加えないと分かると落ち着きます。
奥さんも決してボスではない
さて、旦那さんには吠えて噛み付くけど、奥さんに触られても大人しいこの犬にとって、ボスは奥さん、なのでしょうか?
答えは「否」です。
この犬にボスはいないのです。
奥さんには「懐いて」いるだけ。
もし奥さんがボスなら、ボスが認めた相手である旦那さんに攻撃するなんてことはありません。そもそもボスがそばにいたら、そのボスが自分を守ってくれるのですから、攻撃的になどならないのです。この犬は奥さんではなく、自分自身が旦那さんを(マイナスの)評価しているのです。
返す返すも、たとえ体は健康でも、不吉な人間と13年間もの間一つ屋根の下で暮らすことを強要されてきたこの犬はやはり可哀想と言うべきです。美容院に連れて行くのにでっかい布で巻き込んで誘拐のようにしなければいけないのなら、散歩はどうしてたんでしょうか。
いろいろとモヤモヤせざるを得ない案件でした。
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