【犬のしつけ】パックリーダー論はなぜ女性に受け入れられないのか(3)

しつけ

女性は生物学的にパックリーダー論に共感できない

女性がパックリーダー論に【共感】できないのはある意味当たり前のことです(【共感】を強調していることに注目)。

オスは家族以外の個体と交流があり、組織を作った

女性はサルの時代から、妊娠・出産・子育てという男にはできない大事業を実行することが運命づけられています。特にヒトの場合は、他の動物に比べて妊娠・出産・子育てはメスに非常に大きな負担となります。当然ながらメスは家やその周辺にとどまることが多くなります。

一方のオスはというと、外に出て狩りをしたり、農耕をしたりするわけです。ヒトの社会性が高度化するにつれて、よその家族のオスであったり、あるいは集落という単位で共同作業することも増えていったでしょう。

するとそこには家族以外との「群れ」ができるし、その群れは「組織」になっていきます。組織は横方向(線)だけで伸びていくものではありません。個体数が増えれば仕切り役が必要になり、縦(面)にも伸びていくのです。

 

組織にはリーダーと規律が必要

取り分を巡って家族ごとにケンカをする無秩序な群れの中で、仕切り役は、「これだけの仕事をした者はこれだけの取り分を用意しよう」とか「家族の多いものは助けてやろう」といった規律の提案で組織をまとめます

仕切り役はやがて「リーダー」となり、組織の中で諍いが生じた時に彼の判断を仰ぐようになります。提案だけでなく、彼の言うことなら従おうという関係ができあがるわけです。

 

メスは「組織」を知らない

オスがそんなことをやっている間、メスは家の中にいますからこのやり取りがどういうものかを理解できません。メスは料理を作り、子の面倒を見、家の外での交流と言えばよその家族の母親と井戸端会議くらいです。そこに小さな群れがあったとしても、「組織」はありません。

言うまでもなくこれらのことは、オスとメスの生物学的役割分担であって、どっちが良いとかどっちが優れているとかの話ではありません。

大事なことは、男性は組織や規律や主従関係の重要性を知っているが、女性は男性ほど知らないということです。

 

例えば、テレビを観ていたら相手が目上の人間でもタメ口を聞くタレントが時々います。想像してください……しましたか?そのタレントの性別は?そうですね、女性かオネエのどちらかです。ほんの一部に例外もありますが。敬語は上下の関係性を表現するための言語形態なので、その意識が薄い人がいるとすれば主に女性なのです。

女性と言葉に関してはもっといろいろ特徴があるのですが、本題からずれるので、総合の方で書くとしまして。

さて、なぜシーザー・ミランをはじめとしてパックリーダー論者が「主従関係」や「規律」を重視するのかが見えてきたのではないでしょうか。

 

だってオオカミは群れを作らないんだもん!

そこで躍り出るのが「そもそもオオカミは群れたりしない!」というドラスティックな主張です。この主張をしたのがくだんの女性トレーナーさんで、詳細は過去ログにあります。

そして面白いのは、「でも人工的にオオカミを集めるとそこには階級ができる」とわざわざ付帯的に記述してあるにも拘わらず、その理由については一切述べられていない点です。

この「人工的に」と言うのが詭弁の大きなポイントなんです。たとえ人工的にしろ、個体数を集めたらなぜそこに階級ができるのかと言えば、人工的でなくても群れを作ることがあるから、に他なりません。自然界で群れを作ることがなければ、高度な階級制などにわかにできるわけがないのです。

この材料から、そもそも主従関係や上下関係に短絡的なネガティブイメージしか持っていない彼女は、「だから犬に主従関係なんて必要ない。虐待を生み出すだけだ」と持論を展開するわけです。

 

パックリーダー論に共感できなくてもいい

さて、先ほど
「女性がパックリーダー論に【共感】できない」
とわざわざ【共感】を強調して書きました。

これ、何が言いたいかと言うと、共感なんてできなくても良いということなんです。共感は要らないけど理解する必要はあるんです。

 

一部のあまり頭のよろしくない人たちは、「自分の共感できないことは、間違っているということだ」という思考回路を持っていて、そういう人たちが「パックリーダー論はデタラメ」みたいなインチキしつけ論の信奉者になります。

そりゃそうですね。「犬のしつけができないのは私が犬と主従関係が築けないから…?私に犬を飼う資格はないと言うの…?」と落ち込んでいる人にとっては、「主従関係なんて要りませんよ♪」という悪魔の声も、自己肯定してくれる福音になるのですから。

せめて当ブログにたどり着いた人たちだけでも、ダークサイドに堕ちることから救えれば本望です。

 

とにかく【理解】して実践してみよう

シーザー・ミランを含む、犬のしつけの上手い人は、感覚としても論理としてもパックリーダー論的しつけ手法を身につけています。これが理想ではあるんですが、感覚の方はとりあえず必要ありません。まず論理としてその手法を【理解】し、実践すれば、【感覚】は後からついてきます

例えば、私がリーダーウォークをする場合、それは理論でやっているわけではありません。私は(多分、平均的な飼い主よりははるかに)犬の気持ちが分かるのでどういう態度で接すれば犬が言うことを聞き、精神的に落ち着くかを、肌感覚で分かっています。それをやっていたら、後になってそれを「リーダーウォーク」と呼ぶのだと知ったわけです。

それが肌感覚で分からない人は、リーダーウォークができないということではありません。やり方を教えてもらって実際にやってみれば良いのです。

私はよその飼い主さんに、犬のしつけ方についていろいろ相談されますが、とにもかくにもリーダーウォークを実践しなさいというのは、リーダーウォークこそがしつけの基本であり、最も暴力性が低く、飼い主に問われる運動能力の度合いも低く、機械的に実行できるからです。

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