お出かけが趣味なら犬は諦めなさい……だが、どうしてもと言うなら
これから犬を飼おうと考えている人は、もしあなたがお出かけが好きなら犬を諦めて下さい。それでも犬を飼いたいならお出かけは諦めて下さい。
どっちも諦めたくない?
「甘ったれんなーッ!」とビンタの一発でもかましてやりたいところですが、そのビンタを食らってなお「それでも!」と言うほどの根性があるならアドバイスを。
まず頭に入れておくべき大前提
・あなたが思っているよりはるかに犬は怖がりである
犬は人間に飼われるべく進化した特殊な動物ですが、それでも人間よりはるかに野生の本能が残っていて、また、いくら賢いと言っても人間とは全くレベルが違います。
そんな犬にとっての関心事は常に、「危険はないか」です。
「なんで犬同士なのに、しかもあんな小さくておとなしい犬なのに吠えるの?」
「なんで犬好きのおじさんなのに近づきたくないの?」
人間が分かっていることでも犬は分かりません。犬はそこに「身の危険」を感じているのです。
・人間の「楽しい」「嬉しい」「可愛い」は犬に通用しない
あなたが楽しいとか嬉しいとか感じていても、犬はそうではありません。
人間にとっての楽しい旅行は、犬にとっては「強制連行」です。旅行の前提は「犬を連れて行かない」を最優先に。
で、具体的にどうすりゃいいの?
このブログの記事を片っ端から読んで、犬のしつけを学んで下さい。巷間のデタラメなしつけ論ではなく、このブログです。
飼い主依存度を小さくする
当ブログのしつけ論の第一の理念は、
「飼い主がいつ死んでも犬は何とかなるように育てる」
です。
つまり、よその人や犬を全く怖がらず、誰にでも懐く、仲良くできる、早い話ストレスフリーな犬の育成です。実際にうちの犬は全てそうなっています。
犬がこうなれば、飼い主が死んでも犬側の「ロス」は小さくて済みます。
人に懐く犬はその後に引き取ってくれる人の候補者も多くなるということです。
そして、こういう犬になると、人に預けることは、犬にとっても飼い主にとっても預かる人にとっても、大きな負担にはなりません。
断っておきますが、そんなうちの犬だって、家族といるのが一番であることは間違いありません。
犬の危険度センサーを鈍感にする
また、見知らぬ土地へ出かける際も、私が一緒なら犬の危険度センサーはかなり鈍感になります。
先日の旅行では犬OKの遊園地に行ったのですが、騒音過敏症の2号犬は私がいない間ブルブル震えていたんです。人が直接発するものや車など普段から高い頻度で耳に入る騒音にはには強いものの、花火や車以外の機械の音は簡単に慣れさせられるものではなく、過敏症の犬にとっては地獄だったようです。
ところが私が戻ってリードを持った途端、震えが止まり、シャキっとしました。いつものお散歩モードになり、どこへでも行くぞ!という態勢になったのです。
面白いことに抱っこではダメなんです。
これは普段、私が意味もなく抱っこしたりしないからでしょう。
うちの犬にとって最も安心できるは、私の傍を歩くこと。
もっと正確に言うなら、私の監視下でそこそこ自由に移動できる状態なんです。リードというのはそのモード切替スイッチになります。
ただ残念ながら、私のワイフの“飼い主スキル”は極めて低いので、犬は安心できずにいたわけですよ。
うちの犬の場合だと飼い主スキルが高ければ、赤の他人であっても安心できるんですがね。
飼い主依存度を可能な限り小さくし、不安症にならないようにする。大きな不安要素がある場合でも飼い主さえいれば安心するように育てる。
これが出来る人だけが犬とお出かけしてください。いや、それでもできる限りしないで下さい。
おまけ
思い出したので追記。
この記事で例示した飼い主さんは、毎週お出かけさせるだけではありません。同一犬種オーナーのネットワークを持っていて、お出かけ先では皆同じヘアスタイルにされた複数の同一犬種がテラスのベンチに並べられて「ハイ、チーズ!」。
犬は人形じゃありません。同一犬種で揃えられようが、同じヘアスタイルにされようが、犬には分かりません。何もかもが傲慢な人間目線でしかなく、本当に胸糞悪くなります。
本名を明かさないブログだから書けますが…。
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