犬の食べ物の好き嫌い克服法

柴犬食事 食事
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犬の好き嫌いをなくすためには、実は何の工夫も要らない

うちは子供も犬も同じようなしつけをしていて、そのどちらも食べ物の好き嫌いがないのです。

うちには3匹の犬がいて、7か月でペットショップからうちに来た最初の犬は、食べたなかったり残したりしたのが最初の3か月くらいでしょうかね。その後は、悪魔に憑りつかれたかのように何でも食べるようになりました。肉・魚は当たり前、生野菜もキャベツ、ニンジン、大根は当たり前、シソやパセリなんかもがっついて食べます。

生後3か月から育てている2匹目も大体同様で、エサを残す時は病気の時だけです。

7歳になってから引き取った3匹目は元々好き嫌いとムラ食いのひどい犬だったんですが、今は一番がっついて食べます。引き取って3日目以降、食べなかったことは1度もありません。

何か特別に美味しい食事を与えてるのか?

いいえ。
半分以上は手作りですが、市販最安クラスである『愛犬元気』のカリカリだけでも皆がっついて食べます。

結局、犬の好き嫌いも飼い主との信頼関係が原因

「犬の好き嫌いがひどくて困っている」という相談をよく受けます。
そういう家に限って、2kg4000円クラスの高級フードを与えており、それを食べないからもらってくれ、とうちの犬どもが御相伴に与ることになります。

この相談に対する回答は、私にとってはあまりに当たり前で、あまりに単純すぎて、回答にならないんですよね。すなわち、

「それは貴方がボスになってないからですよ」

ということなんです。

「何なんだ、その漠然とした理由は!」

と思われるかもしれませんし、言葉にしてしまうとさすがに自分でもやや観念的過ぎるかなと思うんですが、それでも私が多くの犬を観察する限り「ご飯を食べない」という飼い主の共通点はそこなんですよね。

うちの3匹目も、かつてはボス不在の中で育っていて、私からすればまともなしつけを施されていませんでした。今は相当強力なボスがいる下で暮らしているので、食事の好き嫌いもありません。あ、「多頭飼い効果」もあるとは思いますけどね。

 

食事はコミュニケーションの一環

そもそも、私の犬のしつけ論はすべて、「貴方は畏敬の念を持たれるボスか」という一言で片付いてしまうので、あまり語ることがないんですよね。

逆に、その手の教本に載ってるような、「こういう時はこうしなさい」「ああいう時はああしなさい」という対症療法的なしつけ論はあまり信用すべきでないと思っています。

例えばですよ。
競技に出すような犬と飼い主の様子を見てみてください。Youtubeでも何でもいいので。

その犬の様子って、ボスに命令されるのを待ってるんです。もう、命令してほしくてたまらないんです。そのコマンド待ちしている時の犬の目の輝きといったらありません。

どういうことかって言うと、犬ってとにかくボスを欲しているんですよ。
50匹の群れがいたとしても、ボスはそのうちの1匹だけで、残りの49匹は「ヒラ」あるいは「被支配者」あるいは「家来」なんですね。

で、ボスと言う存在は群れのトップであり、内からも外からも狙われる立場になりますから、どうしても神経質になります。のびのびさせたいからと「リーダーウォーク」をされない犬が、逆に、神経質で攻撃的になるのはこのためで、程度の差はあれ「権勢症候群」という病に罹ってしまっているのです。

うちの犬が与えられた食事に何の疑問も躊躇もなくがっつくのは、信頼できるボスが与えてくれるものだからでしょう。
「おすわり」「ふせ」「おて」そして「よし」この流れで与えられた食べ物を食べる。そこに迷いがあってはいけないのです。

このことを言い換えるなら、食事もコミュニケーションの一環とも表現できます。
人間もそうですね。食事は栄養摂取のためだけにするものではなく、そこには家族の団らんや恋人同士のラブラブな会話があったりするものです。「食事は何を食べるかではなく、誰と食べるか」とはよく言われることですが、それは犬にとっても同じ。

食材によって食べるのを嫌がるというのは、人間とのコミュニケーションを楽しめていないか、食欲を邪魔するほどの不安・不快要素があるということでしょう。例えば、「家では食べる物も散歩中におやつとして与えようとしても食べない」といったことは、その子が怖がりだからです。そして怖がりの原因は別の投稿で書いている通り、飼い主が信頼されていないことが原因です。

 

そもそも犬は味わってなどいない

オオカミから分化した後の1万年の間、本来食性のかなり違う人間と暮らすようになって、犬はその内臓を少しずつカスタマイズさせてきました。おかげで肉食の割に腸が少し長くなり、腸内細菌なども草食寄りになってるんだとか。

とはいえ、犬は元々肉食で、体重の1割程度までは【美味しく食べられる】内臓を持ち合わせています。一方、人間はと言えば、50kgの人であれば1kg食べればお腹いっぱいになるでしょうから、2%ほどしか食べられないのです。

言うまでもなく人間は全ての動物の中で最も食に貪欲で、動物の中で唯一食べ物に調味料を使うほど鈍い味覚になってしまっています。必要量を超えるエネルギーを摂って肥満になり、塩分を摂って高血圧になります。

アメリカなどでは貧困層になるほど肥満率が高いと言いますが、これはもはや人間にとって食事は「生きるため」のものではなく、「嗜好」になってしまっていることを示しています。貧困層が太れるということは、少なくともある程度の経済レベルがある国において食糧不足なんてことはないということです。

そういう特殊な食の事情を持つ人間から見て、「犬にもっと美味しいものを食べさせてあげたい」と思う気持ちは概ね的外れになってしまいます。

「たまには良いものを」とちょっと高い肉を犬に買い与える飼い主さんがいますが、良い肉だからと言って味わって食べているでしょうか?もちろんそんなことはなく、犬は口に入れたものは基本的に丸飲みしてしまうのです。それも当然で、肉食である犬にはそもそも臼歯がありません。つまり、咀嚼などせず、喉を通る大きさのものは飲み込んでしまうというのが彼らの作法であり、舌の上で溶けていくA5和牛のサシの脂や、水炊きの柚子胡椒の風味や、もずくの喉越しを楽しんだりはしないわけですよ。

「美味しいものを食べる」=「美味しく食べる」は違う

うちで友人の犬を預かる際、ほとんどの場合一緒にドッグフードも預かるんです。「うちじゃ栄養バランスを考えた手作りフードを与えてるんですが、もしよかったらそれを」と提案すると、「それはやめてくれ」と言われます。その味に慣れてしまったら、フードを食べなくなるから、という理由です。

たしかにそういう犬の話はちょくちょく聞きます。

しかし。

ではなぜうちの3匹目は、それまでむら食い癖があったのに、うちに着た途端、手作りだろうが安物のカリカリだろうが一瞬で平らげてしまうようになったんでしょうか。ついでに言うと、それまであった吐き癖や頻繁な下痢も一切なくなったのはなぜでしょうか。

 

……てなことを考えますと、犬にとって「美味しいものを食べられない」ことが不幸なのではなく、「美味しく食べられないこと」こそが不幸なのであると結論付けざるを得なくなるんです。

 

どうしてもという場合の対症療法

人間の場合、知能が高いので、「暴力によって無理やり食べさせる」ことも可能です。もちろん、「やろうと思えば」の話ですよ。しかし犬はそこまでの知能を持っていませんので、そんな判断はできません。食べないから殴られたとしても、犬にとっては何で殴られたのか分からないままです。

ところが、飼い主(=ボス)が強ければ、どんなエサでも喜んで食べるようになるわけです。

いやいや、そんなことじゃなくて今日すぐできる方法を!

という貴方のために。

基本的には対症療法を模索するべきではない、とは思いますが、あえて対症療法的方法論を語るなら、「好きなものに嫌いなものを混ぜる」という当たり前のやり方くらいしか私は知りません。実際、これ以外にこれといった方法も多分ないでしょう。

安価に安心して食べさせられることのできる手作りの食事を与えたい、ドッグフードでは酵素が摂れないらしいので生野菜も少しはやりたい、けど食べてくれない。

そんな犬を「釣る」ための方法は【匂い】です。犬はろくに味わいませんが、その分食べるか食べないかは主に嗅覚に頼ります。

食材として一番のお勧めはチーズです。チーズは多くの犬にとって大好物であり、匂いがきついために他の食材の「クセ」を吸収してくれます。チーズを細かく刻んでトッピングすれば、今まで食べなかった食材まで食べてくれる可能性はかなり高くなるでしょう。ちなみに、犬に錠剤の薬なんかを与える時も、スライスチーズを適当な大きさに切って薬を包んでやれば、一緒に食べてくれたりします。

もっと手軽なのはかつお節。
ほんのちょっとトッピングするだけで動物性たんぱく質の香しい微粒子が鼻の粘膜を刺激してくれます。そもそも魚が嫌いって犬には、その効果のほども分かりませんが…。

さらに、キャットフードという手もあります。キャットフードはドッグフードに比べてかなりキツい匂いがあります。味付けも多少濃くしてあるのかもしれません。これを少量混ぜてみると食いつきが変わる可能性があります。

ちなみに、やはり犬の好き嫌いで悩む友人には「シーチキンでもあげてみれば」とアドバイスしてみたら、犬は大喜びで食べたそうです。ただし、それこそ味をしめてその後どうなるか分かりませんが。

犬の好き嫌い克服は人間よりはるかに楽

毎日多種多様な食材を楽しんでいるがゆえに舌が肥えてしまった人間。それに対し、犬の味覚は人間よりはるかに鋭く(なんでも食べるという意味では「鈍く」ということになります)、また一度に食べられる量は人間の数倍ということもあって飢餓感が強い。言い換えればそれは、非常に大きな食欲を持っているのが犬ということです。

幼犬の間にしかるべき接し方をしていれば好き嫌いなんてまずなくなるはずなんですが、大人になっても食欲がなかったり偏食だったりするのは、精神的な面で問題を抱えている場合が多く、長期的に見れば結構深刻かもしれません。

それを踏まえて、「どうやったら何でも食べるようになるのか」の前に「自分の犬への接し方は正しいか」を客観的に省みてみてください。

 

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